ランペイジ期待のUFC戦士までも敗戦=TUFシーズン10 第7週
問題児ミトリオン(右)が、チーム・ランペイジ期待のジュンクを下した 【UFC公式モバイル】
まずはマット・ミトリオン(チーム・ラシャド)対スコット・ジュンク(チーム・ランペイジ)。ダナ・ホワイトはミトリオンを「NFL出身、デカイことくらいしか知らん」、ジュンクに関しては「ジュンクはUFC出場経験もあり知っている。非常にタフでスタンドでもグラウンドでも強い。もちろん俺は経験もあってUFCでも戦ったことのある選手が強いと思っている」とし、ランペイジ初勝利を予想した。
そして最後のカードは、マイク・ウェッセル(チーム・ラシャド)vs.マーカス・ジョンズ(チーム・ランペイジ)。こちらは「マーカスは怪物だ。とにかくデカイ」、「(ウェッセルは)小柄、サイズの差は明らか。俺もこの勝負はまったくわからない」とコメントしたダナであった。
輪から孤立するミトリオン
「お前はお前のことだけ考えろ。お前はUFCとの契約を勝ち取るためにここにいるんだ」とラシャドのお叱りを受けたミトリオンだが、その寂しげな表情とは裏腹に、懲りた様子はなし。
さらにジョン・マジソンが自分のジュースを勝手に飲むミトリオンを注意すると、ミトリオンは「どこにお前の名前が書いてあんだ」と言い返した。集まった時から折が合わなかったという両者、マジソンが「あんなやつブッ飛ばす」と発言したことを後で耳にしたミトリオンは、苛立ちを貯め込んだ。
そして練習でスパーの相手となった両者、「60%」の指示を無視しマジソンに全力のパンチをぶつけて行くミトリオンは、ストップが掛かると、「ぶっとばせるもんならやってみろ」と暴言を吐き捨てた。
再度ラシャドのお叱りが飛ぶ。
「なんでチームメイト相手に、お前はまだ1試合も戦っていないというのに、試合の直前で何を考えてんだ! だったら休んでろ、どうぜ肩が痛いんだろ。その気持ちを試合にぶつけろよ!」
ついには、先週ザック・ジェンセンが標的となったように、ファイターの間で「ラップがスナップする日はいつ?」たる賭けが始まった。肩を負傷した時に“ラップ”を巻いたミトリオン、肩が“スナップ”するように根を上げるのはいつか、というわけだ。
そんな仲間を尻目に一人バスケに一人ビリヤードを楽しむミトリオン、完全に輪から外れ、皆の笑いの的になっていた。
屈辱の7連敗にランペイジは…
「とにかく1勝ができれば、俺はこの世で一番幸せなやつだ」と勝利を切望するランペイジについに幸運は訪れるのか。
そして待望のファイトへ。まずミトリオンが素早いストライクで、ジュンクからダウンを奪う。すぐに立ち上がり腕を振り回したジュンクであったが、すぐにまたマットに尻もち。それでも辛抱強くジュンクを立たせるミトリオン。その後も同じようにミトリオンのポイントだけが積み重なっていく。
1R残り2分ですでに疲労の色が見えてきた両者。スタンドで手数をあてていく中、残り40秒付近からジュンクのパンチがヒットする。なんとかブザーまで耐え、2Rに突入した。
すでに体力の限界と見える両者、ジュンクがテークダウンでパウンドを見せる場面もあったが、最後はミトリオンが腕を上げるのも辛い状況下攻めの姿勢を続けた。
判定の結果はマジョリティ・ディシジョン(20−18、20−18、19−19)でミトリオンの勝利。
「爆弾を落とし合った。それでも立ち続けた2人はすごい。ジュンクで負けたランペイジは悔しいはずだ」と評価したダナ。
屈辱の7連敗を喫したランペイジは、早々にオクタゴンを離れ、控室に向かうドアを無言で粉々に破壊した。
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