「K-1ワールドグランプリ2009横浜」前々日会見

スポーツナビ

“K−1最後の砦”として総合格闘技選手のアリスター撃破に備えるレミー 【スポーツナビ】

 K−1ワールドグランプリ2009シリーズの開幕戦となる横浜大会の前々日記者会見が都内のホテルで行われた。
 会見はテレビ収録や写真撮影と並行して行われ、選手は次々とプログラムをこなしながら各部屋を移動。会見には大会前の公開練習を実施していない選手全員が登場(ジェロム・レ・バンナと野田貢は欠席)し、試合への意気込みなどを語った。

 また、会見の中では同イベント内で開催される第2代K−1ヘビー級王者決定トーナメントに出場予定であったハリッド“ディ・ファウスト”がインフルエンザによる高熱で急きょ欠場。代わって同トーナメントの予備戦に出場予定であった前田慶次郎が本戦へ繰り上げ出場となり、メルヴィン・マヌーフと対戦することが発表された。

“最後の砦”レミーに重圧「期待が重く…」

王者レミー、アリスター迎撃なるか!? 【t.SAKUMA】

「Dynamite!!(08年12月31日・さいたまSA)」でバダ・ハリをノックアウト撃破した総合格闘技(MMA)選手のアリスター・オーフレイムと対戦するレミー・ボンヤスキーは“K−1最後の砦”として「期待が重くのしかかっているのを感じています」と珍しくやや弱った表情を見せるも「プレッシャーをはねのけて、あくまで“試合のひとつ”と考えるようにしている」と自然体で試合に臨む意向。「ベストを尽くしていい結果を残したい」と静かに闘志を燃やしていた。

――アリスター戦へ向けどんな準備を?

 彼はとても強い選手だけど、特にいつもと変わらない練習をしてきたよ。

――アリスター戦で気をつけている点は?

 彼はひざ蹴りの練習をよくしているようだね。バダ・ハリ戦でも見せていた左フックからひざ蹴りのコンビネーションなどを警戒している。

――バダ選手がアリスター選手に負けたの敗因は?

 ひとつ目は「K−1ワールドグランプリ2008ファイナル(08年12月8日・横浜A)」でのダメージの蓄積じゃないか。
 ふたつ目はアリスターを甘く見すぎていたこと。
 みっつ目は時間がなくてアリスター対策ができていなかった。
 このうちのどれかだと思う。どれかひとつとは言い切れないですね。

――ご自身のアリスター対策は万全?

 99パーセント勝っていても1パーセントで負けてしまうことがあるのが勝負ですので、何が起きるか分かりません。
 アリスターもしっかりと準備をしてきていることでしょう。
 同じように自分も準備をしてきています。ですので、1パーセントも負けるとは思っていません。

――谷川貞治イベントプロデューサー(EP)が「レミーが負けたらK−1は終わりだ」と言っています。

 その期待には感謝しているけど、結果はどうあれ、私が負けてもK−1が終わりということにはならないでしょう。
 最近K−1選手がMMA選手に負ける試合が続いていて、ファンをがっかりさせているけど、自分はベストを尽くしていい結果を残したいと思っているよ。

――K−1選手とMMA選手の違いは何だと思う?

 K−1ルールで試合をする以上、私は彼をK−1選手と見なして試合をします。
 試合に影響があるかどうかわからないが、K−1選手とMMA選手では立ち方が違うと思います。

――「K−1王者としてMMA選手に負けない」という気持ちはある?

 期待が重くのしかかっているのを感じています。でもそのプレッシャーをはねのけて、あくまで“試合のひとつ”と考えるようにしているよ。

アリスターはレミーの“演技”を警戒

レミーの“演技”を警戒するアリスター 【スポーツナビ】

 K−1ワールドグランプリの頂点に3度輝くレミーと対戦するアリスターは、トレードマークのハンマー持参で会見場に登場。最愛のガールフレンドを伴ってご機嫌のアリスターは、不慣れなK−1ルールで王者と戦うにもかかわらず終始余裕で笑顔の受け答えで、レミー戦でもっとも警戒すべき点を尋ねられた際には「K−1ワールドグランプリ2008ファイナル」でレミーが反則攻撃を浴びた際に苦しむ様子を“ 演技”として「1番警戒すべき点は演技かな(笑)。いったいどんな演技をしてくるものやら……。ま、演技する隙を与えなければいいさ」と鼻で笑って言い捨てた。

――K−1王者との対戦が早くも実現しました。

 まさかこんなに早くとはね。早い時期での実現になったけど、きっちり練習してきたし、こういう大きな舞台で彼と試合ができることにエキサイティングしているよ。

――レミーの存在をどのように考えている?

 バダに勝ったらレミーに挑戦したいと思ってはいた。彼を倒せば真の意味でK−1の王者を倒したことになるだろう。その先のK−1に何か求めているわけではないので、その後はMMAに戻るさ。

――K−1ワールドグランプリ出場は考えていない?

 俺の主戦場はMMAだからね。MMAに誇りも持っている。K−1のことはDREAMヘビー級のチャンピオンになってから考えるよ。

――谷川EPは「レミーが負けたらK−1は終わり」と言っています。

 レミーが負けてK−1が終わるかどうかはわからないが、K−1にはたくさんのすばらしいファンと選手がいる。
 だからこの1試合の結果でK−1が終わることはないんじゃないかな。
 しかし、俺はMMAの代表として負けるわけにはいかない。K−1とMMAはまったく別の競技だが、MMAの方が完ぺきな戦いだと思っているし、MMAの方が強いと信じている。

――レミー選手は「99パーセント勝つ」と言っています。

 勝負はパーセンテージの問題ではなく、自分が練習してきたことをどれだけ発揮できるかが鍵なんじゃないか。

――レミー選手の警戒する点は?

 ボクシングではないことは間違いないな。1番警戒すべき点は演技かな(笑)。いったいどんな演技をしてくるものやら……。ま、演技する隙を与えなければいいさ。

――跳び技も怖くない?

 ああ、まったく警戒していない。

――バダ選手が体調不良で欠場となってしまいました。

 彼と話をしていないのでよくわからないが、賢明な判断かもしれないね。
 彼は6週間後にセーム・シュルトとの対戦が控えているからな。

ジマーマンがミノワマンとの再戦熱望

ミノワマンとの再戦を猛アピールしたジマーマン 【スポーツナビ】

「K−1ワールドグランプリ2008ファイナル」で敗戦を喫しているバダとの再戦が、バダの欠場により消滅してしまったジマーマンは、代わって対戦相手となったピーター・アーツを下して「次こそはバダと対戦したい」と意気込みを述べた。
 現在はアーツ戦に全神経を集中させているであろうジマーマンだが、会見の席でバダよりも強く再戦を臨んだのが「Dynamite!!」で敗れているミノワマン。今後もK−1を主戦場とする意向のジマーマンだが、余程ミノワマン戦に悔いを残しているのか「リベンジしたい。彼に限り、いつでもどんな状態でも戦います」と鼻息を荒くしていた。

――当初対戦予定だったバダ選手が欠場になってしまいました。

 残念です。皆の前で彼をノックアウトするつもりでした。
 前回彼と戦った時は自分のミスで負けてしまいましたので、今回はそれをばん回するいい機会だと思っていました。
 前回はお互いトーナメントの1回戦を戦った後の試合でしたが、今回はワンマッチ。お互いフレッシュな状態で戦うことのできるチャンスでした。
 今回は代替選手のピーターと対戦することになりましたが、それはそれでうれしいこと。ピーターを仕留めて、次こそはバダと対戦したい。
 そしてピーターにはできるだけがんばってもらいたいと思っている。
 試合はもちろん自分がノックアウトで勝つが、会場のファンのために、ピーターにはがんばってもらいたい。

――バダ選手は逃げたと思う?

 それは彼に聞いてみないとわからない。
 オランダの情報によると、彼は若干のけがをしていて、5月のショウタイムで行われるセーム・シュルト戦に集中していると聞いています。

――そういうバダ選手の態度をどう思う?

 1度「受ける」と言った試合をやらないのはよくないこと。
 格闘技で1番になりたければ急なオファーでも、誰が相手でも戦う準備をしておくべき。
 自分は「受ける」と言った試合はたとえ片腕、片足しか使えなくても必ずやり通す。
 自分は「Dynamite!!」でミノワマンと戦ったが、決して万全な準備ができていたわけではなかった。
 ミノワマンとは3カ月くらいしっかり準備をして再戦したい。

――ミノワマン戦で受けたダメージは回復した?

 試合で極められたレッグロックは非常に痛くて、2日腫れがあった。

――09年はMMAの試合にも出場する?

 自分の主戦場はK−1。K−1ルールであればいつでも誰とでも戦う。
 MMAであればしっかりトレーニングして挑戦したい。
 しかしミノワマンに関しては別。前回負けているのでリベンジしたい。彼に限り、いつでもどんな状態でも戦います。

グラウベ・フェイトーザ、澤屋敷戦に再起懸ける

澤屋敷戦に再起を懸けるグラウベ 【スポーツナビ】

 同イベントでの再起に懸ける澤屋敷純一と戦うグラウベ・フェイトーザは、自身も近年成績が振るわず“がけっぷち”であることから「まず今回の試合でよい結果を出すこと」と口元を引き締め「良い結果を重ねてワールドグランプリ決勝大会の出場権を勝ち取ること」と09年の目標を掲げた。

――練習はブラジルで?

 はい。日本に来てからは極真の「一撃ジム」で、防御に重きを置いた練習をしてきました。

――澤屋敷選手の印象は?

 若く、動きのバリエーションが豊富な選手だと思います。ですので私は彼が自由に動けないような戦術を考えています。

――最近は得意技のブラジリアンキックが影を潜めているように思います。

 ブラジリアンキックはひとつのブランドのようになっていますが、チャンスがなければ使えるものではありません。

――フランシスコ・フィリオ師範からはどんな指導があった?

 フィリオ師範に限らずチーム全体で課題を洗い出し、修正してきました。

――09年の目標は?

 まず今回の試合でよい結果を出すこと。良い結果を重ねてワールドグランプリ決勝大会の出場権を勝ち取ること。

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スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

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