ハッスル軍が対抗戦勝利! HGは元相方RGを流血葬=1.29後楽園大会

高木裕美

新キャプテンに就任したボノくん(手前)の活躍で、ハッスル軍が対抗戦を勝利 【t.SAKUMA】

 新年初興行となる29日の「ハッスル・ツアー2009〜1.29 in KORAKUEN〜」(後楽園ホール)では、満員となる2002人を動員した。

 メーンイベントでは、“モンスターK”川田利明率いる高田モンスター軍と、ボノくん率いるハッスル軍が 5vs.5全面対抗戦イリミネーションマッチで激突。ハッスル軍がメンバー不在により4対5のハンディキャップ戦を強いられるスタートとなったものの、新キャプテンとなったボノくんの奮闘などにより、奇跡の大逆転勝利を飾った。

 ボノくんは最初、モンスター・ボノとして誕生したものの、モンスター軍を離脱してボノちゃんとなった後はどちらのユニットにも所属せず、独立した「ボノちゃん部屋」を立ち上げていた。
 しかし、昨年末の「ハッスル・マニア」で父グレート・ムタが自分の命を身代わりにして、高田総統の闘う化身エルペランサー・ザ・グレートと共に魔界へ心中。母インリン様に続き両親を失ったボノちゃんは、試合後、ハッスル軍入りを表明すると、「もう赤ちゃんじゃないから」と、今年から決意も新たにボノちゃんからボノくんへと改名した。

 この日の試合開始前にはリング上で「ハッスル軍新キャプテン就任式」が執り行われ、某国の大統領さながら、正装したボノくんがリング上から「2009年は信念を持ってハッスルをチェンジさせます。Yes Weハッスル!」と宣誓を行った。

M軍壊滅へ ボノくんが全面対抗戦で激勝

「モンスター軍全員すっ飛ばす」 【t.SAKUMA】

 今回のイリミネーションマッチはボノくんの要求により実現したものだったが、5vs.5にも関わらず、メンバーとしてアテにしていたボノちゃん部屋の仲間だったあーちゃんに連絡がつかず、ハッスル軍は1人欠けた状況で試合に臨むことに。間もなく、モンスター軍のXことゴールデンカップス4号の正体があーちゃんであったことが明らかになった。
 この衝撃の事実に多少の動揺を見せたボノくんだが、むしろ“疫病神”を手放したことで事態は好転。「運命の糸が引いた時、大豆な場面がやってくる」ナットーマンこと坂田亘がハッスル軍の5人目の選手として3人を失格させる好アシストを見せ、5対2だった状況を一気に2対3へと大逆転させると、ボノくんも青鬼蜘蛛を軽々とリフトアップして場外へ投げ落とし、最後の1人となった小路二等兵をボノくんフリップで粉砕。見事新年一発目の大一番で勝利を飾った。

 「モンスター軍全員すっ飛ばす」という野望に向けて第一歩を踏み出したボノくんの元に、ハッスル軍のメンバーも一致団結。サインボール投げでファンにも幸せのおすそ分けをすると、「3、2、1、ハッスル!ハッスル!Yes We ハッスル!」の新ポーズで大会を締めくくった。

アクシデント発生の高田総統に重病説!?

高田総統(左)に異変が……、重病説は本当!? 【t.SAKUMA】

 一方、まさかの醜態をさらされた高田総統は「マニアの反省が生かされてない」とメンバーたちに怒り心頭。昨年末の「ハッスル・マニア」以降、体調がすぐれず、くしゃみや咳を連発していたところへさらに心労が重なってしまった。

 それでも、ナットーマンをいじったり、モンスター軍の新メンバーとなったあーちゃんをかばうなどの余裕を見せていた高田総統だが、ボノくんから「勝ったからおまえとシングルで勝負させろ」と対戦要求を突きつけられ、自分の代わりに新モンスターの投入を予告したところで、体調が急激に悪化。咳き込んで言葉を発せなくない状態のまま、「バッドラックだ」という恒例の決めゼリフも残すことなくモンスター軍のメンバーに抱えられるようにして会場を後にした。

 この緊急事態に観客が声を失う中、ボノくんだけは「信用できない」と高田総統の異変に疑問の目を投げかけた。

モンスターHGが本物のハードゲイに変身

心をなくしたモンスターHG(上)は、ニセHGと熱烈ディープキス! 【t.SAKUMA】

 セミファイナルでは、ドクター中松の改造手術で誕生したモンスターHGが、かつての宿敵であったニセHGと組んで、アラン黒木、RG組と対戦。金髪に凶悪なマスクをつけ、良心を完全に失ってしまったHGは本来の相方であるRGを流血させ、非道の限りを尽くすと、ニセHGと濃厚なディープキスをかわして生まれ変わった姿をアピールした。

 HGは昨年5月の「ハッスル・エイド」で川田に敗れた後、モンスター軍に拉致されてドクター中松による改造手術を施された。最後の仕上げである脳の手術の前に脱走し、理性は保っていたものの「二度とハッスルできない体」にされてしまった。
 ハッスル軍の専属医師、ドクターKこと木下博勝氏の再改造手術によってスーパーHGにバージョンアップしたのもつかの間、中松氏が体内に仕込んでいた「トラップ」が発動し、昨年末の「ハッスル・マニア」でモンスターHGに変身してしまった。

 かつてはハッスル軍のエースであったHGだが、この日は徹底したヒールファイトでRGを急襲。開始早々に場外へ連れ出し、鉄柵や鉄柱を使ったラフファイトでRGを流血させると、さらに会場の外まで引き回し、トイレの便器に顔を突っ込ませたり、スタッフから小銭を奪ってレモン味のアイスを買い、それを流血したRGの傷口に塗りこんだり、RGの大学の後輩である棚橋弘至が大きく載った新日本プロレスの大会ポスターに顔面をぶつけたりと、心身に多大なるダメージを与え続けた。
 ようやくリングへ戻ると、ニセHGと共にチェーンを握り、RGを絞首刑へ。さすがにこれにはレフェリーが反則裁定を下した。

 反則負けを言い渡されてもなお不敵に笑い、「超気持ちいい」と恍惚の表情を浮かべたHGは、ドン引きになった客席を見渡しながら「今まではTV用のHG。本物のハードゲイはこれ」と言い放つと、ニセHGに濃厚なディープキス。「ゴールデンで出来ねぇことやりてえ。ようやく真のパートナーを見つけたよ」とニセに熱視線を送った。
 この熱烈ラブコールを受けたニセも「ハードで甘いキッスをありがとうございます。嬉しかったでーす」とまんざらでもない様子で、2月シリーズではダブルHGに“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シンも加えてのさらなる大暴れを予告した。

大原のベルトにKUSHIDAが挑戦へ

 第1ハッスルではモンスター軍のレイ大原とハッスル軍のKUSHIDAが一騎打ち。昨年末のクリスマス興行から参戦し、KUSHIDAに連勝中の大原がこの日も終始余裕を見せ付けた試合運びの末にトケ・エスパルダで快勝した。

 敗れたKUSHIDAは即座に再戦を訴えると、大原の「髪の毛をかけろ」という挑発に応じる代わりに、大原の持つNWA世界インターナショナルジュニアヘビー級王者に挑戦させるよう要求。大原もこれを飲み、次回2.19後楽園で両者のカベジェラ・コントラ・カンピオンナード戦が決定した。

■ハッスル・ツアー2009〜1.29 in KORAKUEN〜
1月29日(木)東京・後楽園ホール 観衆:2000人(満員)

<高田モンスター軍VSハッスル軍5VS5全面対抗戦>
“モンスターK”川田利明、アン・ジョー司令長官、●小路二等兵、青鬼蜘蛛、ゴールデンカップス4号
○ボノくん、天龍源一郎、越中詩郎、TAJIRI、ナットーマン
○4号−天龍● 5分18秒 OTR
○小路−越中● 6分54秒 小包固め
●アン・ジョー−ナットー○ 11分50秒 OTR
●4号−ナットー○ 13分53秒 回転エビ固め
●川田−ナットー○ 17分10秒 OTR
○小路−ナットー● 17分20秒 OTR
○小路−TAJIRI● 19分18秒 高速腕十字
●青蜘蛛−ボノ○ 20分40秒 OTR
●小路−ボノ○ 21分53秒 ボノくんフリップ

<セミハッスル タッグマッチ>
●モンスターHG、ニセHG
(10分28秒 反則)
アラン黒木、○RG

<第2ハッスル タッグマッチ>
ザ・モンスター℃、●KIDATA・ロー2009
(7分7秒 新成人クラッチ)
\(^o^)/チエ、○KG

<第1ハッスル シングルマッチ>
○レイ大原
(9分30秒 トケ・エスパルダ)
●KUSHIDA
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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