ファンが選ぶ!日本シリーズ名勝負ランキング
記事
クライマックスシリーズを勝ち抜いたソフトバンクとDeNAによって争われる2024年の日本シリーズ。熱い戦いに期待しながら、スポーツナビでは、「ファンが選ぶ!日本シリーズ名勝負ランキング」を企画した。
年号と対戦カードを見れば、「あのシリーズ!」と思い浮かぶ野球ファンがきっと多いはずだ。ユーザーから寄せられた選出理由と合わせながら、上位十傑のカードを紹介していきたい。
※ランキング上位と解説コラムはスポーツナビアプリのみで見ることができます。
順位 | シリーズ | 得票率 |
---|---|---|
1 | 【2023年】阪神(4勝3敗)オリックス | 15.59% |
2 | 【1989年】巨人(4勝3敗)近鉄 | 10.63% |
3 | 【1985年】阪神(4勝2敗)西武 | 7.09% |
4 | 【2013年】楽天(4勝3敗)巨人 | 6.53% |
5 | 【2020年】ソフトバンク(4勝)巨人 | 4.96% |
6 | 【2000年】巨人(4勝2敗)ダイエー | 4.50% |
7 | 【2005年】ロッテ(4勝)阪神 | 3.64% |
8 | 【2016年】日本ハム(4勝2敗)広島 | 3.59% |
9 | 【2019年】ソフトバンク(4勝)巨人 | 3.24% |
10 | 【1983年】西武(4勝3敗)巨人 | 2.94% |
10 | 【1979年】広島(4勝3敗)近鉄 | 2.94% |
12 | 【2003年】ダイエー(4勝3敗)阪神 | 2.73% |
13 | 【2022年】オリックス(4勝2敗1分)ヤクルト | 2.63% |
14 | 【2007年】中日(4勝1敗)日本ハム | 2.53% |
15 | 【2021年】ヤクルト(4勝2敗)オリックス | 2.43% |
16 | 【1986年】西武(4勝3敗1分)広島 | 2.38% |
17 | 【1992年】西武(4勝3敗)ヤクルト | 2.13% |
18 | 【2018年】ソフトバンク(4勝1敗1分)広島 | 2.02% |
19 | 【1998年】横浜(4勝2敗)西武 | 1.82% |
19 | 【1993年】ヤクルト(4勝3敗)西武 | 1.82% |
21 | 【2010年】ロッテ(4勝2敗1分)中日 | 1.77% |
22 | 【1980年】広島(4勝3敗)近鉄 | 1.72% |
22 | 【1958年】西鉄(4勝3敗)巨人 | 1.72% |
24 | 【1978年】ヤクルト(4勝3敗)阪急 | 1.47% |
24 | 【2008年】西武(4勝3敗)巨人 | 1.47% |
26 | 【2006年】日本ハム(4勝1敗)中日 | 1.42% |
27 | 【2011年】ソフトバンク(4勝3敗)中日 | 1.21% |
28 | 【1996年】オリックス(4勝1敗)巨人 | 1.16% |
29 | 【1995年】ヤクルト(4勝1敗)オリックス | 1.01% |
30 | 【2017年】ソフトバンク(4勝2敗)DeNA | 0.91% |
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解説
1位 2023年 阪神 4-3 オリックス
第7戦までもつれ込んだ、昨年の阪神対オリックスの「関西ダービー」が得票率15.59パーセントで1位に選ばれた。
阪神が1勝2敗で迎えた第4戦、不振に陥っていた大山悠輔の適時打でサヨナラ勝ちを収めると、第5戦では8回裏に一挙6点を奪って逆転勝ち。運命の第7戦ではシェルドン・ノイジーが宮城大弥から先制3ランを放ち、38年ぶり2度目の日本一を引き寄せた。
「生きている間に再び優勝するとは思わなかった」と阪神ファンからの声もあれば、「宮城投手が泣いていたのが印象的」という感想も。普段は見せない涙だからこそ、ファンの心に深く残るシーンとなる。
2位 1989年 巨人 4-3 近鉄
「加藤投手の『ロッテより弱い』発言からの4連勝、不振の原選手のホームラン、中畑選手の引退ホームラン。印象深いです」
このコメントで思い浮かぶのは、1989年の巨人対近鉄しかない。
“事件”が起きたのは第3戦後のヒーローインタビューだ。先発で好投した加藤哲郎が「シーズンのほうがよっぽどしんどかったですからね。相手も強いし」と発言。その後の取材で、ロッテに絡んだ質問に答えているうちに、「巨人はロッテより弱い」という発言にまとめられ、新聞に載ることになった。
これに奮起した巨人が香田勲の完封で息を吹き返すと、第5戦では18打席連続無安打だった原辰徳に満塁本塁打が生まれ、シリーズの流れを一気につかんだ。第7戦では先発の加藤を序盤で打ち崩すと、8-5で快勝し、8年ぶりに日本シリーズを制した。
3位 1985年 阪神 4-2 西武
「印象に残るのは、バース、掛布、岡田とカーネルサンダース」
第3位は1985年、阪神対西武の日本シリーズ。ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布によるバックスクリーン3連発の年だ。
第1戦、バースが工藤公康から先制3ランを叩き込むと、第2戦の4回表にもバースが逆転2ランを放ち、連勝スタート。その後、西武が2連勝で盛り返すも、第5戦は初回に掛布の3ランで先制、第6戦も初回に長崎慶一に満塁弾が飛び出すなど、破壊力抜群の打線で2リーグ制後初の日本一に輝いた。
4位 2013年 楽天 4-3 巨人
「マー君の魂の力投が素晴らしかった。特に最終戦のクローザー登板は感動で涙が出ました」
初めて日本シリーズに出場した楽天と、巨人との激闘が第4位に。
大黒柱はペナントレースで24勝0敗1セーブと、驚異的な記録を残した田中将大。シリーズ第2戦で1失点完投勝利を挙げるも、第6戦では160球の粘投も実らずに4失点で敗れていた。迎えた第7戦、美馬学、則本昂大とつないで、星野仙一監督が9回のマウンドに送り出したのは田中だった。田中は2人の走者を許すも最後は空振り三振を奪い、初の日本一に。楽天ファンにとっては、永遠に忘れることのないシーンとなったはずだ。
5位 2020年 ソフトバンク 4-0 巨人
コロナ禍真っただ中の2020年の日本シリーズが5位にランクイン。クライマックスシリーズはパ・リーグがファイナルのみ、セ・リーグは実施しない、という変則シーズンによって行われた。
「ソフトバンクが2年続いての4連勝で最高に気持ち良かった」
ソフトバンクが、前年に続く巨人との決戦を4連勝で制し、4連覇を成し遂げた。攻撃陣は全試合で4点以上を挙げ、守備陣はすべて2失点以内に抑える快勝。MVPには初戦に先制2ランを放つなど、14打数7安打と活躍した栗原陵矢が選ばれた。
一方の巨人は、2年連続の日本シリーズ全敗。投打ともにソフトバンクとの力の差を見せつけられるシリーズとなった。
6位 2000年 巨人 4-2 ダイエー
巨人V9を支えた王貞治氏、長嶋茂雄氏が監督として日本シリーズで激突した「ON対決」が第6位に。ソフトバンクは秋山幸二、松中信彦、城島健司、井口忠仁、巨人は清原和博、松井秀喜、江藤智、高橋由伸ら、一流打者がずらりと並んだ戦いになった。
城島健司の2試合連続ホームランなどでダイエーが連勝も、上原浩治、斎藤雅樹の好投で今度は巨人が連勝。第5戦ではルーキーの高橋尚成が2安打12奪三振の完封勝利を挙げて、王手をかけた。第6戦は3回裏に松井秀喜にシリーズ3本目のホームランが飛び出すなど、4点を奪い逆転に成功。5回裏にも5点を加点し、9-3の快勝で長嶋監督が宙を舞った。
7位 2005年 ロッテ 4-0 阪神
「ロッテの下克上。33-4はネットスラングになるほど有名」
阪神ファンには、思い出したくない記憶かもしれない。第7位は、2005年にボビー・バレンタイン監督の指揮のもと、ペナントレース2位から日本一に駆け上がったロッテの下克上がランクイン。
第1戦から今江敏晃、李承燁、里崎智也、ベニー・アグバヤニの4発で10点を挙げると、第2戦も3発10得点。第3戦では福浦和也の満塁弾などで、3試合連続10得点。第4戦は3対2で接戦をモノにして、31年ぶり3度目の日本一を果たした。4試合の合計スコアは「33-4」。阪神の4得点は、日本シリーズの最少得点として記録されている。
8位 2016年 日本ハム 4-2 広島
大谷翔平が、日本ハム時代の2016年に初めて出場した日本シリーズがランクインした。ペナントレースでは「一番・投手」として先頭打者ホームランを放つ離れ業を演じるなど、NPB初の「10勝、100安打、20本塁打」を記録していた。
広島との日本シリーズでは、2連敗で迎えた第3戦でサヨナラ適時打を放ち、流れを引き戻した。王手をかけた第6戦では、同点の8回表二死満塁の場面で、ネクストサークルで代打の準備を行い、ピッチャー(ジェイ・ジャクソン)にプレッシャーを与えた。結果、中田翔の押し出し四球、ブランドン・レアードの満塁弾を呼び込み、10年ぶりの日本一を手繰り寄せた。
9位 2019年 ソフトバンク 4-0 巨人
「ソフトバンクが圧倒的な力で、巨人に1勝もさせなかったことが衝撃的だった」
2019年の日本シリーズは、ソフトバンクが巨人を4勝0敗で下し、3連覇を達成。レギュラーシーズンは2位通過だったこともあり、CSファーストステージの第2戦から日本シリーズ最終戦まで、破竹の10連勝で一気に頂点に立った。
MVPには初戦で逆転2ランを放つなど、4試合で3本塁打のジュリスベル・グラシアルが選出された。巨人は坂本勇人、丸佳浩がともに1安打に終わったことが響き、全試合で3得点以下。なお、この年限りで、阿部慎之助が現役を退くことになった。
10位 1983年 西武 4-3 巨人
10位には、球界の盟主の座を賭けた西武対巨人の頂上決戦が選ばれた。7試合中6試合が3点差以内で、かつサヨナラゲームが過去最多の3度。「屈指の名勝負」を制した西武が2連覇を果たした。
先に王手をかけたのは巨人だった。3勝2敗で迎えた第6戦、9回表に中畑清が適時三塁打を放ち逆転に成功。抑えに西本聖を送るが、石毛宏典に内野安打を打たれて同点に。さらに10回裏は江川卓が代打・金森栄治に適時二塁打を打たれ、サヨナラ負けを喫した。第7戦、西武は0-2の劣勢から、7回裏にテリー・ウィットフィールドが西本から逆転二塁打を放ち、最後は東尾修が締めて、マウンド上に歓喜の輪ができた。
(文:大利実、企画構成:スリーライト)