桜花学園の連覇か!? ニューヒロイン誕生か!?=高校バスケ「ウインターカップ2008」女子展望

渡辺淳二

大金星で国体を制した聖カタリナ女

<対戦カード>
聖カタリナ女(愛媛)vs. 浦和西(埼玉)−京都精華女(京都)の勝者
倉敷翠松(岡山)vs. 奈良女(奈良)−高崎商(群馬)の勝者
東京学館新潟(新潟)vs. 鹿児島(鹿児島)−富士学苑(山梨)の勝者
岐阜女(岐阜)vs. 中村学園女(福岡)−岡豊(高知)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ

 第3シードは、全国大会ベスト4に必ず食い込むようになった上位常連チームの聖カタリナ女(愛媛)。秋の国体では、同校の選手が主力となった愛媛が、愛知(桜花学園)を下すという大金星を飾っている。そうした勝負強さを持ちながらも、これまで頂点までたどり着けなかった。しかし、さまざまな経験を積み上げたチームには、大いに注目したい。

 昨年の大会で、不運な敗戦を喫した岐阜女(岐阜)も虎視眈々(たんたん)と上位への巻き返しを狙っている。今夏のインターハイでは東京成徳大高の高さの前に、4強への道を閉ざされたが、その実力は折り紙つき。その岐阜女と緒戦で対戦するのが、中村学園女(福岡)と岡豊(高知)の勝者となる。特に中村学園女は、過去に4回の優勝を誇る名門チーム。だが昨年は、福岡県予選で敗れ、本大会出場を逃すという悔しい思いをしている。それだけに今大会にかける意気込みは相当なものだろう。

 また昨年、クロスゲームをものにし、ベスト8に入った東京学館新潟(新潟)なども侮れない存在だ。今大会初出場となる京都精華女(京都)の健闘にも期待したい。

今夏のインターハイで破竹の勢いを見せた土浦日大

<対戦カード>
樟蔭東(大阪)vs. 明成(宮城)−高岡第一(冨山)の勝者
足羽(福井)vs. 津商業(三重)−昭和学院(千葉)の勝者
明星学園(東京)vs. 中津北(大分)−山形商(山形)の勝者
土浦日大(茨城)vs. 富岡東(徳島)−東海大三(長野)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ

 第4シードは、今夏のインターハイで破竹の勢いを見せ、チーム創設後初めてベスト4に入った土浦日大(茨城)。夏以降どれだけの経験を積みチームの強化を図ってきたか興味深いところだが、組み合わせのすぐそばには今大会のダークホース的な存在が顔を並べる。

 秋の国体では、東京チームのメンバーとして優勝を飾った明星学園(東京)。日本一を経験した選手を中心としたチームは、インターハイ3回戦で敗れた悔しさをこの大会にぶつけてくるはずだ。

 そのほかにも、3年前の全国中学校大会で準優勝に輝いた選手たちを擁し、その集大成となる樟蔭東(大阪)。夏前の東北ブロック選手権で優勝を飾りながら、インターハイで初戦敗退を喫した明成(宮城)の意気込みも相当なものに違いない。今大会にかける思いは、昭和学院(千葉)や足羽(福井)といった常連校も同じだ。共に昨年は本大会出場を逃し、寂しい冬を過ごした。それぞれの思いを胸の中にしまい込んで、高校生としての最終決戦の大舞台に立とうとしている。

アジアを制した女子のレベルの高さにも注目

 桜花学園が2年連続16回目の優勝を華やかに飾るのか、それとも東京成徳大高が1985年第15回大会以来4回目の優勝を力強く手元に引き寄せるのか!? はたまた、眩いばかりのニュー・ヒロインが誕生か……。
 今年のウインターカップにも、さまざまな見どころがある。

 そして何と言っても見逃してはならないのが、現在の高校界のレベルの高さだ。女子U−18(18歳以下)日本代表チームは、11月にインドネシア・メダンで開催された第19回FIBAアジアU−18女子バスケットボール選手権大会で劇的な初優勝を飾った。6連覇中の中国を打ち破った強さは、一体何なのか。そうした側面から、ウインターカップを観戦するのも有意義ではないだろうか。

<了>

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著者プロフィール

1965年、神奈川県出身。バスケットボールを中心に取材活動を進めるフリーライター。バスケットボール・マガジン(ベースボール・マガジン社)、中学・高校バスケットボール(白夜書房)、その他、各種技術指導書(西東社)などで執筆。

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