桜花学園の連覇か!? ニューヒロイン誕生か!?=高校バスケ「ウインターカップ2008」女子展望
高校生1年間の集大成となる「ウインターカップ」
26年連続26回目の出場を誇る桜花学園。昨年に続く16回目の優勝を勝ち取れるか!? 【(C)JBA】
今年は男子・女子とも、夏の全国高校総合体育大会(以下インターハイ)と秋の国民体育大会(以下国体)の優勝チームが異なった。この冬のウインターカップも、どのチームにも優勝のチャンスがあるといえる。ここでは、女子大会の注目校や見どころを、組合せブロックごとに紹介しよう。
ウインターカップ16回目の優勝を狙う桜花学園
桜花学園(愛知)vs. 札幌山の手(北海道)−和歌山信愛女短大付(和歌山)の勝者
熊本商(熊本)vs. 神戸龍谷(兵庫)−倉吉北(鳥取)の勝者
延岡学園(宮崎)vs. 盛岡白百合学園(岩手)−松江商(島根)の勝者
金沢西(石川)vs. 明桜(秋田)−広島皆実(広島)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ
26年連続26回目の出場を誇る桜花学園(愛知)が第1シードとして、昨年に続く16回目の優勝に挑む。今夏のインターハイでは、決勝でライバル・東京成徳大高(東京)を破って優勝。18点差をひっくり返すという奇跡的な勝利を飾り、「夏の王者」となった。しかし、秋の国体では、聖カタリナ女(愛媛)を主体とする愛媛によもやの敗北を喫している。昨年のインターハイから続いていた全国大会での連勝を止められた悔しさを胸に、桜花学園は王座奪回に闘志をむき出しにしてくるはずだ。
しかし、その桜花学園は初戦となる2回戦の相手が札幌山の手(北海道)と和歌山信愛女短大付(和歌山)との勝者ということで気を抜けない。特に札幌山の手は、昨年の大会で有力視されていた岐阜女(岐阜)をわずかな差で下す番狂わせを演じている。それだけに今大会でも、粘り強く戦う姿勢を見せるに違いない。
「粘り強さ」という意味では、20回目の出場となる明桜(秋田)と、15回目の出場となる広島皆実(広島)との激突も必見だ。両チームともに粘り強いプレーを発揮し、大会を大いに盛り上げ、出場回数を積み上げてきた。ちなみに明桜は、秋田経法大付から昨年の4月に学校名が変更。新たな装いでウインターカップに乗り込んでくる。
また、金沢西(石川)や延岡学園(宮崎)の「初出場チーム」にも注目。特に延岡学園は、インターハイを制した男子チームとのアベック出場を実現。普段から一緒に練習している成果を発揮してくるだろう。
「夏のリベンジ」に燃える東京成徳大高
東京成徳大高(東京1)vs. 西原(沖縄)−誠英(山口)の勝者
佐賀清和(佐賀)vs. 柴田女(青森)−宇都宮中央女(栃木)の勝者
福島西(福島)vs. 長崎女(長崎)−英明(香川)の勝者
常葉学園(静岡)vs. 滋賀短大付(滋賀)−金沢総合(神奈川)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ
インターハイでは悔しい敗戦を喫した第2シードの東京成徳大高(東京1)。秋の国体では東京の主力として出場し、見事な優勝を飾った。
だが、それだけでは満足し切れていないはずだ。東京成徳大高の単独チームで頂点に立つこと。そして桜花学園との直接対決で「夏のリベンジ」を果たしたいところではないだろうか。大会がどのように展開していくかは予想し難いが、桜花学園と東京成徳大高、この2チームが本命であることに異論を唱えるものは少ないだろう。両者の一騎打ちが楽しみであると同時に、ほかのチームがこの「2強」の構図をどう打ち破ろうとするかも見どころである。
事実、東京成徳大高は侮れないチームとの試合が続く。緒戦の相手は18回の出場となる誠英(山口)と、沖縄らしく個人技の高さを披露する西原との勝者。さらに4強まで勝ち上がるには、いくつもの難敵を想定しなくてはならない。
20回の出場を誇り、数々の名選手を輩出した長崎女(長崎)と、出場14回を数える英明(香川)。また、秋の国体で準優勝に食い込んだ神奈川の主力選手となった金沢総合(神奈川)と滋賀短大付(滋賀)との緒戦からも目が離せない。
そして、注目は常葉学園(静岡)である。インターハイではあと一歩で4強入りというところで逆転負けを喫した。だが、積極的に走って相手を圧倒する伝統のチームカラーはしっかりと披露している。そこからこの冬にかけてどんな武器をプラスして臨んでくるかに、注目して見てみたい。