青山繁のワールドリーグ解説
バレー男子Wリーグ 米国(右奥)に連敗を喫した日本チーム=熊本県立総合体育館 【共同】
ワールドリーグ第3週、格上イタリアから金星を挙げた日本。翌週のフランス戦第2戦では、2連敗を喫したもののフルセットにもつれ込む接戦を見せた。続く今大会では、米国に第1日は0−3(17-25、23-25、15-25)、2日目は0−3(23-25、22-25、22-25)と連日のストレート負けを喫し、1勝7敗となった。
日本は次戦の6月30日、7月1日、東京・東京体育館でフランスと対戦する。
レセプションの重大さと詰めの甘さ
今日の試合は、ディグ(スパイクレシーブ)が良く、サーブも各自が攻めのサーブを打っていて、昨日よりも高いレベルで戦えた。2セット目から千葉進也(堺)が入ったことも、守備に安定感が増したことも好影響をもたらした要因だ。
単調だった昨日の試合から、1日でこれだけ修正できていただけに、やはり大事な場面でのレセプションやトスのミスが悔やまれる。第3セットも、17−15で日本がリードしていた場面からジャンプフローターサーブで5連続失点を喫するなど、詰めの甘さが目立った。もっとそれぞれがレセプションの重大さを認識しなければならない。
日本は身長が低いのだから、1本のスパイクで決まると思ってはダメ。(相手の)高いブロックに対するフォローなど、まだ個々の意識が徹底されていないと感じられた。もっと信頼関係を築くことが、つなぎのプレー、しつこいバレーを生み出すはずだ。
今日の試合は越川優(サントリー)が好調だった。それゆえ、残念だったのは越川一人が頑張っている印象が強かったことだ。「越川の調子がいいから、(越川に)任せよう」ではなく、「越川の調子がいいから、おれもやってやろう」という自覚を持って戦ってほしい。
直弘の奮起に期待 東京大会へ向けて
フランスは攻守にバランスの取れたチームだ。粘り負けないように、ミスを怖がらず、たとえミスをしたとしても「じゃあ次はこうしてやろう」という前向きな姿勢で、思い切りぶつかってほしい。
<了>
■青山繁/Shigeru Aoyama
1969年4月27日生まれ。愛知県出身。元バレーボール男子日本代表。法政大学卒業後、富士写真フイルムのバレー部に入部しレフトとして活躍。富士フイルム休部後の2002年からは東レでプレーし、06年の黒鷲旗全日本選手権を最後に引退した。代表では92年のバルセロナ五輪ほか、世界選手権、ワールドカップなど数々の国際大会でメンバー入り。また富士フイルム時代には92〜93シーズンの日本リーグ制覇に貢献し、最高殊勲選手賞を獲得した。攻撃の才能だけでなく、安定感のあるサーブレシーブにも定評があり、長きにわたりトッププレーヤーとして活躍した。
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