栗原代表入り 大山、菅山ら外れる=バレーボール女子 ワールドグランプリ

田中夕子

腰の調子は、「心配ない」と語った栗原 【坂本清】

 8月3日に開幕する女子バレーボールの国際大会「ワールドグランプリ(GP)2007」を控えた全日本女子チームが26日、国立スポーツ科学センター(東京都北区)で記者会見と公開練習を行い、同大会の代表メンバーを発表した。代表にはエースの栗原恵(パイオニア)、主将の竹下佳江(JT)ら14人が選ばれた。

 会見には柳本晶一監督以下、今大会の出場候補メンバー全員が出席し、大会に向けた抱負を語った。柳本監督はチームの状態について、「トップを100とすれば、現在は75まで来ている」と話し、「充実したセンター線の選手やリベロ、レフトの栗原、木村(沙織)がサーブカットも含めたすべての面で最高のパフォーマンスを見せることができれば、何とか結果を残すことができるのではないかと思う」とセンター陣ほかメンバーに期待を寄せた。
 また、エースの大山加奈(東レ)はケガで、昨秋の世界選手権に出場した菅山かおる(JT)は体調不良により代表メンバーから外れた。

充実のセンター陣に期待

主将の竹下とともにチームをけん引する高橋(右) 【坂本清】

 今回招集された14人中、センター線の選手は6人。全体の半分に迫る人数だ。
 柳本監督が“充実したセンター線”と言うように、昨秋の世界選手権に出場した荒木絵里香(東レ)、杉山祥子(NEC)に加え、「30代らしく、気合を入れて頑張りたい」と抱負を語った先野久美子、大村加奈子(ともに久光製薬)、多治見麻子(パイオニア)といったベテラン勢や、代表初選出の庄司夕起(パイオニア)がメンバー入りを果たした。今年度最初の遠征となったエリツィン杯(6月26日〜7月4日)で多くの出場機会を得た庄司は、「毎日精一杯で、何を評価されているのか、役割が何かはまだ分からないが、(ワールドGPは)それを感じることのできる大会になると思うので、戦うことが楽しみ」と笑顔を見せた。
 会見後の公開練習では、スピードを生かしたクイックや、高さのあるブロックが随所で発揮されるなど、し烈なチーム内の競争を勝ち抜くため、それぞれが持ち味をアピールした。

メンバー入りを果たしたリベロの佐野 【坂本清】

 ワールドGPは8月3日に開幕し、3週間で9試合を戦う厳しいスケジュール。それでも、「年齢が上の選手たちの方が元気なくらいで、チームを引っ張ってくれている」と杉山が語ったように、公開練習でも、板橋恵(日立佐和)、櫻井由香(デンソー)といったベテラン組が率先して大きな声を出し、はつらつとしたプレーを見せた。
 北京五輪予選を兼ねた今秋のワールドカップに向け、“75から100へ”、戦うチームへと絞り込み、進化を続ける柳本JAPAN。ワールドカップ、さらには来年の北京五輪の戦いを占う実戦の場、ワールドグランプリ2007は、8月3日のカザフスタン戦から幕を開ける。

以下、選手のコメント。

■竹下佳江主将 「死に物狂いで戦いたい」
 今できることを精いっぱい出して、いいパフォーマンスができるようにしたい。自分にとって最後の五輪になるであろう北京に向け、今秋のワールドカップは最初にその出場権を手にすることのできる大会。気持ちを込めて、死に物狂いで戦っていきたい。

公開練習で汗を流す選手たち 【坂本清】

■高橋みゆき 「勝ちにこだわりたい」
 どんな大会も勝負事である以上は勝ち負けがついてくるので、勝ちにこだわりたい。大会によって違いを出すのではなく、選手にできるのは今の力を出し切ることだけ。ワールドGPも、今できることをすべて出して一生懸命頑張りたい。

■栗原恵 「(腰の状態は)心配も問題もない」
 一戦一戦を大切に戦っていきたい。(痛めた腰の状態は)普通にプレーすることができるところまできているので、特に心配も問題もない。試合までに何とかしたいと思っているので、不安な状態ではない。

■木村沙織 「相手の流れを切りたい」
 レフトというポジションは、苦しい場面でボールが上がってくるので、そこでしっかり(相手の流れを)切ることを意識したい。前回から成長したかどうかはやってみなければ分からないけれど、まずはサーブレシーブから自分にできることをして、いい結果を出せるように頑張りたいです。

■荒木絵里香 「1年1年階段を上がってきている」
 ベンチアウトからベンチへ、ベンチからレギュラーへ、1年1年少しずつ階段を上がってきていると思うので、今年もまたそれ以上の結果を出せるように全力で頑張りたいです。

<ワールドグランプリ2007 代表メンバー>
栗原恵(パイオニア)
竹下佳江(JT)
板橋恵(日立佐和)
高橋みゆき(NEC)
多治見麻子(パイオニア)
杉山祥子(NEC)
先野久美子(久光製薬)
荒木絵里香(東レ)
木村沙織(東レ)
小山修加(久光製薬)
大村加奈子(久光製薬)
佐野優子(久光製薬)
庄司夕起(パイオニア)
櫻井由香(デンソー)

<了>
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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