緒形、S−cup初戦はロアニューと因縁リベンジマッチ=11.24SB

長谷川亮

日本人初のS−cup連覇を狙う緒形の初戦の相手が、昨年KO負けを喫しているロアニューに決定 【チナスキー】

 10日後に開催の迫った「SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S−cup2008」(11月24日、さいたまスーパーアリーナ)で、XとなっていたS−cup2006王者・緒形健一の対戦相手が、オランダのブライアン・ロアニューに決定した。
 緒形とロアニューは、昨年10月の「GROUND ZERO TOKYO2007」で対戦。アルバート・クラウス欠場を受け、急きょ出場となったロアニューだが、跳びヒザと豪腕フックで緒形をまさかのノックアウト。両国国技館に嵐を呼び起こした。

「積もり積もった思いを込めて、相手を叩き潰したい」

ロアニュー(左)は昨年10月にKO負けを喫した因縁の相手だ 【t.SAKUMA】

 緒形は14日、「FIGHTING TVサムライ」の情報番組「格闘ジャングル2」にゲスト出演。この席上でロアニューとの対戦が発表となった。
「去年KO負けしていろんな歯車を狂わされた選手。きっちり借りを返したい」
 まずはリベンジマッチにしてS−cup連覇の掛かった1回戦であるロアニュー戦へ向け緒形はコメント。続けて、
「総合の選手ならではの突進力、圧力がすごいのと、どこから何が飛んでくるか分かりづらいので、そこは意識したい。日本人が成しえていないS−cup連覇という目的・夢があるので、非常にモチベーションは高いです」
 と、ロアニューの印象を語るとともに、優勝へ向け充実した表情を見せた。

 前回の対戦は失神し痙攣(けいれん)を起こしてのKO負けというショッキングな内容だっただけに、「苦手意識はないか?」と記者から質問が飛んだが、緒形は「いえ、全くないです」と即答。前回の試合VTRも「30回ぐらいは見てるのでは」と言い、「自分の中では確実に勝って倒すためのイメージはできつつある」と自信を示した。
「自分のウィークポイントを徹底強化して、優勝できるよう備えてきました。(ロアニューとの対戦は)借りたままというのは嫌いなので、きっちり借りを返しておけといういうことだと思いました。今回はしっかり相手を見て倒しに行きたい。悔しさというか積もり積もった思いを込めて、相手を叩き潰したい」
 決戦へ向け高まる緒形の魂に、リベンジ戦の決定がさらなる炎をともしたかに思われた。

宍戸有利と分析、決勝戦は同門対決第2Rか!?

「FIGHTING TVサムライ」の情報番組「格闘ジャングル2」にゲスト出演した緒形(左)、反対ブロックは宍戸が有利と分析 【チナスキー】

 これでトーナメントの枠組みが決定し、緒形は準決勝をデニス・シュナイドミラー、決勝は「順当に行けばアンディ(・サワー)だが、ここ最近の宍戸の練習を見ていると、宍戸が勝ち上がってくる流れかも」と、決勝での同門対決第2戦を予想する(第1戦はS−cup2006準決勝で行なわれ、緒形の判定勝ち)。
 サワーに関しては「K−1前後の発言とか、ああいう結果になったし(アルトゥール・キシェンコに破れ準決勝で敗退)、カウンター狙いで守りに入っている。心が動かないと体が動かない」と話し、攻めの姿勢をなくした精神状態を分析。S−cup制覇をライフワークとして燃える宍戸に分があると判断したようだった。

「不景気や暗いニュースが多い中、児童福祉チャリティーイベントとしても行なわれるので、感動と元気を与える試合をすることが目標です。優勝することでその思いを伝えたい」
 ロアニューへのリベンジを足掛かりに、緒形は自身最大の夢であるS−cup連覇を目指す。

異色戦士が続々参戦、Dynamite!!ばりのボリューム

 またこの日はトーナメント以外のワンマッチ5試合も新たに発表。
 ブアカーオの弟分パジョンスック・ポー.プラムックの再登場(9月大会で1RKO勝利)や、“浅草の熱血先生”菱田剛気vs.前田日明がプロデュースした「ジ・アウトサイダー」第1回大会メーンを飾った与国秀行の異色対決、中学時代に家出をし半年間のホームレス生活を経験した“元ホームレス中学生”(現在高校生)高嶋龍弘の出場と、祭典を彩るにふさわしいカードが揃っている。

 これで「S−cup2008」はトーナメント準決勝と決勝戦を合わせ全16試合が決定。一足先に大みそか決戦Dynamite!!なみのボリュームで激闘が繰り広げられることとなる。

■シュートボクシング協会「SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S−cup2008」
11月24日(月・祝) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ 開場15:00 開始16:00

【決定対戦カード】

<S−cup2008 1回戦第1試合>
緒形健一(日本/シーザージム)
ブライアン・ロアニュー(オランダ/Red Devil)

<ワンマッチ>
パジョンスック・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)
ジュン・ビュング(韓国/太雄會館)

<ワンマッチ>
菊地浩一(寝屋川ジム)
梅野孝明(シーザージム)

<ワンマッチ>
歌川暁文(U.W.Fスネークピットジャパン)
白鳥剣(新東金ジム)

<ワンマッチ>
菱田剛気(シーザージム)
与国秀行(フリー)

<ワンマッチ>
高嶋龍弘(シーザー力道場)
坂村アツシ(POWER−X)

【既報対戦カード】

<S−cup2008 1回戦第2試合>
デニス・シュナイドミラー(ドイツ/Feuer Sports)
ルイス・アゼレード(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)

<S−cup2008 1回戦第3試合>
宍戸大樹(日本/シーザージム)
クリス・ホロデッキー(カナダ/チーム・トンプキンス)

<S−cup2008 1回戦第4試合>
エドウィン・キバス(エストニア/BUSHIDO)
アンディ・サワー(オランダ/Team Souwer)

<S−cup2008 準決勝第1試合>
緒形vs.ロアニュー戦の勝者
シュナイドミラーvs.アゼレード戦の勝者

<S−cup2008 準決勝第2試合>
宍戸vs.ホロデッキー戦の勝者
サワーvs.キバス戦の勝者

<S−cup2008 決勝戦>
準決勝第1試合の勝者
準決勝第2試合の勝者

<S−cup2008 リザーブマッチA>
金井健治(日本/ライトニングジム)
魏守雷(中国/中国武術協会)

<S−cup2008 リザーブマッチB>
グレッグ・フォーリー(オーストラリア/JABOUT)
オ・ジュソク(韓国/TEAM BLACK ROSE)

<レディースファイト>
MIKU(DEEP女子ライト級王者)
レーナ(及川道場)

<レディースファイト>
風香(シーザージム)
市井舞(フリー)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント