体操王国ニッポン、五輪切符は誰の手に!?=NHK杯見どころ
春先のシーズン幕開けに「波乱」はつきもの
冨田ら、アテネの金メダリストたちもNHK杯に照準を合わせている 【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】
しかし、そうした成長の陰で選手が失っているものも多い。この時期は実戦から遠ざかるため、試合における体力面でのペース配分や緊張した心理面でのコントロールなどを忘れてしまうのだ。慣れない新しい技の発表に加え、試合勘が鈍っていることもあり、春先のシーズン幕開けとなる大会に“波乱”はつきものだ。ましてやシーズン初めの大会が、選手たちにとって最高の舞台である五輪の代表選考会ともなると、波乱は必至と言える。
10点満点廃止が引き起こした影響
アテネ五輪で団体金メダルの立役者となった一人、中野大輔(九州共立大学クラブ)はけがを押して出場し、つり輪の後方かかえ込み3回宙返り下り(F難度)の着地を決めるなど素晴らしい演技を見せてくれた。しかし、痛めていた個所を悪化させたため、2日目に棄権した。
また、ナショナル強化指定選手を見ると、女子は12名全員が最終選考会へ駒を進めたが、男子は通過18名の中に山室光史(日本体育大学)と岡村康宏(日本体育大学)の名が消えた。けがやミスによる予選落ちだったが、残念な気持ちも残る。
若さあふれる演技が魅力の内村
2次選考会でトップに立った大学生の内村。初の五輪切符を手にすることができるのか!? 【Photo:杉本哲大/アフロスポーツ】
アテネ五輪団体金メダルのメンバーは、冨田洋之(セントラルスポーツ)が2位、鹿島丈博(同)が4位、塚原直也(朝日生命)が7位、米田功(徳洲会体操クラブ)が10位、そして世界選手権個人総合3位の水鳥寿思(徳洲会体操クラブ)は11位につけている。2次選考会の得点は半分となるため、代表決定競技会となるNHK杯の2日間は非常に重要。これまでも多くのドラマがこのNHK杯で生まれてきた。今回はどんなドラマが展開されるか。春先、各テレビ局ともに新ドラマが始まっているが、五輪イヤーに盛り上がるスポーツ界におけるシナリオのないドラマも、ぜひ楽しみにしたい。
<了>
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