バルサがCLで目指す前代未聞の逆転劇 エンリケ退任は突破への原動力となるか?
ファーストレグでPSGに0‐4の大敗
PSGとのセカンドレグで、バルセロナは0−4からの逆転を目指す 【写真:ロイター/アフロ】
バルセロナはリバプールにアウェーゴールの差で敗れた2006−07シーズン以来、CLでは9年連続でベスト8以上の成績を出し続けてきた。はたして今回は4ゴールのビハインドを覆し、早すぎる敗退を逃れることができるだろうか。
その根拠が両チームの現状以上に過去の実績によるところが大きかったとはいえ、誰もがバルセロナを本命と見ていたことは間違いない。それだけに、ファーストレグで喫したまさかの大敗は、クラブとその周辺に大きな動揺をもたらし、一時はチームも危機的状況に陥った。
ルイス・エンリケが退任を発表
今季限りでの退任を発表したルイス・エンリケ 【写真:ロイター/アフロ】
さらには3月1日、監督のルイス・エンリケが今季終了時の退任を発表した。
現役時代と同様に、ゴール裏の応援団は試合ごとにルイス・エンリケをたたえるチャントを送り続けてきた。それでも彼がこのタイミングで退任の意思を公表したことは、妥当な判断だったと言える。CL制覇という大きな目標を早々に失うことが濃厚となった今、彼の決断は、選手たちが自身に向ける不満を鎮める効果が期待できる。それにCL敗退が決まった後では、自身の意思とは関係なく退任を強いられる可能性も高いだろう。
その反面、あのような形で退任の意思を口にしてしまったことで、これまで抱え込んでいた心身の疲労やストレスが形となって表れる危険もある。彼の指揮下で戦ってきたこの2年半、バルセロナは長期にわたってチームとして素晴らしいパフォーマンスを継続できたことがなく、攻撃面ではメッシ、ルイス・スアレス、ネイマールが並ぶ前線の南米トリオへの依存度を高めてきた。そのことで彼は、常に批判の目にさらされてきたからだ。