全日本卓球で続いた五輪組の早期敗退 団体銀、吉村真晴が陥った2つのワナ
出場を見送った福原愛(ANA)を除いた5人のメダリストのうち、吉村真晴(名古屋ダイハツ)、丹羽孝希(明治大)は6回戦で、伊藤美誠(スターツ)は5回戦で敗退。メダル獲得の感動から半年、歓喜の立役者たちが国内大会で早々に散っていったワナはどこに潜んでいたのだろうか。
世界で勝利も、国内では通じない武器
リオ五輪のメダリスト3人が、準々決勝を前に敗退。その要因とは…… 【写真:アフロスポーツ】
「国際大会だと自分のサービスが効いて、チャンスを作って3球目攻撃で決めたり、後に続くプレーができるんです。でも、国内だと(お互いに)やり慣れているところもある。国際大会で勝てる卓球をしていたとしても国内では勝てない、これが現実です」
神は15年全日本選手権準優勝の経歴を持ち、波に乗った時の爆発力には定評がある。だからこそ吉村はサービスで先手を取りたかったが、高校時代から対戦を重ねてきた神は対策が万全。そして吉村には第2、第3の武器がなかった。相手の得意なフォアハンド勝負に持ち込まれると、序盤2ゲームを落とす。その後も、神の勢いは特大の雄たけびとともに増し続け、吉村は2ゲームを返すのが精いっぱいだった。
「もうワンステップ上に行くためには、今の自分じゃちょっとダメです。フォアハンドだったりバックハンドだったり、技術面で(サービス以外に)自分の持ち味となるものをつかんで、“新しい吉村真晴”を作っていかないと。前からある程度感じてはいたんですが、今回あらためて強く感じました」