全日本卓球で続いた五輪組の早期敗退 団体銀、吉村真晴が陥った2つのワナ
“追われる立場”で生まれた重圧
リオ五輪前、吉村は世界ランクを急上昇させてライバルたちを追い抜き、代表の座を手中に収めた。当時の周囲の評価は「急成長中の若手」。しかし1カ月弱の大舞台を経て帰国すると、その立場は追われる者に様変わりした。
「負けられないプレッシャーもありましたし、相手も思い切ってプレーしてきたので、そういったところはありました」と影響を認めた吉村。くしくもその日の午前、同じくリオ五輪メダリストで5回戦で姿を消した伊藤美誠も同様のことを口にしていた。
「相手が絶対に立ち向かってくるというのは分かっていました。最後は精神的にかは分からないですけど、守ってしまったのかな」
4連覇を狙う石川佳純の言葉
「一戦一戦、挑戦者として取りにいくという気持ちで攻める姿勢を忘れずに、最後の一本まで頑張りたいと思います」(石川)
吉村と伊藤が大会を去った翌日、ストレート勝ちで9度目の準決勝進出を決めた石川は、最終日への意気込みをこう言葉にした。
(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)