今季のリーガは5強の優勝争いに? 新たに加わったセビージャとビジャレアル

リーガをけん引する5チーム

ビジャレアル好調の秘けつは、緻密な組織力と守備力にある 【Getty Images】

 ここまで全38節の約4分の1にあたる第9節を消化した時点で、リーガ・エスパニョーラは首位レアル・マドリーと5位アトレティコ・マドリーまでが勝ち点3差にひしめく混戦が続いている。

 常にリーガをリードしてきたバルセロナとレアル・マドリーが独走態勢に入れず、近年2強と肩を並べる力を付けてきたアトレティコ・マドリー以外にも、首位争いに食い込むチームが出てくるのは、久しぶりのことである。そして、これまでの戦いぶりを見る限り、新たに加わったセビージャとビジャレアルが簡単に脱落するとも考えにくい。

 今季のリーガをけん引するこの5チームは、みな並行してヨーロッパのコンペティションでも好調を維持している。レアル・マドリー、セビージャ、バルセロナ、アトレティコ・マドリーの4チームは、いずれもチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント進出に向けて、順調に勝ち点を積み重ねている。

 ヨーロッパリーグ(EL)を戦うビジャレアルもグループ首位に立っている。リーガでは10月23日(現地時間、以下同)に行われた第9節でラスパルマスを2−1で下し、3位バルセロナと同勝ち点の19で4位に浮上した。リーガとELという2つのコンペティションを合わせて、ここまで12試合連続で無敗を維持する好調の秘けつは、緻密な組織力とリーガの9試合で5失点に抑えている守備力だ。

リーグタイトル奪還に力を入れるレアル・マドリー

首位を走るレアル・マドリー。今季は国内リーグのタイトル奪還に力を入れている 【Getty Images】

 リーガで首位に立つレアル・マドリーは、昨季のCLでウンデシマ(11冠目の意)を勝ち取ったこともあり、今季はとりわけ国内リーグのタイトル奪還に力を入れている。

 近年、リーガのタイトル争いにおいてライバルのバルセロナに遅れをとってきたロス・ブランコス(レアル・マドリーの愛称)は、今季もプレー内容ではライバルのレベルには至っておらず、充実したバックアッパーを含めた攻撃陣の破壊力のおかげで、多くの試合をものにしてきたことを自覚している。とはいえ、ここまで2得点と得点源のクリスティアーノ・ロナウドがなかなか調子を上げられない中、結果を出してきたことも事実だ。

 レアル・マドリーは第9節、好調のアスレティック・ビルバオを相手に大苦戦を強いられたが、後半の勝ち越しゴールによって、かろうじて2−1で勝利を手にした。

 この日のアスレティック・ビルバオは得点源のアリツ・アドゥリスが不在で、代役を務めたイニャキ・ウィリアムズが信じられないシュートミスを犯して、2つの決定機を逃している。一方のレアル・マドリーはカリム・ベンゼマが前半7分に先制点を決め、彼に代わったアルバロ・モラタが後半38分に決勝点を挙げた。勝敗を分けたのは、やはりアタッカーの質の差だった。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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