ハリル「大きな仕事を成し遂げたい」 W杯最終予選 オーストラリア戦前日会見

スポーツナビ

オーストラリア代表アンジ・ポステコグルー監督、ミル・ジェディナク

前日会見に臨んだオーストラリア代表のポステコグルー監督(右)とジェディナク(左) 【スポーツナビ】

ポステコグルー監督 首にならなかったので(笑)、この場で皆さんにお会いできてうれしく思う。グループの試合の中でも一番と言っていいくらい重要な試合だ。日本とはいつも大事な試合を戦ってきて、ライバル関係にある。2006年のW杯ドイツ大会での対決に始まり、同じアジアで戦うライバルとなった。そういう大事な相手との試合を楽しみにしているし、とても重要な試合で厳しい戦いになると思っている。

ジェディナク 監督の発言に選手として補足すると、ホームに戻ってきたのはアドバンテージだし、ホームでアジアの10年来の、最大のライバルを迎え撃つことができるのを楽しみにしている。選手としては、大観衆の前でプレーできるのを誇りに思う。

――オーストラリア代表は若い選手がどんどん出てきて成長している。W杯アジア最終予選で、日本のような強豪と戦うことは、新たな一歩となるのか。

ポステコグルー監督 そうは思わない。最終予選全体を見て、すべての試合を重要なステップと考え取り組んできたし、一つ一つの試合が新たなチャレンジだ。しかも、グループ全体が非常にタイトになってくるので、1ポイントでも重要になってくる。常にどの試合も万全の準備をしなければいけない。

――この試合に勝つことは、W杯ロシア大会への出場を目指す中でどんな意味を持つのか。

ポステコグルー監督 どの試合で勝ち点を取ったとても、W杯に近づくことに変わりはない。明日が特別なわけではないし、私たちはまだ何も成し遂げていないのだ。予選は、日本にUAE、サウジアラビアとかなりタイトで厳しい戦いになる。イラクだってそうだ。とにかく、明日で何かが決まるわけではない。最後に一番良いチームがロシアに行く。私たちは、アウェーの難しい試合を二つ乗り切ることができた。そして、明日はホームで重要な試合だ。繰り返しになるが、明日で何かが決まることはない。

――サウジアラビアの気候で試合を戦い、移動もあったのでかなり大変だったと思う。コンディション面について不安は?

ポステコグルー監督 タフな状況下で(2−2で引き分け)、勝ち点1を得るという最低限の結果は残せた。試合後には、メディカルチームの尽力もあって順調に回復している。移動も特に問題はなく、メルボルンに来てからも調整は順調だ。今日も全員が練習するし(編注:実際は、GKアダム・フェデリチが欠席)、明日も全員がそろったリストから選手を選ぶことができる。体調面などを考慮し、必要であれば選手を交代することだって考えられる。明日に向けて万全な準備をし、今日の練習の後に最終的な判断を下す。その結果、何人か選手の交代があるかもしれないし、そうではないかもしれない。

――日本とのライバル関係について言及していたが、もう少し、具体的な考えを聞かせてほしい。

ポステコグルー監督 (06年に)アジアに来てから、オーストラリアではいろいろことが起きた。Aリーグが始まり、多くのプロ選手が誕生した。アジアを勝ち抜くことでプレーオフに阻まれることなく、W杯への切符を直接的に得られるようにもなった。アジアでの存在感を増すことができた。日本は、間違いなくアジアのサッカー界をリードする国だ。

 これは、本当に個人的な見解と断ったうえで言わせてもらうが、Jリーグはアジアで一番のリーグだ。リーグ全体のクオリティー、そして若手の育成などもアジアでは抜けた存在となっている。世代別代表で日本と互角にやれているのはA代表だけだと思うが、AリーグがJリーグと競えるレベルまで成長できたら、その状況も変わってくると思う。特に国内の若手の育成では大きく遅れを取っているので、そういった意味でも、日本にはリスペクトの念を強く持っている。日本とは、「相互理解」ともいうべき深いリスぺクトの関係があると思う。なので、選手にはその尊敬すべき相手との素晴らしい試合でサポーターを喜ばせてほしい。

ジェディナク 監督の言った通りだ。「相互理解」があり、そこから素晴らしいライバル関係へと発展している。試合はいつも激しく、大事な試合になる。そういうシチュエーションこそ、選手とし望むものだ。国を代表し、大事な試合で偉大な相手と対戦するのは素晴らしいことだ。

――チームにとってティム・ケーヒルはどんな存在か。日本戦で彼の持つ意味は?

ポステコグルー監督 (ケーヒルは)日本戦でいつも決定的なゴールを決めてきた。というか、ほとんどの試合でそうなのだが……。彼はまだチームにとって大事な存在で、明日に向けては当然、構想の中にある。彼を先発で使うのであれば、今日の様子をよく見てから決める。試合はかなりフィジカルが重要なものになるので、しばらく重要な試合を戦っていない彼のコンディションがとても大事になってくる。彼のコンディションは良い。だから、今日の状態を見て決める。

 もし、先発しないとしても、彼が試合の重要な局面でプレーするのは確実だ。試合の後半、たとえば30分程度プレーするだけでも相手にダメージを与えることができる。彼に先発で出場したいかと聞けば、出たいと言うだろう。とにかく、今日の練習後に決めたい。

――ジェディナクに質問だが現在のコンディションは? 明日の試合でオーストラリアは何をやるべきだと思うか。

ジェディナク コンディションは良い。今日の練習に向けて、準備OKだ。試合までには、もう一晩あるし、いろいろと分析したい。内容は言いたくないけれど、準備をして万全な状況で試合に臨みたい。今までは自分たちのやり方をきちんと理解し、それを反映させたうえで準備してきた。明日もそうだ。いつもと同じように、万全な準備で試合に臨むだけだ。

――アジアのライバル関係に関しての話があった。日本戦で結果や戦いぶりなどはどの程度影響しているのか。

ポステコグルー監督 前回勝ったのはいつだ? そのとき(09年のW杯予選)のことが今に影響してくるとは思えない。この対戦はいつもタイトで引き分けも多い。明日も間違いなく接戦になる。しかも、日本は最終予選の滑り出しがスローで、もう一試合も落とせない状態で向かってくる。われわれにしてみれば苦しいアウェーでの2試合を戦った後のホームの試合だ。それがタフな相手との試合であっても、それはわれわれにとってのアドバンテージだ。両チームともそれぞれのゲームプランに基づいて試合の主導権を握ろうとするだろうし、接戦になるのは間違いない。

――ジェディナクに質問。10年前のW杯をどこで見たのか。 それと先日のサウジアラビア戦でドローに追いつかれ、2ポイントを逃したことに関しては?

ジェディナク 家で見た。確か1点を疑惑のゴールで先制されてから、交代起用が当たって、あのようなドラマが待っていた(3−1で逆転勝利)。その時とはお互いメンバーも違うが、今のサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)も交代で入ってくる選手が常にいい仕事をしている。

 残念だった。きちんと準備をして、やりたいことをやれていた上でのドローだった。それでも、その試合が終わった瞬間から、明日の大一番に向けてフォーカスしてきた。ホームの大観衆を前に最高の結果を出したい。

――日本のカギとなる選手は誰だと思うか。

ポステコグルー監督 もちろん、彼らには何人かのキープレーヤーがいる。われわれは、相手をチームを分析して対策を講じるわけで、彼らがチームとしてどんなスタイルで戦っているか、どのような状況にあるかということが大事だ。さっきも触れたが、Jリーグは素晴らしいリーグで日本の国内組もかなりのクオリティーがある。彼らの全体のレベルが高い以上、数人の個人ではなく、チーム全体として警戒をして準備をするので、ここで特定の選手の名前を挙げることはない。

ジェディナク 監督が言ったように、いつも相手をグループ、チームとして分析している。特にそこまで個人を取り上げることはない。もちろん、個人ではヨーロッパで実績のある選手もいるが、特定の個人やポジションではなくチーム全体として分析してきたし、今回もそうだ。

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