【DDT】総選挙がスタート し烈な選挙戦に突入

高木裕美
 3日のDDTプロレスリング「DDTドラマティック総選挙2016〜最初のお願いスペシャル〜」東京・新宿FACE大会では、超満員札止めとなる600人を動員。8.28東京・両国国技館後の新たな展開が幕を開けた。
 今大会より今年の「DDTドラマティック総選挙2016」の投票がスタート。今年は40選手、9ユニットがエントリーされ、9.25後楽園ホール大会まで投票が行われる。途中、6日のニコニコ生放送で第1回、14日の春日部大会で第2回の中間発表が行われ、29日に東京・新宿バルト9で最終結果を発表。上位選手が10.23後楽園「DDT Special 2016」の本戦に出場できるほか、2位の選手が同大会で、1位の選手が12.4エディオンアリーナ大阪第一競技場大会でKO−D無差別級選手権試合の挑戦権を獲得。また、ユニット部門の1位には、興行プロモート権が与えられる。

 選手たちは上位獲得を目指すべく、熾烈な選挙運動を実施。この日は試合出場のないチェリーがハイタッチ、大家健が握手で観客と触れ合い、地道な票固めに動いた。また、11月6日に新木場スタジオコーストで開催される「DDTフェス」への参加を目指すNωAの大石真翔&勝俣瞬馬&MAOの3人は、口パク禁止令を出された両国大会に続き、この日も生歌を披露。試合中も華麗な空中技で黄色い声援を集めると、休憩時間中もサイン会を行った。
 一方、14年、15年と2年連続ユニット部門最下位で解散の憂き目にあっている豚ing2016の伊橋剛太&松永智充&岩崎孝樹は、この日の試合でもお下劣ファイト連発。口に含んだ水をメンバー内で回してから、島谷常寛の顔の上で吐き出したり、伊橋が顔面をナメたり、伊橋の股間に高木三四郎の顔面を押し付けたり、伊橋の脱ぎたてタイツをリング上や客席に投げたりしたため、観客は阿鼻叫喚。今年も最下位→解散の線が濃厚となった。

バトルロイヤルを勝ち抜いた樋口が挑戦権

 今大会には、両国で新たにKO−D無差別級王者となった石川修司が来場。「B級以下のゴミレスラーを特別席で見て、挑戦者を決める」はずが、佐々木大輔の鶴の一声で「殺し合いをして、誰が一番強いのか決める」バトルロイヤルの勝者に挑戦権が与えられることに。約30選手が入り乱れた結果、樋口和貞が彰人を下して最後の1人に勝ち残り、9.25後楽園での王座挑戦が決定した。
「今、DDTで最強は認める。でも、アンタに勝てばオレが最強。首を洗って待っとけ」と王者に噛み付いた樋口は、「デカくて強くて速く動ける。その強さをさらに超えて、オレがDDTの横綱として君臨する」と、必勝宣言。一方、樋口の挑発に「25日まで死ぬ気で練習してこい。でも、オレには勝てない。オレがDDT、いや、プロレス界で一番強いからだ」と言い返した石川も「思い切り殴り合える相手。でも、最後に立っているのはオレ」と、王座死守を誓った。

竹下が遠藤との一騎打ちを要求

 メインイベントでは、両国で石川に敗れKO−D王座から転落した竹下幸之介が、アントーニオ本多とタッグを結成。9.25後楽園でKO−Dタッグ王座挑戦が決まった佐々木大輔&遠藤哲哉組と対戦した。
 竹下、本多を裏切り、DAMNATIONと結託した遠藤は、かつての仲間たちを前に挑発的な態度を崩さず。竹下の顔面にドロップキックを突き刺すと、竹下も逆水平チョップで反撃。エルボーの打ち合いから竹下がフルネルソンスープレックスで投げると、遠藤もスライスブレッドでやり返すなど一歩も引かず。佐々木が竹下を場外へ追いやり、トペ・スイシーダで突っ込む間に、遠藤が本多をスカイツイスタープレスで仕留めた。

 試合後、佐々木は竹下に対し、「両国でエイドリアン(石川)に負けて、テメエの時代は終わりだ。哲哉(遠藤)がシングルでトドメさしてやるよ」と、18日の大阪で遠藤との一騎打ちを要求。遠藤も「腕相撲の強い母ちゃんの前で恥かかせてやるから覚悟しとけ」と、竹下の地元・大阪で叩きのめすと予告するも、竹下は「ベルトは失くしたけど、自分を大きく成長させてくれた。大阪では遠藤をシングルでボコボコにする」と、元チャンピオンとしてのプライドをムキ出しにした。

荒鷲ジュニアが“帝王”高山に怒り爆発

 セミファイナルでは、9月よりDDTマットにレギュラー参戦する“帝王” 高山善廣が樋口和貞と大型タッグを結成。「高木大社長からDDTをぶっ壊してくれと言われた」との宣言通り、坂口征夫&梅田公太組に圧勝した。
 フリーという立場から、これまでも「外敵」としてメジャー団体に乗り込み、侵略してきた高山。03年には、新日本プロレスマットCEOだった征夫の父・坂口征二に13年ぶりの現役復帰を決断させ、リング上で戦うなど、プロレスの概念を次々と破壊してきた。

 DDTマットでも、高山は堂々とトップロープをまたいでリングイン。坂口と激しくにらみ合う。坂口は梅田と共に合体キックを繰り出すも、高山は動じず。5分過ぎに高山が坂口に串刺しニー、ブレーンバスター、首投げからのランニングキックを放つと、坂口も即座にお返しするなど譲らず。高山は樋口と共に梅田に合体チョークスラムを決めると、坂口を場外へ連れ出し分断。その間に樋口が梅田をパワーボムで仕留めるも、収まらない坂口は、試合終了後も高山と激しくやり合った。
 DDT初戦を終えた高山は、「親父が復帰した時から顔を知ってるだろうし、蹴り以外も出したらおもしろいね」と親子2代に渡る因縁劇にニヤリ。一方、坂口は「なんだアイツ。入ってきたクセにエラそうにすんな」と怒りをあらわにした。

シリアスモード平田が世界ジュニア挑戦へ

 9.18エディオンアリーナ大阪大会での世界ジュニアヘビー級王座戦が正式決定した王者・高尾蒼馬と平田一喜が前哨対決。平田は入場時のダンスこそ踊ったものの、その後はシリアスモードでベルトへの執念を見せつけた。
 高尾と平田は互いに先発を買って出るなど闘志全開。平田が高尾に串刺しエルボー、延髄キック、雪崩式フランケンシュタイナーを放つと、気迫のこもったエルボーの打ち合いから、高尾もローリングエルボーでお返しする。その後もエルボー合戦から平田がドロップキックを炸裂。さらに平田は高尾のパートナーの下村大樹をバイアグラドライバーで仕留めると、マイクを握り、「正直、高尾の初防衛戦、違う相手(との対戦)が見たかったヤツが多いとい思うけど、周りの意見は聞かない。オレのただひとつの気持ち、王者高尾を倒したい。テメエのベルト、オレがいただきます」と王座奪取を宣言した。

不適切ツイートのササダンゴがリングで謝罪

 Twitter上での「DDTの信用を著しく貶めるような誤解を招くツイート」が元で、9月参戦分のファイトマネー50%カットおよび、女性ファンから圧倒的な支持を集めるNωAのマネージャーを解任されたスーパー・ササダンゴ・マシンが、アンダーマッチに登場。まずはプロレスメンタリストの男色ディーノと共に、リング上からファンに謝罪をした。
 DDTを応援してくれるファンを性別で差別し、紙幣や硬貨など、貨幣に例えるような表現をしたことに対し、「バカな事をしたと反省している。失ってしまった信頼はプロレスをやることでお詫びしていきたい」と深く頭を下げたササダンゴに対し、ディーノは「ササダンゴに10円ハゲができた。これは硬貨の呪いだと思う」とマスクの下に隠された裏事情を暴露し、すでに失言の代償は支払っているとフォローした。

 何を言ってもすべて叩かれるんじゃないかと疑心暗鬼に陥ったササダンゴは、発言のたびに過剰な謝罪を連発。ディーノからは「これで試合に負けたら許さない」とプレッシャーをかけられながらアンダーマッチに臨むも、星誕期のパワーに成すすべなく、ブエノスアイレス午前零時に完敗。この結果にはディーノもあきれ顔で、「じゃあ、私はササダンゴを許さないってことで」と、さらに追い込んでしまったことにうろたえつつも、「やっちゃったことは、なかったことにはならないけど、気持を切り替えていきましょう」と、ササダンゴおよびファンにエールを送った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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