水谷「達成感でいっぱい」 卓球男子団体が帰国会見
帰国会見を行った卓球男子団体のメンバー(左から吉村、水谷、丹羽) 【スポーツナビ】
大会前から個人と団体でのメダル獲得を目標にしていたという水谷は、「達成感でいっぱい」と喜びを語り、丹羽孝希(明治大)と吉村真晴(名古屋ダイハツ)もそれぞれ大会を振り返り、4年後の東京五輪への思いなどを語った。
以下、倉嶋洋介監督と各選手のコメント。
水谷「自分の力のすべてを解放できた」
水谷 試合が始まる前の目標が、シングルスと団体でのメダル獲得でした。その両方を成し遂げることができて、達成感でいっぱいです。
――試合の中で今まで以上に自信と勇気を感じさせたが、何がそうさせたのか?
水谷 ロンドン五輪で負けて、悔しい思いをしました。ロンドン五輪で負けた瞬間に、4年後のリオで絶対に結果を残すんだという気持ちでやってきました。この4年間の中でも大きな試合はたくさんありましたけれど、自分の中では本当の意味での集中や気迫というのは今回のためにとっておいたというか、今回で自分の持っている力のすべてを解放できたのではないかと思います。
――試合が終わってからいろいろ反応があったのでは?
水谷 向こう(リオ)にいるとあまり実感がなかったのですが、こちらに着いて、空港でたくさんの人が出迎えてくれました。今までこういう経験がなかったので、すごくうれしいというか、メダルを取ってよかったなという気持ちです。
――ロンドンでは女子のメダル獲得をスタンドで見ていた。今度は自分がその立場になり、4年間を振り返って何を思うか?
水谷 女子がロンドンで銀メダルを取ってすごく感動しました。自分も絶対に五輪でメダルを取りたいと思いましたし、女子が卓球史上初のメダルを獲得してくれて、僕たちもやれるんだという自信になりました。
――個人では男女通じて初のメダル獲得を成し遂げたが。
水谷 自分でもすごくびっくりしています。小さな頃からの夢であり、目標でもあると口では言っていたんですけれど、実際に達成できるかと言われたら、正直厳しいかなという思いの方が強かったです。今回は調子もよく、強い選手にたくさん勝つことができ、こうして銅メダルを獲得することができて幸せです。
――家族や特に奥さんとは何か会話はした?
水谷 今回は奥さんが初日から最終日までずっと現地で応援してくれて、「ずっとそばで応援できて感動したし、ありがとう」と言ってもらえて、本当に頑張ってよかったなと思いました。
――娘さんに姿を焼き付けてもらうためには、まだこの先の活躍が必要ですよね?
水谷 そうですね。今だとまだ娘は僕のことが分からないと思うので、4年後の東京で頑張っている姿を見せたいです。
吉村「次は自分もシングルスで出れるように」
リオでは団体のみの出場だった吉村は、東京での個人戦の出場に意欲をみせた 【スポーツナビ】
吉村 本当に素直にうれしい気持ちでいっぱいです。それと同時にホッとしています。
――全日本で優勝してから、ずっと順調だったわけではなかったと思う、それを乗り越えたここまでを振り返ってどう思うか?
吉村 全日本で優勝してから、次は世界でどれだけ自分が戦えるのかを課題としてやってきました。なかなか大学1〜2年は海外で勝つことができず、世界ランキングも3桁のままだったので、苦しい状態が続いていました。でも、少しずつ自分の中で変わったきっかけになったドイツへの遠征、プロリーグでのプレーが自分を変えてくれました。やはり、自分から積極的に、厳しい世界に身をゆだねた結果がこうして今につながったので、うれしく思っています。
――団体戦が始まるまで、水谷選手や丹羽選手、女子の選手たちの戦いをどう見ていた?
吉村 本当に楽しそうだなと感じていて、自分も五輪という舞台は小さい頃からの夢だったし、みんなから「緊張感が半端ないからね」と聞いていたので、どれだけ緊張するのかと思っていました。試合に入ると世界卓球とは違う緊張感というか、(言っていたことは)こういうことなんだと感じさせてくれました。その中で、孝希だったり水谷さんが格上の選手に勝ったり、メダルを取ってくれたので、自分も団体で頑張ろうという強い気持ちになりました。
――緊張感の中で、自分のプレーを楽しむことはできた?
吉村 初戦は緊張してなかなか自分のプレーができませんでした。観客の応援であったり、自分の世界に入り込めずチームに迷惑をかけてしまいました。でも、2試合目以降は、自分のやれることはしっかりとできたと思います。格上の選手、ドイツや中国の選手に勝つことはできませんでしたけれど、その中で得られるものがたくさんあったので、いい収穫になりました。
――五輪を終えて、また次への思いも芽生えてくると思うが。
吉村 今回の団体でメダルが取れたので、次は東京という地元開催ですし、次は自分もシングルスで出れるように。非常に激しい代表争いになるかと思いますが、強い気持ちを持って、水谷さんと同じようにメダルが取れるよう頑張りたいと思います。