水谷「達成感でいっぱい」 卓球男子団体が帰国会見
丹羽「楽しむのではなく、勝つことに集中」
丹羽は日本に帰ってから「学生らしいことをしたい」と語った 【スポーツナビ】
丹羽 ロンドンが終わってからの4年間、このリオ五輪でメダルを取るために毎日練習をやってきたので、メダルを取れてうれしかったです。シングルスに出ることも目標にしていたので、シングルスに出て自分の力を発揮し、格上の選手に勝てたこともよかったです。
――五輪前には結果が出ない時期があったと思う。その辺りの不安はなかったのか?
丹羽 今年に入ってから、なかなか勝てない時期が続きました。いろいろな方々に励まされて、五輪で勝てば今までの悪い成績も忘れてくれると言われてきました。今回の五輪でこれまでの悪かったことは少し忘れることができたのではないかと思います。
――2回目の五輪で前回と気持ちの面で違いはあったのか?
丹羽 ロンドンでは初めてのことばかりで開会式などを楽しんでいた部分があったのですが、今回は楽しむのではなくて、勝つことだけに集中していました。
――日本に帰ってきて、今何がしたい?
丹羽 昨年の9月に五輪が決まってから、大学のみんなが楽しんでいる中、僕だけが我慢していたこともあったので、少しはみんなと一緒に遊びにいったり、学生らしいことをしたいと思います。
――今はどこに行きたい?
丹羽 すいません、ちょっとまだ(笑)。
――大学の人たちからの反応は?
丹羽 決勝戦は大学の食堂で応援してくれていましたし、メダルを取った後もおめでとうという連絡がたくさん来ました。ニュース番組にも同級生のみんなが出てくれてうれしかったです。
――次への気持ちも出てくるかと思うが、現在の思いは?
丹羽 東京五輪に出たいとすごく思っています。今回は中国に勝てるチャンスがあったので、東京では勝てるように、また4年間、必死に練習したいと思います。
水谷「結果を残すことが一番大事」
卓球をよりメジャーにするために、水谷は「結果を残すことが一番大事」と語った 【スポーツナビ】
丹羽 毎日、日本選手がメダルを取っていてすごいとは思いましたが、特に誰とかはないです。
吉村 僕の場合はよく(日本選手団の)ハイパフォーマンスセンターにお邪魔していて、そこで偶然、テニスの錦織(圭)選手と話す機会を得ました。試合が始まってからも話すことができたし、錦織さんも非常に苦しい場面からメダルを取っていたので、やはりすごいなと思いました。
水谷 女子のバドミントンで優勝したダブルス(高橋礼華と松友美佐紀)、最終ゲームで16−19から大逆転してすごいなと思いました。また、銅メダルを獲得した奥原(希望)選手もツイッターで何度かやりとりしていたので、おめでとうと言いたいです。
――水谷選手に質問。以前から卓球をよりメジャーなものにしたいと言っているが、今後何をするべきだと思うか。またツイッターなどで水谷選手に似ていると言われた波多陽区さんや澤部佑さんとテレビなどで一緒に出てみたいという気持ちはあるか?
水谷 卓球界を盛り上げるためには一番大事なことは結果を残すことですね。これから僕はワールドカップがありますし、世界卓球は毎年あります。最近はずっと銅メダルが多い中で、今年は(団体で)銀メダルが取れて、今度は個人戦なので、個人戦のシングルスでメダルを獲得したいですね。そうしたらもっともっと卓球界が盛り上がるのではないかと思います。その中で良いパフォーマンスを見せることですね。
波多陽区さんとか澤部さんとは、うーん……。まぁできたらなと(笑)。それでまた卓球が注目してもらえるなら、共演させてもらえたらうれしいなと思います。
――水谷選手に質問。今回個人で銅メダル、団体で銀メダルという歴史的快挙を成し遂げた。この試合を戦った卓球台が日本製ということを知っていたか。また実際に戦っていて卓球台がどのような感じだったのか、やりやすかったなど感想があれば教えてほしい。
水谷 もちろん日本製の卓球台であることは知っていましたし、その卓球台が日本製と決まった瞬間に今回はメダルが獲得できる可能性はすごく感じていました。過去中国選手とやった30試合、おそらく1度も日本製の卓球台でやったことないと思うんです。また国際大会も全部中国製だったり、ヨーロッパの台だったりが多くて、日本製の卓球台で試合するというのは全日本選手権くらいしかなくて、その全日本選手権はものすごく僕が得意としている場所です。
今回はリオでの試合だったんですけれど、自分の中ではホームでやる試合だと思っていて、最高のパフォーマンスが出せる自信はありました。自分の最高のパフォーマンスが出せるという発言も試合前からしていましたね。だから日本製の台じゃなかったらこのメダルは絶対にあり得なかったと思いますし、もし次の東京五輪が日本製の台じゃなかったら逆に取れる自信はあまりないと思います。
倉嶋監督「水谷はランクが上がった」
リオ五輪での水谷の活躍について、倉嶋監督は「ランクが上がった」と評価 【スポーツナビ】
倉嶋 ロンドン五輪が4年前に終わって、リオ五輪でここまでの成果が出るのかと考えたとき、選手はよく頑張ってくれて素晴らしい結果を出すことができたと思います。中国の選手以外にはみんな勝って、(シングルスで)丹羽もベスト8、そして水谷は銅メダル、団体も決勝まで。次はいよいよ東京五輪に向けて「打倒中国」を目指さなければいけないなと思います。今回が終わっても、また気持ちを引き締められるという思いでいます。
――監督就任後、初の五輪だった。選手の成長や変化など、大会を通じて感じたことは?
倉嶋 選手の前で言うのはあれですが、水谷に関して言えば、これまでは世界選手権や五輪でシングルスのメダルは獲得したことがありませんでした。今回、銅メダルを獲得し、水谷の中にあった重圧が開放されて、団体戦のときには抜群の集中力と気迫と、技術力を発揮してくれました。プレーがまた次のステージに、ランクが上がったのではないかという印象を受けました。丹羽と吉村についても、この大会で重圧の中よく戦ってくれたと思います。またこれを東京五輪につなげてもらいたいと思います。
――優勝した中国との距離について、これまでと違ったものを感じたのではないかと思うが。
倉嶋 今回は水谷が初めて許キンに勝って、ダブルスも1−1で進み、9−7までリードしていました。僕の中でも、このゲームが取れれば、いけるのではないかという思いもありながら戦っていました。また次に中国と対戦したときにあれだけいい勝負ができるかというとまた違うと思いますので、いつでも対等に戦える力を今後、日本は付けていかなければいけないと思います。