【スターダム】美闘が復帰「スターダムの一員として」 紫雷&岩谷組がまさかの王座陥落

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4年ぶりに復帰した美闘が大会を締めた 【スポーツナビ】

 女子プロレス団体スターダム「PREMIUM STARS 2016」が16日、東京・後楽園ホールで行われた。

 セミファイナルでは美闘陽子の復帰戦が行われ、宝城カイリと初シングルで激突。最後は宝城のダイビングエルボードロップに沈んだものの、4年のブランクを感じさせない戦いを見せた。

当時と変わらない重い蹴りを繰り出す

緊張の色も伺えたが、リングに上がってから笑顔も見られた 【スポーツナビ】

 美闘はスターダムの生え抜き1期生として、2011年1月の旗挙げ戦で本格デビュー。デビュー戦からメインイベントを務め、同期の世志琥(当時は世IV虎)に勝利。将来を有望視されていた選手だった。しかし、12年8月の後楽園大会でけがを負うと、そのままリングに上がることなく引退を発表。10カウントゴングを聞くことなくスターダムを去ったが、昨年29歳という年齢になり、「もう一度、プロレスをやりたい」という気持ちが芽生え、再びスターダムのリングに上がることを決めた。

 復帰戦の対戦相手は3期生の後輩であり、愛川ゆず季らと組んだ『全力女子』でユニットメンバーだった宝城。美闘が離れたスターダムの中で奮闘し、紫雷イオ、岩谷麻優と並んで「スリーダム」と呼ばれる団体の中軸にまで成長した後輩に、真っ向勝負を挑むことになった。

 美闘は当時から「好きな色だから」という青を基調にしたコスチュームで入場。やや緊張の色も見られたが、名前をコールされた後に宝城と硬い握手した際には、笑顔も見られた。

強烈な蹴りを食らわせ、宝城を驚かせた 【スポーツナビ】

 ゴングが鳴らされると、オーソドックスな力比べから、ヘッドロックの取り合いと、静かな立ち上がりとなる。試合が動き出したのは、美闘が宝城を倒し、すぐさま背中に重い蹴りを入れる。すると、会場からはどよめきが起こる。宝城も試合後「1発目、背中に来た時はズシンと身体に震度100ぐらいきて。身体が飛び上がっちゃいました」とその蹴りの重さに圧倒された。

 その後も美闘は、ミドルキック、ハイキック、かかと落とし、浴びせ蹴りなど、蹴りを中心に試合を組み立て、さらにはコブラツイストや逆片エビ固めで宝城を攻める。それでも宝城はエルボー、スピアーなどを繰り出し、さらに小橋建太さんばりのマシンガンチョップを出すと、美闘の胸元を真っ赤に染める。美闘も負けじとドロップキック、ブレーンバスター、そして得意技のドールB(二段回し蹴り)を繰り出すが、これはうまくヒットできず、その後にハイキックを追加して、宝城をリングに倒したがカウント2。

2連続のダイビングエルボードロップで決着 【スポーツナビ】

 逆に宝城がラッシュをかけ、スピアー、裏拳、ダイビングフットスタンプとたたみ掛けると、必殺のダイビングエルボードロップを繰り出し試合を決めようとするが、美闘がなんとか肩を上げる。しかし、すかさず2発目を落とすと、さすがに美闘も返すことができず、3カウントが入った。

「空いてしまった4年間を埋めていければ」

スターダムの一員として頑張っていくと話す美闘 【スポーツナビ】

 試合後、宝城はマイクを握ると「美闘さん! プロレス好きですか?」と単刀直入な質問をすると、美闘は首を縦に振る。すると「じゃあもう過去は関係ない! 今を信じて、明日に輝け。それでいいんだよ。技だけじゃなく、気持ちもあると全身に伝わりました」と、美闘の復帰の覚悟を認める。そして「いろいろなことがあるけど、一緒に切磋琢磨していきます?」と何故か疑問形でマイクを美闘に渡すと、「切磋琢磨していきましょう。お願いします」と硬い握手をして抱き合った。

 そして美闘は「負けて悔しい。でもやっぱり私、プロレスが好きなんだなと、ほーちゃんとやって気づきました。本当にありがとう。これからもスターダムの一員としてよろしくお願いします」と、一緒に戦っていくことを誓った。

 また美闘はバックステージでも試合を振り返り「本当に4年間、リングから離れてしまって、どうなるのかすごい不安だったし、出てくるまで緊張したんですけど、宝城カイリという対戦相手で、楽しかったし、負けたのはすごく悔しいけど、私のすべてをぶつけられたと思います。今まで空いてしまった4年間を、これから埋めていければなと思います」と、ブランクはリングの上で埋めていくと話した。

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