【スターダム】美闘が復帰「スターダムの一員として」 紫雷&岩谷組がまさかの王座陥落

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サンダーロック、まさかの王座陥落……

サンダーロックは破れ、アフロをかぶせられた。小川社長も一緒にされてしまった 【スポーツナビ】

 メインイベントではゴッデス・オブ・スターダム選手権として、王者の紫雷イオ&岩谷麻優の「サンダーロック」に対し、大江戸隊の木村響子&花月が挑戦。大江戸隊の乱入、凶器攻撃、審判への暴行などやりたい放題で試合を壊した木村と花月だが、最後は花月が岩谷から3カウントを奪い、11度目の防衛を狙った“絶対王者”がまさかの陥落。木村&花月が第9代王者組となった。

看板攻撃でレフェリーがKO

試合前の写真撮影から妙なテンションだったが…… 【スポーツナビ】

 試合前からやけにテンションの高い大江戸隊の2人。ベルト返還の際の写真撮影では、ロッシー小川社長にサングラスをかけさせ、選手権である格式を失わせようとする。

 先発は岩谷と花月。ハイスピード選手権、アーティスト・オブ・スターダム選手権などタイトルマッチでぶつかりあっている2人は速い攻防で会場を沸かす。またイオと木村にタッチすると、木村はいきなりの汚水攻撃。これをまともに食らってイオは精神的にやられるとすぐに岩谷にタッチ。岩谷が1対2で戦い、2人を場外に落とすと、すかさず場外へ飛ぼうとするが、ここで大江戸隊の罠にはまり、場外で振り回される。イオは東側の看板に頭を打ち付けられると、岩谷も観客のイスの中に投げられる。

 岩谷をリングに戻すと、花月がえびす落とし、ロープに引っ掛けてのドロップキック、、木村は腕攻め。しかしなんとか岩谷が形成を逆転し、イオが2人に対しダイビングボディーアタックを繰り出すと、再び場外に落として、イオがラ・ケプラーダ。花月をリングに戻すとダブルニー、ミサイルキックと攻めるが、ロープに走ったところをセコンドに足を取られて転ばされると、そこへ花月が顔面へビッグブーツ。それでもイオのジャーマン、岩谷のジャーマンなどが決まるが、木村が岩谷をフロントスリーパーで捕らえて、フラフラにさせる。

 そこへ花月がパーキングの看板を持ち出すと、これを止めようとしたバーブ佐々木レフェリーが、看板攻撃を食らってしまいKO状態。これでリング上が無法地帯になってしまい、大江戸隊が5人でサンダーロックを痛めつける。

雪崩式えびす落としで花月が勝利

イオのケプラーダがきれいに決まったが…… 【スポーツナビ】

 リング上のカオスな状態を止めに入ったのが、和田京平レフェリー。本部席に座る風香GM,ロッシー小川社長にレフェリー交代を告げると、リングを裁き始め、大江戸隊の凶器攻撃を一喝する。

 ここからサンダーロックも息を吹き返し、岩谷のトラースキック、イオの2人に対するスワンダイブ式ミサイルキックが決まると、場外に落ちた木村と花月に、2人で飛んでいく。

 花月をリングに戻すとイオがダブルアームフェースバスター、ダブルでのツームストンドライバー、さらに岩谷がドラゴンスープレックスホールドを決めるがカウント2。さらに二段式ドラゴンを狙おうとするが、これは花月に返され、逆にえびす落としを食らう。さらにイオと木村がやり合っている間に、コーナートップに上った岩谷を追いかけ、花月が担ぎ上げると、雪崩式のえびす落としを決め、これは岩谷が返せず、カウント3が入ってしまった。

大江戸隊が「スターダムを面白くしてやる」

雪崩式えびす落としで花月が岩谷から3カウントを奪った 【スポーツナビ】

 会場が騒然となると、喜び狂う大江戸隊は、グロッキー状態のサンダーロックの2人にアフロのかつらをかぶせる。さらには、ベルトを渡そうとリングに上がった小川社長にもアフロをかぶせてしまう。

 そして木村がマイクを握ると会場のファンに向かって「お前らな、好きだ、惚れた、応援してるって言ったって、同じやつがベルトを持っていて何が面白いんだよ?」と連続防衛記録を更新していた2人を否定。そして花月も「お前ら、よくアフロが似合っているな!」と無様になってしまった2人の姿を笑う。そして「これから、この花月様と木村兄さんが、スターダムを面白くしてやっから楽しみにしとけよ」と高笑いしながらリングを降りた。

 一方、なかなか立ち直れなかったイオと岩谷だが、大江戸隊がリングを去ってからマイクを握ると「この借り、何倍、何百倍。何千倍にして返してやる。こっちがどんなに痛い思い、怖い思いをしているか、次こそ分からせてやる」(イオ)、「まだまだこんなんじゃ終わらせない。もう1回、何度でも、サンダーロックがあのベルトを絶対取り返しましょう」(岩谷)とリベンジを誓った。

 また2人のアピールの後、宝城がリングに上がると、投げ捨てられたアフロを急にTシャツの中に入れると、「偽巨乳」を作り出す。「(アフロのかつらは)こうやって使いましょう!」と、奇想天外な行動に出ると「イオさん、麻優さん! 私は2人の正々堂々と戦うプロレスが大好きです。私たちは、やられたらやり返す、倍返しだ!」と懐かしいモノマネで会場を笑わすと、ややイオが呆気に取られた状態になったが、そのまま大会を締めてくれと頼んだ。

 しかし、これに宝城は大会を締めるのは私じゃないと主張すると、美闘をリングに上げる。そして美闘にマイクを渡すと、いつもの「今を信じて、明日に輝け、We are スターダム!」で大会を絞めた。

傍若無人な振る舞いを制裁する

 バックステージでは「屈辱です。10度いろいろな場所でいろいろな相手と戦って守ってきたベルトが、今の今でも信じがたい。悪夢みたいな……。あそこまでひどい奴らだとは思わなかった」(イオ)と肩を落とす。

 防衛回数にこだわっていたのがプレッシャーだったのではないかという質問に対して「こだわっているというか、こだわってなくないですか? 私たちは挑戦者が来たから戦っていて、防衛してきただけ。防衛回数を増やしたくて試合をしていたわけではない」(岩谷)とやや苛立ちも見せた。

 大江戸隊の戦い方に納得のいかない2人だが、リベンジマッチについては「今日みたいにあそこまで姑息な手口を使ってくると同じになっちゃうので、対策を練るか、ほかの方法を考えるか、ルールを変えるとか……。ここまできたら私たちもああいうのを使うしかないのかなと。ただ、そこまではしたくないという葛藤もあるし。結果、取られてしまったので、すぐに取り返したいという気持ちはありつつも、肉体とは違うダメージがあるので、これを何度もやられたら続かない」(イオ)と、すぐさまリマッチを要求するつもりはないようだ。

 ただ「倍返しにするとお客さんの前で約束したので、あいつらのへらず口をたたけないようにしてやります」と、リベンジというより制裁を誓った。
■スターダム「PREMIUM STARS 2016」
6月16日(木)東京・後楽園ホール


<ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合>
[王者組]紫雷イオ、●岩谷麻優
(26分58秒 雪崩式えびす落とし→エビ固め)
[挑戦者組]木村響子、○花月
※第8代王者、11度目の防衛失敗。木村&花月が新王者に

<BITO BACK〜美闘陽子復帰戦〜>
●美闘陽子
(13分51秒 ダイビング・エルボー→片エビ固め)
○宝城カイリ

<安納サオリstArtチャレンジマッチ3>
●安納サオリ
(8分47秒 リバース・ダブルニードロップ→エビ固め)
○松本浩代

<ザ・ビューティー・バウト>
△チェルシー
(15分時間切れ引き分け)
△シャナ

<ルーキーズvs大江戸隊6人タッグマッチ30分1本勝負>
渡辺桃、ジャングル叫女、●美邑弘海
(11分9秒 スピア→エビ固め)
○リア・ヴォーン、ディオサ・アテネア、クリス・ウルフ

<6人タッグマッチ15分1本勝負>
万喜なつみ、スターライト・キッド、●七星アリス
(7分21秒 米トーン→体固め)
○米山香織、アレックス・リー、あずみ

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