シメオネがアトレティコに残してきた足跡 エリートの仲間入りを果たした手堅い集団
他シーズンとは異なる今季の展開
アトレティコは今季、国内外2つのコンペティションでいずれも最後までタイトル争いに加わった 【写真:ロイター/アフロ】
ミラノのジュゼッペ・メアッツアで行われる5月28日(現地時間)のチャンピオンズリーグ(CL)決勝で、レアル・マドリーがアトレティコ・マドリーを下せば、やはり記録に残るのはリスボンで行われた2年前の決勝と同じ勝者だったという事実だけだ。
だが近年、これらのコンペティションを実際に追い続けてきた人間は、今季の展開が他のシーズンとは異なるものだったことを知っている。例年との違いは、資金力で他のクラブを寄せ付けないレアル・マドリーとバルセロナに加え、アトレティコが国内外2つのコンペティションでいずれも最後までタイトル争いに加わっていたことだ。
リーガでは優勝争いから脱落したが……
CL準決勝では、バイエルンを退けて決勝に進出した 【写真:ロイター/アフロ】
最終節を前にして優勝争いから脱落したリーガでは、アトレティコは長らく保ってきた2位の座をCL決勝のライバルでもあるレアル・マドリーに奪われてしまった。しかし、リーガにおけるレアル・マドリーとの直接対決では、アトレティコが1勝1分けの結果を残している。
それだけではない。アトレティコは第37節まで首位のバルセロナと同勝ち点で並び、優勝を争っていた。ここまで積み重ねてきた勝ち点数は、他のシーズンなら優勝できていたかもしれないほどに貯まっていた。
アトレティコとのCL準決勝セカンドレグで、バイエルンは前半を通して高いボール支配率を保ち、圧倒的にゲームを支配し続けながら、1ゴールしか決めることができなかった。アトレティコ守備陣の驚異的なハードワークと守護神ヤン・オブラクの好守が、バイエルンのペナルティーエリア内への侵入をほとんど許さなかったからだ。
一方のアトレティコは手にしたわずかなチャンスを生かし、フェルナンド・トーレスの絶妙なアシストから好調を維持するアントワーヌ・グリーズマンが決定的なアウェーゴールを決めた。