リアルスティール、実力通りも価値あるV 奥野庸介のドバイWCデー回顧
ドバイターフ 意義ある1勝
リアルスティールが実力を発揮しGI初V 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
外枠からの発走ながらゲートをうまく出て好ポジションを確保。ギャーマーとベリースペシャルが主導する馬群の外目でスパートの機を窺った。最終コーナーからスピードをあげて、直線では後方から追い上げてくるであろう強敵トリスターとの距離を測った。残り200mで差を詰めてきたのは当初、ムーアがブッキングされていて、L.デットーリが代打となった英国馬ユーロシャーリンだった。余裕を持った半馬身差の優勝タイムは1分47秒13。ジャスタウェイの1分45秒52には及ばないが、昨年のソロウの1分47秒76を超えた。トリスターはさらに2馬身遅れた3着に終わった。
今まで不完全燃焼気味だったリアルスティールにとって、この1勝の意義は大きい。次走は日本での競馬になりそうだが、欧州の中距離重賞にはロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズSをはじめとして、英チャンピオンS、英インターナショナルS、愛チャンピオンSなどクラスの高い競走が揃い、米国にはアーリントンミリオン、秋の豪州にはコックスプレートがある。2400m戦もやれるだろうから、選択肢は更に広がる。実力通りの結果だったとはいえ、価値ある勝利だった。