リアルスティール、実力通りも価値あるV 奥野庸介のドバイWCデー回顧

JRA-VAN

ドバイワールドカップ 目を見張る充実ぶり

強いカリフォルニアクローム! “獲得賞金世界一”も射程圏だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 V.エスピノーザの両腕が激しく動いて11番枠からカリフォルニアクロームが飛び出した。内からムシャウィッシュ、スペシャルファイターが馬群を引っ張り、グレーの勝負服のカリフォルニアクロームはその外から差なく追走する。前半1000mの通過は約63秒だったが、外からプレッシャーをかけられて逃げる2頭はいっぱいいっぱい。米国遠征馬が5頭を占めていたこともあって、流れは米国スタイルのサバイバル戦となった。つかず離れずの3番手からポジションをあげたカリフォルニアクロームが「世界最強」のベールを脱いだのはゴールまでの300m。勝ちを確信したエスピノーザが追うと後続との差は見る間に広がった。1月に現地入りして、2008年の優勝馬カーリンと同様に一般戦で足慣らしをして、本番まで余裕を持ったローテーションで臨んだことも好結果を呼び込んだ。

 2着に前哨戦のマクトゥームチャレンジR3で4着だったムブタヒージ(昨年のUAEダービー優勝)が巻き返し、3着に米国の伏兵ホッパーチュニティーが善戦した。3年連続の出走となったホッコータルマエは普段より後方で競馬を進めたが、最後まで彼らしさが見られずに9着でレースを終えた。直線ではカリフォルニアクロームの腹帯がずれてレース後に騎手が下馬するシーンがビジョンに映し出された。大きな事故にならずに済んで本当に良かったと思う。

 それにしても、ドバイ入り後のカリフォルニアクロームの充実ぶりには目を見張るものがある。帰国後はアメリカンファラオが去った米国古馬陣の大黒柱としての活躍が期待されるが、早くも自身2度目の“ホースオブザイヤー”、テイエムオペラオーが持つ“獲得賞金世界一”が射程圏に入っている。

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