12球団に残された戦力の「穴」 期待が集まる助っ人と若手選手たち
過去2年間、李大浩の存在もあり2軍暮らしが長かったカニザレス。来季は1軍で打棒爆発となるか? 【写真は共同】
ウエスタン2冠の助っ人控えるソフトB
この2つの穴を誰が埋めるのか。李大浩の後釜としては、今季ウエスタン2冠に輝いたカニザレスが期待される。外国人枠の関係で来日2年間は不遇の日々を過ごしたが、その鬱憤(うっぷん)を晴らす舞台が整ったとも言える。また、吉村裕基も定位置獲りに燃えており、さらに故障に苦しんだ長谷川勇也が完全復活すれば、中村晃、あるいは内川聖一を一塁に固定することも可能になる。
その中で飛躍が期待されるのが、江川智晃、塚田正義、猪本健太郎といった面々だ。パワーが武器の江川は、来季は本職の外野に加えて三塁挑戦も表明。塚田は今季ウエスタンで15本塁打&70打点、猪本もここ3年間で計47本塁打とファームでは実績を残しており、チャンスさえもらえれば結果を残せる人材がそろっていると言える。
今江&クルーズ退団で若手にチャンス
この緊急事態に燃えるのが、中村奨吾、青松慶侑、三木亮、大嶺翔太、香月一也といった若手陣だ。特に昨年のドラフト1位で入団した中村は、今季ルーキーながら安定した守備力を武器に111試合に出場した。数字的には打率2割3分、5本塁打、21打点と苦しんだが、打撃面を磨けば不動の存在になれる。青松は現在29歳と決して若くはないが、今季はイースタンで3冠(打率2割9分8厘、15本塁打、出塁率4割1分3厘)に輝き、1軍でもプロ初本塁打を放って来季のブレークが期待される。
この他にも、新外国人候補として名前が挙がっているのが、二塁と三塁を守れ、今季韓国・サムスンで48本塁打を放ったヤマイコ・ナバーロ。そして今秋のドラフトで1位指名した平沢大河(仙台育英高)にもチャンスあり。能力の高さは誰もが認めるところで、アピール次第では開幕1軍入り、高卒1年目でのレギュラー抜擢もあり得ない話ではない。
地味に痛い脇谷の穴
その他のパ・リーグ3球団に大きな戦力流出はない。オリックスでは谷佳知、平野恵一、東北楽天では斎藤隆、小山伸一郎、永井怜、北海道日本ハムでは木佐貫洋らが引退したが、いずれもすでにレギュラーや1軍戦力から外れており、大きな穴にはならない。ただ、契約更改での大幅減俸提示によって退団し、ヤクルトに移籍した坂口智隆の来季の活躍次第では、失った「穴」の大きさを感じることになるかもしれない。