12球団に残された戦力の「穴」 期待が集まる助っ人と若手選手たち

ベースボール・タイムズ

守護神を失った燕と虎

“球児2世”としてここ期待が高まっていた松田。その期待に違わぬ活躍ができれば呉昇恒の穴も埋まる 【写真は共同】

 一方のセ・リーグ。14年ぶりのリーグ優勝を飾った東京ヤクルトからは、勝利の方程式を築いた4人の中からバーネット、ロマンの2人が退団。その穴を新外国人で埋めるつもりだが、特に球団新の41セーブを挙げた守護神・バーネットの穴を誰が埋めるのかが重要になる。現状では、秋吉亮、もしくはオンドルセクのどちらかになるが、過去、中継ぎと抑えの違いに苦しんだ投手は数知れず、能力的には十分でもそう簡単に解決するものではないだろう。

 同じく“新守護神探し”が必要なのが阪神だ。2年連続セーブ王の呉昇桓が違法賭博疑惑で退団となり、金本知憲新監督にいきなりの難題が降りかかった。藤川球児が4年ぶりに復帰したが、手術も経験した35歳の右腕に過度の期待を寄せるのは禁物で、獲得を急いでいる新外国人も未知数だ。“球児2世”と期待される松田遼馬、今季ウエスタンのセーブ王に輝いた石崎剛の飛躍が求められる。

 また、阪神は守護神だけでなく、退団したマートンの穴埋めも必要になる。新たに獲得したヘイグは三塁起用が濃厚で、空いた左翼の守備位置は2年目の江越大賀とドラフト1位ルーキー・高山俊(明治大)の争いになると予想される。フルスイングが魅力の江越は今季56試合に出場して5本塁打。高山は東京六大学の通算安打記録を48年ぶりに更新した逸材。どちらがバットで結果を残せるか。

DeNAと中日は新外国人がカギ

 横浜DeNAでは、正三塁手として今季139試合に出場したバルディリスが退団した。この優良助っ人の代わりに30歳のロマックを獲得した。マイナー通算13年で200本塁打という大砲候補だが、心配なのは三塁の守備だ。名手で鳴らしたバルディリスと比べるのは酷かもしれない。トライアウトを経て入団した白根尚貴が定位置争いに加わることができれば面白い。

 中日も新外国人への大きな期待を寄せる。高い打撃技術で3年間に渡って結果を残してきたルナとの契約更新せず、新たにメジャー通算5年で66本塁打を放ったビシエドを獲得した。26歳の新大砲が額面通りに働けば打線の破壊力はアップするが、守備難で一塁起用が濃厚。そうなると、正三塁手として期待されるのが来季5年目を迎える高橋周平になる。51試合で打率2割8厘、4本塁打に終わった今季からの巻き返しに期待したい。

最も深い前田健太の穴

 12球団で最も深い穴になるのが、前田健太が抜ける広島だろう。6年連続2ケタ勝利を挙げ、今季は206回3分の1イニングに登板したエースの穴を埋めるのは不可能に近い。だが、大瀬良大地が先発に戻り、5勝8敗に終わった野村祐輔が奮起し、左腕・戸田隆矢が成長、さらにドラフト1位の岡田明丈(大阪商業大)、2位の横山弘樹(NTT東日本)らが即戦力の期待に応えられれば、エースの穴を浅くすることはできる。新たに獲得が決まった身長190センチの大型右腕・ヘーゲンズにも期待したいところだ。

 最後に高橋由伸新監督の下で新たなスタートを切る巨人は、自身の監督就任と井端弘和のコーチ就任で手薄になった内外野の底上げが補強ポイント。その穴埋めに、外野には前ヤンキースでメジャー通算122本塁打の新外国人・ジョーンズ、内野にはFAで脇谷亮太を復帰させ、さらにロッテからクルーズを獲得。現実的かつ効果的な補強だと言えるだろう。

(文・三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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