12球団に残された戦力の「穴」 期待が集まる助っ人と若手選手たち
守護神を失った燕と虎
“球児2世”としてここ期待が高まっていた松田。その期待に違わぬ活躍ができれば呉昇恒の穴も埋まる 【写真は共同】
同じく“新守護神探し”が必要なのが阪神だ。2年連続セーブ王の呉昇桓が違法賭博疑惑で退団となり、金本知憲新監督にいきなりの難題が降りかかった。藤川球児が4年ぶりに復帰したが、手術も経験した35歳の右腕に過度の期待を寄せるのは禁物で、獲得を急いでいる新外国人も未知数だ。“球児2世”と期待される松田遼馬、今季ウエスタンのセーブ王に輝いた石崎剛の飛躍が求められる。
また、阪神は守護神だけでなく、退団したマートンの穴埋めも必要になる。新たに獲得したヘイグは三塁起用が濃厚で、空いた左翼の守備位置は2年目の江越大賀とドラフト1位ルーキー・高山俊(明治大)の争いになると予想される。フルスイングが魅力の江越は今季56試合に出場して5本塁打。高山は東京六大学の通算安打記録を48年ぶりに更新した逸材。どちらがバットで結果を残せるか。
DeNAと中日は新外国人がカギ
中日も新外国人への大きな期待を寄せる。高い打撃技術で3年間に渡って結果を残してきたルナとの契約更新せず、新たにメジャー通算5年で66本塁打を放ったビシエドを獲得した。26歳の新大砲が額面通りに働けば打線の破壊力はアップするが、守備難で一塁起用が濃厚。そうなると、正三塁手として期待されるのが来季5年目を迎える高橋周平になる。51試合で打率2割8厘、4本塁打に終わった今季からの巻き返しに期待したい。
最も深い前田健太の穴
最後に高橋由伸新監督の下で新たなスタートを切る巨人は、自身の監督就任と井端弘和のコーチ就任で手薄になった内外野の底上げが補強ポイント。その穴埋めに、外野には前ヤンキースでメジャー通算122本塁打の新外国人・ジョーンズ、内野にはFAで脇谷亮太を復帰させ、さらにロッテからクルーズを獲得。現実的かつ効果的な補強だと言えるだろう。
(文・三和直樹/ベースボール・タイムズ)