ロイヤルズ、30年ぶり栄冠へ機は熟した うまさ、勝負強さが目立った2連勝
地元で絶好のスタート
ロイヤルズが30年ぶりのワールドシリーズ制覇へ本拠地カンザスシティで2連勝と幸先のいいスタートを切った 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
現地時間10月28日(日本時間29日、以下すべて現地時間)にカンザスシティで行われたワールドシリーズ第2戦を7−1で制し、ロイヤルズのチームリーダー、エリク・ホズマーは目を輝かせた。
ナ・リーグの覇者メッツを相手に、地元で2連勝という絶好のスタート。実に1985年以来30年ぶりの世界一に向け、戦前から喧伝されたロイヤルズのうまさ、勝負強さがここまでは目立っている感がある。
第1戦では9回1死まで3−4とリードされながら、約3カ月もセーブ失敗がなかったメッツの抑えの切り札、ヘウリス・ファミリアからアレックス・ゴードンが起死回生の同点弾。その余勢を買って、延長14回、5時間9分の激闘の末に5−4でサヨナラ勝ちを収めた。
今夜の第2戦では、1点を追った5回裏に5本の単打を集中させて4得点で逆転に成功。守ってはジョニー・クエトが9回2安打1失点という見事なピッチングを披露し、ア・リーグ投手としては1991年第7戦のジャック・モリス(当時ツインズ)以来となるワールドシリーズでの完投勝利を挙げた。
偶然ではない“勝負強さ”
メッツのデービッド・ライトがそう語っていた通り、2戦とも一方的な展開だったわけではない。しかし、第1戦ではマット・ハービー、ファミリア、第2戦ではジェーコブ・デグロームというメッツが誇る速球派投手たちを、ロイヤルズは重要な場面で一丸となって攻略した。第2戦5回の5本の安打中、4本がセンター返しという打撃は好投手攻略のお手本そのものだった。
これでこの2年間のロイヤルズはプレーオフで20勝8敗。そのうち実に11勝が逆転で挙げたものである。“勝負強さ”という概念を否定しがちな専門家もいるが、これだけ続けば偶然ではあるまい。最後まで諦めず、それでいて一人一人が無理をせず、速球投手相手でもシャープなスイングで打球を転がしてくる。
献身的な若きプロ集団。そんなロイヤルズを1試合に渡って封じ込めることは、どのチームにとっても並大抵の難しさではないのだろう。