高野連会長はあくまでも「調整役」 高野連・八田英二新会長に聞く(前編)
9月に日本高等学校野球連盟の会長に就任した八田英二氏 【スポーツナビ】
守るだけでなく時代に合わせて変えていく
6月12日に理事になり、9月16日の理事会で会長になる予定でした。それまでの準備期間ということで、半分くらいは甲子園に行き、どのようにして運営されているのかなどを勉強させていただきました。
ただ、これまでも日本学生野球協会の会長として関係しておりました。大学野球と高校野球は教育の一環という理念が同じですので、高校野球がかけ離れているという印象はありません。同じ理念のもと、審査室会議など大事な案件は学生野球協会に上がってきます。さまざまな共通した事項で今まで運営には間接的に携わってきました。
大学野球はチーム数が約380で26リーグ、部員総数は約2万8000人、高校野球は約4100校で部員総数は17万人弱。規模に格段の差がある上、年齢層の違いもあり、活動が質量ともに違うように感じます。
――会長ご自身のこれまでの野球との関わりを教えてください。
私が野球に関わるようになったのは、同志社大の学長の時に、関西学生野球連盟の会長を2年間務めました。その関係で全日本大学野球連盟の会長、その後、日本高校野球連盟と全日本大学野球連盟を束ねている日本学生野球協会の会長、全日本野球協会(BFJ)の会長という具合に、アマチュア野球の運営には長い間携わってきました。
――奥島孝康・前会長とはいつごろから関わりがあるのでしょうか?
出会いは、私が同志社大の学長で、奥島前会長が早稲田大の総長のときでした。日本私立大学連盟で、彼は会長、私は副会長を務めた時期もあり、知り合ってからは18年くらい経ちます。
――日本高校野球連盟会長としてやっていきたいことはなんでしょうか?
高野連は、基本組織である47都道府県連盟の方々の民主的な運営の上に成り立つ、自治自立の組織だと感じています。そういう意味では一人のカリスマ的な人物が引っ張っていくというよりも、会長はあくまで調整役。それぞれの地区の高野連の方々が、「ここを改革したい」という思いを、高野連を使って実現していただくものと考えております。
まだ私は無色透明の立場ですが、それぞれの方々が高野連を通して、高校球児の力が最大限発揮できるような環境整備のために、とくに会長の八田を使っていただければと楽しみにしています。いろいろな提案もお待ちしています。「守るだけではなく、時代に合わせて変えていく」、こういう姿勢を堅持したいと考えています。
――提案や意見などはどういう場で議題に上がって承認されるのでしょうか?
理事会の前に審議委員会や審判規則委員会、技術・振興委員会など各種委員会に投げかける。そこで議論が行われます。パイプを使い、会長として私が提案できることもありますし、それぞれの地区の高野連の代表の方から上げてこられるものもあります。