武藤「どこに当たったか分からなかった」 国際親善試合 イラン戦後の選手コメント

スポーツナビ

イラン戦後、同点ゴールの喜びを語った武藤(右) 【Getty Images】

 サッカー日本代表は13日、イラン・アザディスタジアムにてイラン代表との国際親善試合に臨み、1−1の引き分けに終わった。前半の日本は相手のプレッシャーにミスを連発し、ほとんどチャンスを作れず。なんとか耐え続けていたものの、アディショナルタイムにPKを献上し、0−1で前半を折り返した。後半は開始早々の3分に本田圭佑のクロスから武藤嘉紀が体で押し込むと、両チームが攻め合う展開が続いた。逆転を狙う日本は原口元気、岡崎慎司、柏木陽介ら攻撃的な選手を次々と投入し、終盤にはA代表デビューとなる南野拓実を投入するもゴールを奪うまでには至らず、試合は1−1のまま終了した。

 試合後、武藤は「どこに当たったか正直分からなかった」という同点ゴールを喜んだ一方で、後半13分に迎えたGKとの1対1を決めきれなかったことを悔やんだ。

 また、本田は8日のシリア戦と同様、前半の戦いに課題を残したことについて、「力不足を感じている」と語り、今後の戦いに向けて気を引き締めた。

武藤嘉紀(マインツ05/ドイツ)

同点ゴールの瞬間、厳しいマークに遭っていた武藤は背中でボールを押し込んだ 【写真は共同】

「(チャンスを)決めきらなければいけなかった」

(同点ゴールについて)良い入り方もできてましたし、クロスをしっかり自分が決め切れたという感覚はなかったですけれど、そういう中でも得点できたのは良かったです。欲を言えば(後半13分の)1対1をしっかりと決めきらなければいけなかったと思います。反省しなければいけないと思います。

(ゴールより反省?)どんな得点でも得点を取れたことはうれしいですけれど、逆転できるチャンス、あれは大チャンスだったので、決めきらなければいけなかったと思います。
(すぐガッツポーズをしていたが、決めた感覚があった?)いや、たぶんそうかなと思ったんですけれど、自分のゴールではなくても、ゴールになったってことでガッツポーズしました。(当たったのは)背中でしたか(笑)。よかったです。GKにもパンチングされたし、相手DF2人にも挟まれていたので、どこに当たったか正直分からなかったです。

(代表では1年1カ月ぶりのゴールだが?)長かったですね。だいぶ苦しかったですし、代表でゴールを取りたいという気持ちはあったので、どんな形であれ、ゴールが決まったのは良かったと思います。

本田圭佑(ACミラン/イタリア)

日本代表の現状を踏まえ、「アプローチの仕方を変えないといけない」と語った本田(左) 【写真は共同】

「アプローチの仕方を変えないといけない」

(後半持ち直すのはシリア戦と似た展開だったが)その通りですよね。残念ながら、相手のレベルも上がったのはもちろんなんですけれど、それを前半は解決することができなかったです。結局、相手が落ちてから、若干スペースでき、何かをちょっとクリエイトできるような回数が増えたという展開なので、シリア戦と全く同じ課題が残りましたね。

(前半につなげなかった原因は)実力と言ってしまえばそこまでなんですけれど、結局、結構フィフティフィフティでしたよね。結果を見ても妥当な結果だったのではないかと思います。向こうにも勝つチャンスがあったし、こっちにも勝つチャンスがあった。課題をクリアできなかった理由としては、こっちが悪かったというよりも、やはりもっと力を伸ばしていかないといけないし、もっとコレクティブにパワーを発揮していかないといけないと思います。このレベルの発揮の仕方を学ぶべきだと思うし、残念ながらまたここからそれぞれのクラブに帰るんですけれど、普段からそういうことを意識して、このレベルでコンスタントに、アウェーで完璧とまではいかないまでも、一定のパフォーマンスができるように、それぞれの選手がなるべきだと思います。自分自身も前半にそれができなかったと点は、力不足を感じています。

(アジアカップから足踏みしているように見えるが)考え方として、日本が急激にサッカーのレベルをここ20年で上げてきています。上げてくればくるほど、経済と一緒で伸びにくくなる。中国(の経済)も似たようなもんですよね。だから、これはごくごく当たり前に起こることなんです。割と練習試合ではベルギーにいい勝負して、オランダともいい勝負ができるようなレベルまでホントに急激に来たと思うんです(編注:2013年11月の親善試合で、日本はオランダと2−2で引き分け、ベルギーに3−2で勝利した)。まさしく言われてるように、横ばいになっているのは当然、当たり前のことなんですね。

 当たり前のことに、でも伸び率が下がりつつも、ちゃんとちょっとずつ伸びていくという中長期計画は、日本のサッカー界全体に確かに求められてると思います。若干いろいろなことをまねしてきて、ここまでレベルは高まってきましたけれど、今後は日本が周りにまねされるような考え方を、今までとアプローチの仕方を変えていかないといけない時期には来ていると思います。

 でも、別に横ばいというか、マイナスになっているという感じはしてないです。それぞれが各チームで、割と良いチームで出ている選手もいれば、これからビッグクラブに行くっていうようなチームで活躍している選手もいます。そのメンバーがそろった代表なので、それと同時にイランが力を伸ばしてきているから、難しくなってきているので(マイナスになっているという感じはしていない)。

南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)

A代表デビューを飾った南野は「代表で求められることが分かった」と収穫を挙げた 【Getty Images】

「代表で求められることが分かった」

(代表デビューの心境は?)デビューできたことは素直に良かったんですけれど、ボールに触っていないので、またチャンスをもらった時にはしっかりとプレーして、実感というものをつかみたいと思います。

(代表に帯同して得たものは)プレーに関してすごく高いレベルでできましたし、自分としてはいろいろ収穫がありました。この代表で求められることは自分の中で分かったこともありますし、それをしっかり持ち帰ってチームで実践しつつ、しっかりと結果を残して、またここに呼ばれるように頑張っていきたいと思います。

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