【DDT】イサミが初の総選挙1位を獲得 棚橋vs.HARASHIMAの再戦の可能性も

高木裕美

イサミが大逆転で飯伏から1位奪う

史上最多となる58選手、9ユニットがエントリーした今年のDDT総選挙 【横田修平】

 DDTプロレスリングは7日、東京・後楽園ホールで「DDTドラマティック総選挙2015結果発表大会」を開催した。
 今年の「DDTドラマティック総選挙2015」は8月28日から10月4日まで行われ、史上最多となる58選手、9ユニットがエントリー。1万388票もの投票が、熱いドラマを生み出した。

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木高イサミが全投票数の1割を超える1244票を獲得し、初の1位を獲得 【横田修平】

 個人部門では、4日に解散したばかりのユニオンプロレスの木高イサミが飯伏幸太を抑え、初の1位を獲得。賞金100万円と、11・28大阪府立体育会館第一競技場大会でのKO−D無差別級王座挑戦権が与えられた。

 9月の中間発表でも1位だったイサミだが、全国区の人気者であり、昨年は1位だった飯伏が猛追。締め切り直前の10月3日の段階では、飯伏が818票、イサミが673票と逆転していた。だが、投票最終日のユニオンプロレス解散興行で、ファンの思いがイサミに結集。一気に500票以上を集め、全投票数の1割を超える1244票を獲得し、862票の飯伏を突き放して首位に立った。

 試合前には来年1月21日に東京・新宿FACEにて新団体「プロレスリングBASARA」を旗揚げすることも発表し、すでにエンジン全開のイサミは、「気持ちいいですね。最高の景色です。でも、僕だけが見ていてもしょうがない。この得票数分、皆さんを満足させる試合をします」と、ファンに約束。

 さらに大阪でのタイトルマッチに向け、「石川修司に勝った僕には、何も怖くないです。僕がベルトを獲って、防衛し続けて、BASARAのメインに行きたいと思います」と、KO−Dのベルトを新団体への手土産にするとアピールした。

10・25後楽園大会では、KO−D無差別級王者・坂口征夫(右)への挑戦も決まった飯伏幸太(左) 【横田修平】

 一方、1位を獲得した昨年を上回る得票数を得ながら、2位という結果になった飯伏は「うれしいけど、ちょっと悔しい。賞金30万円は伊橋(剛太)のダイエットに使いたい」と、悔しさを隠しきれず。10・25後楽園大会では、KO−D無差別級王者・坂口征夫への挑戦も決まり、坂口からの「ずっとサシでやりたかった」というメッセージに「楽しみ」と笑顔を浮かべた。

 なお、上位22選手は10・25後楽園大会の本戦に出場。23位〜26位までの選手はアンダーボーイズとしてダークマッチに参加となる。

ササダンゴ・マシンは「マッスル復活」を示唆

現在制作中のドキュメンタリー映画のため、「マッスル復活」を示唆したササダンゴ・マシン(右) 【横田修平】

 ユニット部門では、9月の中間発表から独走状態だった#大家帝国(男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&大家健)がブッチギリで1位を獲得。11・17後楽園での自主興行開催権を得ると、リング上から衝撃的な発言が飛び出した。

 現在、「オレたち文化系プロレスDDT(仮)」というプロレスドキュメンタリー映画を制作中のササダンゴは、この映画の中で、自分が最も得意とする興行開催に取り組む様子を残すため、この自主興行で、2010年10・6後楽園大会で一旦は幕を閉じた「マッスル」復活の可能性を示唆。ともにマッスルの世界観を構築してきた鶴見亜門GMに権限を委譲した。

わだかまり残る「再戦」を要求

わだかまりが残る棚橋戦を提案され、涙をこらえながらコメントしたHARASHIMA 【横田修平】

 ササダンゴは亜門GMへの「3つのお願い」として、「この1年間、DDTで頑張ってきた大家を入れること。HARASHIMAのモヤモヤを解決すること。HARASHIMAが絶対に戦っておかなければいけない相手、(新日本プロレスの)棚橋弘至をブッキングすること」を要求。HARASHIMA、大家組vs.棚橋、X組の対戦実現を訴えた。

 HARASHIMAと棚橋は今年の8・23DDT両国国技館大会で一騎打ち。エース対決として大いに注目されたが、試合後、勝利した棚橋が「オレは珍しく怒ってるよ。グラウンドで競おうとか、打撃で競おうとか、技で競おうとか。ナメたらダメでしょ。これは悪い傾向にあるけど、全団体を横一列で見てもらったら困るんだよ! ロープへの振り方、受け身、クラッチの細かいところにいたるまで、違うんだから。『技が上手だね、マスクがいいね、筋肉がすごいね』じゃないところでオレらは勝負してるから」と感情むき出しでコメントしたことで、ファンの間にも、大きなわだかまりを残していた。

 大家は号泣しながら「両国、HARASHIMA、悔しかっただろ。でも、悔しかったのはDDTのファンみんな。オレはファン全員の気持ちを受け止めて、おまえとタッグを組んで、棚橋と戦うぞ」と訴え、ディーノも「やらせてください。これが今のマッスルです。みんなが後押ししてくれることを信じてる」とすがると、亜門GMは「これは会社と会社の話。今は何も言えない」と、神妙な表情を見せた。

 #大家帝国から予想外の矢を向けられたHARASHIMAは、唇を震わせ、涙をこらえながら、「ありがとうございます、本当に。悔しくて、自分ですごく消化できない問題だった。どうなるか分からないけど、みんながそういう場を作ってくれるのはうれしい。僕はいつでも準備はできてる。自分はいつでもやってやります」とコメント。もし、実現可能であれば、迎え撃つ覚悟を示した。

 なお、ブッチギリの最下位となった豚ing2015(伊橋剛太、松永智充、岩崎孝樹)は、解散が決定。「楽しかったのに残念」とうなだれる2人とは対照的に、松永は「解散試合を組んでもらって、その試合を最低最悪なものにする」と、最後まで悪あがきをした。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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