棚橋が柴田との同期対決を制し優勝宣言=棚橋、AJ、内藤、ファレの4人が首位タイ

高木裕美

同期の柴田との首位対決を制して、5勝2敗とした棚橋。横浜のファンの前であらためて「ちょっくら優勝しまーす」とV宣言 【横田修平】

 新日本プロレスの真夏の祭典「G1 CLIMAX 25」第13戦となる8日の神奈川・横浜文化体育館大会では、Aブロック公式戦が行われ、超満員となる4868人を動員した。メインイベントでは、棚橋弘至が4勝2敗で並んでいた同期の柴田勝頼を破り、5勝目を挙げて10点で首位タイを死守。8年ぶりの優勝へ向け大きく前進した。

棚橋、「怖い」柴田を丸め込みで勝利

PKをかわした棚橋が「いろいろやってみようと思って」と丸め込みで3カウントを奪った 【横田修平】

  棚橋は昨年の公式戦では柴田に敗北。今年2月にIWGPヘビー級王座を落とし、タイトル戦線から大きく後退した状況で臨む今年のG1では、優勝してエースの証明をするべく、開幕から優勝宣言を叩きつけていた。

 柴田はリバースインディアンデスロック、弓矢固め、コブラツイスト、卍固めといった、27年前の同日、同所で伝説の名勝負を生んだアントニオ猪木を彷彿とさせる攻撃で試合をコントロール。棚橋のハイフライフローをヒザ剣山でブロックし、PKで一気に勝負を狙いにいく。だが、棚橋はこれをかわすと、丸め込みで不意を突き、強引に3カウントをもぎ取った。

 ファンの前で改めて「G1、ちょっくら優勝してきます」とV宣言をした棚橋は「柴田はほかの選手とも充実した内容を残してた。怖い。でも、ギリギリのことところで踏ん張らせたらオレは世界一だから」と笑顔を見せると、勝因についても「いろいろやってみようと思って。僕、そういうの好きだから」とニコリ。20分を超える死闘の後でもファンサービスをキッチリとこなし、「新日本のエースここにあり」を見せ付けた。

地元・神奈川出身の真壁が4勝目

地元・神奈川出身の真壁がギャローズを下して2位をキープする4勝目 【横田修平】

 地元・神奈川出身の真壁刀義は、ドク・ギャローズを下し4勝目。これまでわずか1勝のギャローズが奇襲を仕掛けると、真壁のチェーンを奪い取ってのチョーク攻撃など、捨て身の猛攻を見せるが、真壁は冷静にしのぎ、ハングマンズヌウースもカウント2でクリア。必殺のキングコングニードロップでわずか10分足らずで料理してみせた。

AJ、“夏男”天山破って首位タイ

外国人初のG1制覇を目指すAJが“夏男”天山からタップを奪った 【横田修平】

 AJスタイルズは過去G1を3度制覇した“夏男”天山広吉を破り首位タイ。天山の弱点であるヒザに集中的にダメージを与えた上で、お株を奪うモンゴリアンチョップを放つなど、精神的にも揺さぶりをかける。ライオンサルトはヒザ剣山でブロックされ、アナコンダバイスでとらえられる窮地もあったものの、これをしのぐと、カーフキラーでギブアップ勝ち。史上初の外国人G1王者誕生へ望みをつないだ。

“やさぐれ”内藤が決勝進出に現実味

内藤が矢野ワールドを吹き飛ばすラフファイトで勝利。5勝目で首位をキープした 【横田修平】

 内藤哲也vs.矢野通の“やさぐれ対決”は内藤に軍配が上がった。矢野はゆっくりと入場してきた内藤にペットボトルの水をかけると、スーツを脱ごうとしない内藤にならって、自分もガウンを着直すなど、いつもの笑顔を浮かべながら矢野ワールドを確立。だが、内藤もレフェリーを2度に渡って突き飛ばすなどラフファイトを連発すると、矢野のマンハッタンドロップに対しお返しの急所攻撃を打ち込み、ディスティーノでフィニッシュ。客席からは大ブーイングを浴びながらも、10点で首位タイをキープ。同点の棚橋、AJ、ファレには直接対決ですべて勝利していることから、決勝進出が一気に現実味を帯びてきた。

飯伏、優勝戦線から脱落する4敗目

飯伏、ファレに敗れて4敗目…優勝戦線から脱落した 【横田修平】

 飯伏幸太はバッドラック・ファレに敗れ無念の4敗目。ファレの体格、パワーに押されながらも、場外へのケブラーダを決めるなど奮闘するが、ファレが豪快なバッドラックフォールで粉砕した。優勝戦線から脱落した飯伏に対し、ファレはこれで5勝2敗と10点で首位に並んだ。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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