サッカー日本女子代表（なでしこジャパン）は７日、ＦＩＦＡ女子ワールドカップ（Ｗ杯）２０１５が行われたカナダから帰国し、千葉県内のホテルで会見を行った。なでしこジャパンは６日（現地時間５日）に行われた決勝では米国女子に２−５で敗れて連覇を逃したものの、準決勝までの６試合をすべて１点差で競り勝ち、準優勝で大会を終えた。

　佐々木則夫監督は「本当に素晴らしい選手だったと誇りに思う」と語り、粘り強く戦い抜いたことをたたえた。自身の去就については明言を避けたものの、来年のリオ五輪に関して質問が及ぶと、「前回大会（ロンドン五輪）が銀メダルだったので、次は金を狙うというのは間違いない」とコメントした。

登壇者：
佐々木則夫（日本女子代表監督）
野田朱美（日本サッカー協会女子委員長）
宮間あや（日本女子代表キャプテン）

野田　皆さんこんにちは。本日、カナダより日本チーム全員が帰国しました。成績は皆さんご存じの通り、準優勝ということになりました。キャプテン（宮間）は、とても責任感が強いので、「申し訳ない」という言葉を口にしていましたが、選手は本当に一丸となって最後まで戦ってくれたと思います。

　現地では、たくさんの方々に助けてもらったり、応援してくれたり、日本からもたくさんの方々が応援に駆けつけてくれました。また日本でも多くの方たちが応援してくれたと聞いています。１カ月以上にわたり、なでしこジャパンを応援してくれたすべての皆さまに御礼を申し上げます。ありがとうございました。この（女子サッカーの）ともしびを消さないように、私も女子サッカーの発展、普及といったものを（推進し）、選手の涙をムダにしないようにと思っていますので、今後ともご支援のほどよろしくお願いします。

佐々木　準優勝という結果のもと帰国しました。本当にわれわれはファイナル、そして前回大会に続く優勝を目指したわけですけれど、各国ともレベルが高くなり、一戦一戦、勝ち抜くことが容易ではなかったことは、皆さん見ていただいてお分かりの通りです。しかし、選手たちの粘り強い戦い、そしてファイナルに行くんだという思いがかないました。本当に素晴らしい選手だったと誇りに思います。

　ピッチだけでなく、さまざまなところでチームワーク良く準備をしてくれました。また、メディカルや運営スタッフ、コーチングスタッフが選手のサポートを頑張っていただき、関係者とスタッフには感謝するしかありません。そして、日本の皆さんからわれわれに大きなエールをいただき、それが大きなパワーになりました。本当に声援をありがとうございました。ここにとどまらず、未来に向けてスタートする一歩が始まると思います。

宮間　ここまでチームを支えていただいた関係者の方々、そしてサポーターの皆さまにチームを代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。結果は準優勝という、自分たちが目指していたものに一歩届きませんでしたが、できる限りのことはチーム全員でできたと思います。いったんチームは解散して、それぞれのチームに別れますが、女子サッカーの発展のために頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

──監督、あらためて準優勝という結果をどう受け止めているか？

佐々木　前回優勝国とはいえ、世界でトップに立つのは難しいということは選手もスタッフも十分に分かっている中でチャレンジをしました。決勝では大差が付きましたけれど、最後まで選手は頑張ってくれました。終了のホイッスルが鳴った時には悔しさもありましたけれど、よくここまでやってくれたという清々しさも正直ありました。そういう意味でも、こういう経験というものを次のなでしこにもつなげていかないといけないと思います。

──宮間選手、準優勝という結果はなでしこにとってどういう意味を持つのか？　そしてご自身は試合後「やりきった、悔いはない」と言っていたが、少し時間がたって「もっとできたのではないか」という思いはなかったか？

宮間　試合を振り返って、その時にできる最良の判断であったり、最良のプレーを全員でしていたので、そういう面で後悔はありません。最後までチーム全員でやりきれたと思います。

──監督、来年のリオ五輪に向けた予選が始まるが、続投に向けた意欲は？

佐々木　選手たちも週末からなでしこリーグが始まって、帰国早々、各チームに戻って次の試合の準備をしなければならない。選手には、これからまたけがをしないように、コンディションも気になりますね。僕の去就よりも週末のゲーム、そして（８月に）東アジアカップがありますので、そこの視察と準備があります。まずは自分の仕事をしっかりしたあとに、次があるんだと思います。