佐々木「リオで金を狙うのは間違いない」 女子W杯 なでしこジャパン帰国会見

スポーツナビ

宮間「女子サッカーが文化になってくれれば」

宮間は「女子サッカーをブームではなく文化にしたい」と語る 【スポーツナビ】

──宮間選手、決勝の前に「女子サッカーをブームではなく文化にしたい」と語っていた。今日は七夕ということで、どんな願いを短冊に書きたいか?

宮間 あまり天気がよくないので(笑)。とにかく女子サッカーらしく、サッカーを始めようとしている少女たちや頑張っている選手たちが、きちんと最後までサッカーを頑張れたと言えるような環境であったり、私たちを目標に頑張ろうとしている選手たちが最後までサッカーをできるように、女子サッカーが文化になってくれればいいなと思っています。

──監督と宮間選手、今回は連覇こそ逃したが、代わりに得られたものは?

佐々木 僕自身、08年の北京五輪から監督をしてきて、積み重ねてきた経験のある選手とともにここまでやってきた中で、世界で3大会連続で通用したということ。そして、これから世界が変わるということ、それだけ技術が上昇していくということを、あらためて確認できた大会だったと思います。

宮間 一番欲しかったW杯を手にできなかったので、それに代わるものはないと思います。

──今大会を一言で表すと?

佐々木 継続してきたことが力となって準優勝できたと思います。しかし、次に世界を目指すにはプラスアルファが必要だとも思います。そのプラスアルファをしっかり検証して、しっかり作り上げていく方向性が必要だと思います。

宮間 一言ですよね。結果は届かなかったですが、やっぱり目標だったり仲間を信じる力が強かった。それを強く感じた大会でした。

──仲間にとって、宮間選手はどんな存在?

宮間 分からないです(笑)。聞いてみてください。

佐々木「個の質を上げていくことが重要」

──監督と宮間選手、リオ五輪に向けた戦いが始まるが、それぞれどういう形で関わっていきたいと考えているか?

佐々木 なでしこにとって次のリオは、前回大会(ロンドン五輪)が銀メダルだったので、次は金を狙うというのは間違いないです。日本の皆さんにも、そういうご期待があると思うし、そこがスタートになると思います。

宮間 これまで通り、一選手として日々を大切にして頑張っていきたいです。

──宮間選手、先ほど「女子サッカーをブームではなく文化」という話があったが、すでに世の中に浸透しつつあるのではないか? もしそうでなければ、どういうことをすべきだと思うか?

宮間 1人でも多くの人に、そう言っていただければうれしいです。とはいえ11年以降、たくさんの方に関心や興味を持っていただきながら、国内リーグではなかなか観客が増えない状況があります。大きな大会では注目されていると思うのですが、私たちは結果を出し続けなければ、すぐに皆さんが離れてしまうのではないかという不安を抱えながら戦っています。そういう不安を感じなくなったら「文化になった」と言えるのではないかと思っています。

──監督と宮間選手、リオ五輪で世界一になるために、どこを伸ばすべきだと考えるか?

佐々木 まだリオの切符を手にしたわけではありません。アジアの2枠は非常に厳しい、プレッシャーのかかる予選です。世界の(トレンドを)確認したなかでは、個の質と判断の質を上げていかないといけない。それをグループにして、なでしこらしい連携の質というところのパワーがさらに上がる。だから個の質を上げる。1人ひとりの質を上げていくところが重要だと思いますね。

宮間 監督が言われたように個の質に加えて、それに加えて自信をもって試合に臨むこと。まだまだ世界のナンバーワンになれるんだという自信を持つことだと思います。

野田「成績に応えられるような施策に取り組む」

好成績を残すなでしこたちに対し、「成績に応えられるような施策に取り組む」と語る野田委員長 【スポーツナビ】

──野田委員長と宮間選手へ。前回の優勝からこの4年で、女子サッカーの改善された面もあると思う。五輪含めた3大会連続で決勝に進出できた要因と、将来に向けて改善してほしいことをそれそれ教えてほしい。

野田 11年以前から海外に行く選手が出てきて、それをサポートしています。基本的には選手1人ひとりの意識が高かったことが、3大会連続で決勝に行けた一番の要因だと思います。今回、カナダで各国の人たちと話したのですが、日本女子のスタイルというものは、世界でも高く評価されています。それを貫いたこと、選手は小さいけれど大きな相手と戦うというところで、ひとつずつ武器を増やしていったことも要因だったと思います。

 そういった結果の中で環境面では、少しずつですが、よくなっていると思います。チーム数が増えたり、待遇面だったり。ただ先ほどキャプテンが言ったように、まだまだ選手が感じていないのは、私たちのサポートが足りていないところだと思います。今後は、せっかく出してくれた成績に応えられるような施策、先見の明を持って、次にどう進んだらいいのかというところに真剣に取り組むことが必要だと思います。環境面では、育成のところ、特に下の世代の受け皿という部分が大事になると思いますので、何とか形にしたいと思います。

宮間 日々夢中になってボールを追いかけているので、広い視野で考えるのはなかなか難しいのですが、なでしこジャパンに関して言えば、数は少なくても充実した合宿であったり大会に挑ませていただいたこと。そこは私たちも意識を高くもって、限られた日数でしたけれど、そういう時間や機会を与えていただいたことが大きかったと思います。足りなかったことは、それとは裏腹になるのですが、もう少し一緒にいる時間や試合をこなせていたら、また違った経験ができて力になったのかなと思います。

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント