歓喜に溢れた香川のドルトムント復帰戦 初ゴールで勝利に貢献、ファンも祝福
「とても移籍していたとは思えない!」
ドルトムント復帰戦に先発出場した香川。いきなりゴールを決めて結果を残した 【Bongarts/Getty Images】
「とても移籍していたとは思えない!」
『ビルト』紙は香川真司の復帰戦をそう表現したが、854日ぶりとなる彼のプレーをスタジアムで目の当たりにしたドルトムントファンも同じように感じていたことだろう。みんなマンチェスター・ユナイテッドでの苦悩を知らないわけではない。「復帰を喜びながらも、チームを離れる前のまばゆい光を美化しすぎているのでは?」そうした思いで香川の復帰を見ていたファンも少なくなかったかもしれない。今の香川は一体どこまでできるのだろうか。『ビルト』紙オンライン版のコメント欄には、前日にあるファンから「たとえシンジがひどいプレーをしようとも、チームが0−3で負けようとも、長い目で見たらドルトムントはきっとリーガ最強の中盤を手にするんだ」という書き込みもあった。
実際、ドルトムントは香川にじっくりと、またなじむまでの時間を与えようとしていた。少しずつ調子を上げ、リズムを取り戻し、万全の状態になるまで待とうとしていた。しかし9月の代表戦でドイツ代表マルコ・ロイスが足首を負傷、膝の十字靭帯断裂から復帰間近だったポーランド代表ヤクブ・ブワシュチコフスキも練習中に太股の肉離れ。それぞれ4週間以上の離脱を余儀なくされている。さらにイタリア代表のチーロ・インモービレもノルウェー戦で腰を打撲、ガボン代表ピエール・エメリク・オバメヤンは試合前日の金曜日にドルトムントに戻るなど、攻撃陣が万全の状態ではない。監督のユルゲン・クロップは「こうした状況では数週間待つことなどできない。今すぐにシンジはチームに必要だ」と起用を決断。前日に行われた記者会見では「シンジは2年間の時を経てさらに成熟した。ファンによるこれ以上にないスタジアムの雰囲気が必要だ。そしてその雰囲気がシンジを解き放つという感触があるんだ」とファンからの最大限のサポートと期待を口にしていた。
トップ下で躍動! 選手、サポーターも活躍を喜ぶ
香川の復帰をファン・サポーターも大歓声で祝福した 【Bongarts/Getty Images】
試合後ジグナル・イドゥナ・パークのミックスゾーンでは、香川のことばかりが聞かれていたようだ。『西ドイツアルゲマイネツァイトゥング』によるとDFエリック・ドゥルムは「香川の才能はみんな分かっているし、いいトレーニングをしていたからね。ゴールも素晴らしかった。すごい選手だし、何も失っていなかった」と語り、DFネベン・スボティッチは「みんないい練習ができて、いいコンディションだったけれど、シンジは特別にそうだったね。すぐに結果を出すなんて素晴らしいよ。彼にとってだけではなく、チーム全体にとっていいこと」と香川の活躍を喜んだ。