柔軟性アップでキレイに走る! 体幹で走るための柔軟性をチェック

青山剛

【青山剛】

 ことしの8月末は全国的に例年より涼しくなりました。そのおかげでしょうか、私のランニング&自転車のホームコースである江戸川の土手には、8月末とは思えないほど多くのランナーがトレーニングをしていました。

 私は職業柄、ランナーの方のフォームをじっと観察してしまうのですが、この時期は秋冬に比べるとキレイなフォームで走っている「中級者以上の方」が多いようです。

 なぜならいくら涼しいとはいえ、真夏のランニングはそこそこの走力、そしてモチベーションがないと、皆さん走りに出掛けないからです。従って、中級者以上の方が多く、必然的に秋冬よりフォームも整っている方が多いのです。

秋の走り込みに向け、少しでもキレイなフォームに

【Getty Images】

 面白いことに「冬に自転車トレーニングをしている」方も、フォームがキレイな方が多くなります。ただでさえ寒い冬に、風を切って走る自転車トレーニングに出掛けるわけですから、同じ理由で冬のサイクリストもキレイなフォームの方が多くなります。

 ちょっと前置きが長くなりましたが、この連載の読者の皆さんは、まだまだこれから頑張ってフォームを作っている段階の初心者の方が多いと思います。秋の走り込みシーズンに向けて、少しでもキレイなフォームで走れるようになりたいですよね。では、キレイなフォームで走れる方とそうでない方の差はどこにあるのでしょうか?

体幹で走るために最低限の柔軟性が必要

 この連載では、これまでしつこいくらいに「走らないトレーニング」を紹介してきましたが、今回は「体幹で走るために最低限の柔軟性=キレイなフォームで走れる体になっているか?」をチェックできるストレッチ項目をいくつか紹介したいと思います。

 現在私が指導しているチームでは、8月中は秋の走り込みに向けて「オーガスト・ストレッチ」として、1カ月でどれだけストレッチを行えるかを楽しく競い合ってもらいました。その成果を図る指標としても、今回のチェック項目を使っていますので、皆さんもぜひ行ってみてください!

キレイなフォームで走れているかをチェック!

【写真:谷山真一郎】

・肩甲骨、肩、背中、腰、もも裏など、裏側の柔軟性を総合的にチェック!
 90度(青ライン)より前(赤ライン)方向に行けば合格です。鏡やガラスの前でやってみましょう。前に進むランニングはプル(=引く)の動きですので、その働きをする筋肉が多くある体の裏側がとても大事になります。

【写真:谷山真一郎】

・腰、背中、股関節周りの柔軟性をチェック!
 背中を丸め、両ひじが床に付けば合格です。これが硬い方は、腹筋がうまく使えていない場合が多くなります。

【写真:谷山真一郎】

・股関節、骨盤周りの柔軟性をチェック!
 足を前後に大きく開いて、両ひじが床に付けば合格です。これが硬いということは、ストライド(一歩の長さ)を体幹から伸ばすことが難しくなります。

 これらのチェック項目自体がストレッチ種目にもなっていますので、毎日コツコツ行ってみてください。最低限の柔軟性がなければ、体幹も使えずキレイに走れません。合格ラインに達しないということは、足を多用する走りになり、疲れやすいばかりかケガもしやすく、そして足も太くなりやすくなります。

 ストレッチは日々コツコツ行えば、必ず誰でも成果が表れますので、ぜひ頑張って続けてみてください!

参考資料「青山剛のカラダが硬い人でも出来る!ストレッチプログラム(洋泉社)」
(写真:谷山真一郎)
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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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