走っても効果が上がらない原因は!? 忙しいときこそストレッチ

青山剛

【青山剛】

 だんだんと夏が近づいてきました。春から動き始めた方はちょっと運動が楽しくなってくる時期ですが、これからの季節は外でのトレーニングは徐々に厳しくなってきます。

 しかし、動くこと、走ることが楽しくなってきた今だからこそ、本格的に暑くなる前に軌道に乗せておきたくなり、ついつい無理をしてしまいますよね。

運動×栄養×休養の3つのバランスが重要

【Getty Images】

 あらためてここで、なぜ動いているか、走っているかを考えた時に
・ダイエットのため
・大会に向けて
・汗を流す爽快感のため
 など理由は人それぞれだと思いますが、どうせならトレーニングした分、「その効果」をしっかり感じたいものですよね。

 トレーニングは、運動×栄養×休養の3つのバランスが保たれて初めて効果を得ることができます。冒頭の「無理をする」とは、このバランスのキャパを超えたトレーニングをすることです。

トレーニング効果が上がらない理由

 プロのアスリートでしたら、この3つ中心の生活に集中できますが、普段忙しい皆さんの場合、この3つ以外にも「仕事」「家庭」「プライベート」「勉強」などあり、大変だと思います。

 よく見かけるトレーニング効果が上がらない例として
・昼ご飯をおにぎり1個程度にして、昼休みにトレーニングに行く
・仕事後の夜に睡眠時間を削って、トレーニングに行く
・予定のトレーニングを行わず、飲み会ばかりで暴飲暴食、その上睡眠不足
 などがあります。これではいくらトレーニングしても3つのバランスが崩れ、その効果は十分に得られません。3番目は当たり前ですが(笑)。

 とはいっても、忙しさはどうにもコントロールできないものです。私が日ごろ指導している方々も、大変忙しい方ばかりで、コーチの私もいつもそのトレーニング計画の立案に頭を悩ませています。

忙しいときこそストレッチがおすすめ

 どうしても3つのバランスを保ちづらいので、けがや故障、病気になる確率も上がってしまいます。そこで、忙しい方におすすめしたいトレーニングはやはり「ストレッチ」なのです。

「何だ、また基礎のストレッチか!」と思われるかもしれませんが、忙しくてもコツコツできるトレーニングであり、また「運動」「栄養」「休養」の効果も上げてくれるのがストレッチなのです。

 私がこれまでコーチ生活を16年以上、そのうち一般の方の指導を10年行ってきたデータを取ると、「パフォーマンスが上がらなくなる原因」のベスト3は
1)柔軟性がない(=ストレッチ不足)
2)体幹が使えてない(=体幹スイッチ不足)
3)コーチの言うことを聞かない
 となります。

 多くの方がこの「柔軟性の壁」にぶつかり、立ち往生してしまいます。結局いくら走っても、柔軟性がないと疲労回復も遅れるばかりか、関節可動域も狭いので効率の悪い動きの繰り返しになってしまいます。

 長く、楽しく、正しく動き続けたい、走り続けたいとしたら、とにかく小まめにストレッチをするようにしてください。

 今回は数あるストレッチの中でも、「万人向けの万能ストレッチ」を3つ紹介します。特に走り終わり、お風呂あがりにやると足の疲労、むくみが取れ、またけがの予防に抜群なメニューです。

1/2ページ

著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント