【夏】第2回 夏のRUNトレ最強メニュー 自然の中をサッと走り抜ける!

青山剛

【青山剛】

 さあ、いよいよ夏本番です。この時期のトレーニングは工夫して行わないと大変なことになります。

 これまでもお伝えしてきましたが、夏はストレッチや体幹エクササイズのような「走らないトレーニング」を中心に行い、秋にしっかり走り込めるように準備してほしいと思います。もしくは、次回以降に詳しく紹介しますが、ランニング以外の種目(=スイミングや自転車など)を行う「クロストレーニング」を用いることもとても有効です。

 そうは言っても、秋にマラソン大会の出場を予定している方は、夏にも少しは走っておきたいところ。そこで今回は、夏のトレーニングのポイントを挙げてみます。

夏のトレーニングポイントとは?

【Getty Images】

・朝もしくは夕方以降の、少しでも涼しい時間帯に走る
・水分補給がマメにできるように、周回コースを利用する(給水を1箇所置く)
・外にいる時間は、1時間以内を心掛ける(=短時間で濃い内容)
・夏の雨は「恵みの雨」。雷などない場合で20度以上なら積極的に走る
・暑さから栄養摂取と睡眠の質が落ちるので、サプリメントを上手に活用
・公園や林道、山中など、木陰が多い場所(=坂道・不整地)を走る


 今までの指導経験上、7、8月に頑張り「過ぎた」方は、9月中旬くらいに体調を崩し、一番走り込める10月以降で計画通りトレーニングが進まない場合がほとんどです。

 上記ポイントの中の最後に「公園や林道を走る」とあります。チームアオヤマ(パーソナルコーチング)での合同練習会でも、夏の時期は「ファルトレク」と言って、ちょっとした公園や林道を色々なことをしながら走る内容を取り入れています。

自然の中を走り抜ける「ファルトレク」

「ファルトレク」とは、元々はスウェーデン軍隊の訓練で行ってきた内容で、簡単に言えば「自然の中を縦横無尽に走り抜ける」です。英名は「スピードプレイ」と言って、「自然の中をサッと走り抜け、ランニングで遊ぼう」といった感じです。

 ファルトレクは、山やトレイルコースに行かなくても、ちょっとした公園、土手などでも行うことができます。計30〜60分もあれば、かなりいい刺激が入ります。
 やり方はあまり難しく考えず、公園内だと坂道や階段、林を利用します。公園内をゆっくりジョギングで移動しながら、見つけた坂道を駆け上がったり下りたり、階段を大股で走ったり林をジグザグに走るなど、楽しく「自然の負荷」を掛けていくだけです。

 夏の時期に「400mを何本」などのインターバルトレーニングを行うのは、よほど慣れている上級者の方でない限り厳しいわけで、そうでない方はこんなことをやろうと思えば心身共に疲れ果ててしまいます。なので、公園内の木陰を利用し、坂や階段を駆け上がれば「勝手に」心拍数も上がり、筋肉にも負荷をかけてあげられます。精神的に楽で、肉体的に「結果」負荷をかけて上げられるのです。

 夏は楽しく「短時間で濃い内容」のトレーニングを目指しましょう。私の中では、ファルトレクが夏のナンバーワン・ラントレメニューです!

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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