『日本一チームの日本一のファン』のバスケとバスケ以外の楽しみ方【B MY HERO!】
琉球ゴールデンキングスは2連覇を目指すシーズンを戦っています 【(C) B.LEAGUE】
沖縄アリーナのコートにはヤシの木がデザインされていて、そこから3Pシュートを決めると“ココナッツスリー”と言われていますが、オールスターでもこのフレーズが飛び交っていましたね。
どうもご無沙汰しております、そして初めましての方も“ココナッツスリー”を最初に言った実況アナのあったゆういちです。今シーズンもB MY HERO!特派員としてコラムを書かせてもらいます。
1月に沖縄アリーナで行われたBリーグオールスターでは選手たちがエンタメ能力を発揮 【(C) B.LEAGUE】
バスケ文化が根付いている沖縄ならではのW杯の盛り上がり
その「バスケ王国が誇る日本一の琉球ゴールデンキングスの日本一のファン」という肩書きを持つキングスファンの職場やプライベートシーンでは、ここ最近バスケの話題がかなり増えたといいます。
昨夏行われたW杯は沖縄県内でももちろん盛り上がった 【(C) Hiromasa Ito】
「ゆるゆるバスケ」でみんなで楽しむ
というのも、キングスファンの人たちはSNS文化やマッチング文化を使いこなし、リモートで人が集まりバスケの話をしたり、実際に体育館を借りてバスケをするようになりました。その一大勢力が「ゆるゆるバスケ」というキングスファンが集まるバスケチームです。
2023年の1月23日にスタートし、LINEのオープンチャット登録人数は77人。毎週体育館を借りて参加者を募り毎回定員オーバーになる盛況ぶり。参加者は20〜50代、老若男女、経験者から未経験者まで幅広い。1度に50人が集まり10チーム編成ができるうえにバスケはプレーしないが見学したり応援したりする人もいるので、まるで小さな大会が開催されてるのかと思うほどゆるバスの日の体育館は活気に溢れています。
これだけ人が集まると運営側も拡声器を使ったりしてアイデアを使って進行するものです。それが、発足から半年を過ぎる頃にはみんなでバスケを楽しむリテラシーが高まっていることを感じました。指定された日時に遅れることなく集まり、編成されたチームごとに分かれ、進行表どおりに試合が進む。みんなで声を掛け合い、最初の準備から撤収まで、運営側が手を煩わせることなく事が進んでいく様子からは、時間にルーズな“ウチナータイム”やダラダラした馴れ合いは一切なく「みんなで楽しむバスケ文化」が浸透し、進化していることを感じました。
キングスファンが集まって楽しむのはバスケだけではない!?
バスケなら50人が参加してもみんなで楽しめるのは想像がつきますが、バドミントンは最大で32名、少ない時は16名しか参加できないと、競争率がなかなかに厳しいとのこと。それでも、キングスが好き、バスケが好きということで繋がった仲間とスポーツで汗を流す時間にとても大切なものを感じているようです。琉球ゴールデンキングスは「沖縄を元気に」という理念と、ポジションの役割にとらわれないポジションレスバスケで今シーズンも戦っていますが、キングスファンもスポーツの枠を超えた交流の楽しみ方で健康増進に励み、それこそ「沖縄を元気に」しているようです。
「沖縄を元気に」してくれる沖縄アリーナ 【(C) B.LEAGUE】
しかしファンの皆さんが口にするのは「信じてる」「最後には優勝する」「最後はみんなと笑いたい」という祈りのような期待の声が多いのですが、中には「みんながバスケを楽しんでる姿が見たい」という母性的な期待から、「横浜行きの航空機チケットもホテルも押さえる」といった強気の期待の声まで個性的なものもありました。
そんな期待の声の中でキングスファンの1人“組長”さんの「勝てる条件は申し分ないけど、必ず優勝できるとは言い切れない危うさが最大の魅力で、唯一無二の存在」という言葉はとても印象的でした。チームへの期待と信頼、他チームへのリスペクトも言い表していてあまりにもカッコ良過ぎる。ゆるバスでバスケもできる、バドミントンもする57歳の“組長”さん、今度会うときは「ゴッドファーザー」という二つ名を付けたいと思いました。
あったゆういち(B MY HERO!特派員)
【(C)あったゆういち】
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