オールスターウィークエンドの余韻の中で…2023-24シーズン前半の振り返りと後半戦展望【B MY HERO!】
年末にはアウェーにも関わらず強敵千葉Jに連勝した三遠ネオフェニックス 【(C) B.LEAGUE】
シーサー…
ヨシケンサンバに島人ぬ宝に無限ポンプフェイク…。
Bリーグのオールスターウィークエンド、楽しすぎました。←バスケほとんど関係ないとは言わないでくださいね!
もちろんBリーグ初となった3日間にわたるオールスターの濃厚な中身もたっぷり楽しませていただきました。
いつか、あのお祭り舞台に解説の一員として加わる日を夢見ているB MY HERO!特派員でバスケットボールコメンテーターの朴航生です。
今回はオールスターについて、ではなくここまでの2023-24シーズン前半の振り返り、そして後半の展望を僭越ながらさせていただきたいと思います。
まずは各地区の成績表を振り返りながら、少し気が早いかもしれませんがCS枠、そして降格争いを見ていきましょう。
サプライズが続出の中地区に熱視線
まずは何と言っても中地区首位の三遠ネオフェニックスです。大野篤史HC体制2年目となる今シーズンはオフに名古屋ダイヤモンドドルフィンズから移籍してきたコティ・クラーク選手が1年間かけて作ってきた土台にしっかりとはまり、スピーディで破壊力のあるオフェンスチームに変貌を遂げました。
前半戦ではオフェンスレーティング(オフェンス力を数値化したもの)が示すとおりリーグ1位のオフェンス力(119.0 ORtg)を武器に勝ち星を積み上げました。さらにシーズンを戦いながらディフェンス力も高まり、現在はディフェンシブレーティング(ディフェンス力を数値化したもの)でもリーグ4位(102.9 DRtg)のエリートチームになっています。
ディフェンス面でのキーマンはアジア枠でフィリピンの至宝サーディ・ラベナ選手でしょう。大野HCが千葉J時代に原修太選手に与えていた役割と同じようにポジションレスでマッチアップできる怪物を三遠でも作り上げていました。
日本代表の西田優大を中心に勢いを増すシーホース三河 【(C) B.LEAGUE】
この2チームの背中を追いかけるのが今季で引退を表明したニック・ファジーカス選手の在籍する川崎ブレイブサンダース、Bリーグに帰ってきたルカ・パビチェビッチHC率いるサンロッカーズ渋谷、そしてファイティングイーグルス名古屋に続いて、今季予想外に苦しんでいる昨季MVPを擁する横浜ビー・コルセアーズとなっています。
横浜BCは河村勇輝選手の得点とアシストこそ昨季を超える勢いで現時点では二部門でリーグ首位を走っています。しかし、チームとしてのオフェンスレーティングが思うように上がらず、ディフェンス面でのチーム全体の向上は見られるものの思うように勝ち星の伸ばせない前半戦となりました。オールスター前に広島からカイ・ソット選手を獲得したことによる素晴らしい化学反応が生まれることを楽しみにしています。
リーグ1位のディフェンス力を築き上げたA東京
東地区の首位アルバルク東京はシーズンオフにテーブス海選手と橋本竜馬選手をバックコート陣として補強し、外国籍選手を従来のビッグマン体制に戻した今シーズン。11月後半のバイウィーク前まで圧倒的な強さでわずか1敗のみという素晴らしいスタートを切りました。その後一度は連敗を喫したものの同一カードでの連敗はいまだありません。レーティングどおりの圧倒的なディフェンス力(96.6 DRtg)を武器に、オフェンス力でも三遠に匹敵する数値(118.7 ORtg)を叩き出しながら、チーム史上最高勝率も見えてきそうな素晴らしいシーズンを送っています。
デイニアス・アドマイティスHC体制2年目となる今シーズン、特にライアン・ロシター選手のフィジカルコンディションがシーズン開幕から過去最高の状態に見えます。数シーズン、ケガに悩まされていたロシター選手がオフにどのような手段を取ったかはわかりませんが、開幕時点でかなり絞れている、余分なものを一切排除した身体の仕上がりに見えました。その努力が今シーズンここまで全試合出場、そしてチーム内での貢献度トップというところに繋がっているのかもしれません。万能型の帰化選手として絶好調のA東京を支える屋台骨が彼であることは間違いないと感じています。
フィットしたライアン・ロシターのパフォーマンスで東地区首位を走るアルバルク東京 【(C) B.LEAGUE】
上記の2チームを追いかけるのが記録的な昨シーズンを過ごし、“とがぴ”こと富樫勇樹選手を中心とする千葉ジェッツです。千葉Jは開幕当初こそ新チームとしてうまく機能しないことが現れることがありましたが、原選手の両足首の手術からの復帰もあり、リーグ戦と並行して行われているEASL(東アジアスーパーリーグ) での無敗連勝がチームビルディングを加速させているように見えます。
過密日程におけるコンディション調整の難しさや、疲労の蓄積というものは後半戦にならないと見えてこない部分もあるかもしれませんが、若い選手を多く保有している今季の千葉JにとってはEASLがリーグ戦の合間に入ることは結果的に実戦経験を多く詰めるという意味で良かったのかもしれません。準決勝から出場する天皇杯の時期にどのようなチームになっているのか、宇都宮との一戦必勝の戦いは見逃せません。加えてグループステージ全勝で終えているEASLで王者に輝くことができるのかにも注目が集まっています。
この3チームを追いかけるのが秋田ノーザンハピネッツ、仙台89ERS、さらに群馬クレインサンダーズと続いています。秋田はディフェンスレーティングではA東京、宇都宮に次ぐリーグ3位の数値を持つ屈指のディフェンスチームなうえ、二人の途中加入となった外国籍選手がこのオールスターウィークエンドでさらにフィットしオフェンス面での向上が見られれば、上位チームにとっては脅威となるでしょう。
琉球の地区優勝を止めるチームはどこだ⁉
その琉球はここまで西地区の首位を維持していますが、今シーズンも昨シーズンに続き地区内でのCS争いは一層激しさを増しているように感じます。
西地区は最下位となっている京都ハンナリーズにおいてもここまでで8勝となっており、降格争いには入らなそうな状況です。同地区間での対決が多くなるシーズン後半から終盤の日程での結果次第では、最終順位が確定する頃に西地区は現在の順位と全く違う状況になっているかもしれません。
地元開催のオールスターゲームでMVPを獲得した琉球ゴールデンキングスの岸本隆一 【(C) B.LEAGUE】
その琉球を追いかける形で2位から6位までは3ゲーム差にひしめき合う混沌とした状況の中、島根スサノオマジック、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、広島ドラゴンフライズ、佐賀バルーナーズ、長崎ヴェルカと続いています。どのチームもCSに届く状況であり、そこに続く形で7位ではありますが大阪は開幕7連勝した実力を持っていますから、やはり今シーズンもどこがCS自力出場を掴むのか終盤まで一番注目を集めるのは西地区になりそうです。
最後に降格争いという、「一番辛く苦しい」がゆえにドラマチックな部分に触れたいと思います。
現在の時点では茨城ロボッツ、そして富山グラウジーズ、続いて信州ブレイブウォリアーズと下位からの並びとなっていますが、過去数シーズンを見てみても14~15勝というあたりが降格圏外へ脱出できるラインとなりそうです。12月に指揮官を交代した茨城や昨シーズン最後にB1の枠に踏みとどまった富山がここからどのようにして、安全圏へ抜け出していくのかというところにも注目を置きながら、後半戦も盛り上がるしかないBリーグを楽しんでいきたいと思います。
朴航生(B MY HERO!特派員)
【(C)朴航生】
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