U-17 W杯開幕直前! 「川崎代表」の土屋櫂大と柴田翔太郎が語る思い

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

11月11日(土)にFIFA U-17ワールドカップカップインドネシア2023の初戦を迎えるU-17日本代表。そのメンバーに川崎フロンターレU-18からセンターバックで圧倒的な存在感を発揮する土屋櫂大、サイドバックからガンガン仕掛けていく切り込み隊長の柴田翔太郎が選出された。世界中、日本中に熱いプレーを轟かせてくれるだろう2人が今大会への意気込みを語る。

左から土屋櫂大(つちや かいと)選手、柴田翔太郎(しばた しょうたろう)選手 【©KAWASAKI FRONTALE】

──U-17ワールドカップ日本代表メンバーに選出されました。選出を聞いたときはどんな思いが込み上げてきましたか?

柴田「正直、ケガもあって試合に出られない状況もあったので不安もありました。だから選ばれてホッとした気持ちが一番強かったです」

土屋「僕はちょうど1年くらい前に年代別の代表に呼ばれるようになってから、ワールドカップを一つの目標にしていました。なのでメンバーに入ることができてよかったです」

柴田「本当に毎日、メンバーに入るかどうかを気にしていました。だから発表日のときにヤスさん(川崎U-18・長橋康弘監督)のほうを見て、『今日言われるのかな』って見たり…」

土屋「シバ(柴田翔太郎)はすごく気にしていたよね」

柴田「しかも、みんなイジってくるんですよ。ロッカーとかでドアを開ける音がしたときにコーチが入ってきたと思って、何回も見たこともありましたし。そしたら、みんなが『いいよ、そういうの!』って言ってきて…。面倒くさかったなあ(笑)」

土屋「僕はいつも通りにしようとしていたので、そういうのはなかったです(笑)」

──U-17ワールドカップをキッカケに2人のプレーを見る方も多いと思います。お互いの魅力を教えていただけませんか?

柴田「えー。恥ずかしいな」

土屋「シバの魅力は走れる体力もそうだし、『ここだ』というときに前でも後ろでも本当にどこにでもいるんです。あとは守備もできるし、攻撃参加をしたらクロスを上げ切ってくれます。本当にクロスは日本一の精度があるんじゃないかなと思っているし、戦う姿勢もある選手です」

プレミアリーグEASTでは、得意のドリブルで積極的な攻撃参加を見せている柴田選手 【©KAWASAKI FRONTALE】

柴田「俺のいないところで言ってほしい。恥ずかしい(笑)。カイト(土屋櫂大)はヘディングの強さ、空中戦の高さが武器。最終ラインの隣で見ていても、めっちゃ飛ぶなと思って見ています。しかも海外選手を相手にしても負けることなく跳ね返すし、負けるところを見たことがない。あと足が速くて対人能力があって、リーダーシップや声で味方を動かすこともできるので、本当に頼もしいです。完璧なセンターバックですね」

リーグ最少失点を誇る川崎U-18の最終ラインをけん引する土屋選手 【©KAWASAKI FRONTALE】

土屋「それ、本当に思ってる?」

柴田「思ってるよ。あとカイトは表情に出さないけど、めっちゃ戦ってくれるんですよ。もう恥ずかしいので、次の質問にいきましょう(笑)」

──はい(笑)。それこそお互いの特徴をよく理解しているから、U-17日本代表で生かされるものも多いのではないでしょうか。

土屋「僕がセンターバックでシバはサイドバックなので、隣で組むことが多いです。代表では彼の特徴を一番理解していると思いますし、チームのなかで彼をどう生かしていくかは意識してプレーしています」

柴田「カイトが左センターバックで僕が右サイドバックの関係で組んでいるときも対角線上に目が合うことが多くあります。僕が背後を狙っているのを分かってくれているからこそ見てくれていると思うし、2人の関係からチャンスを作り出すことができたらなと思っています」

──U-17日本代表はどのようなチームですか?

土屋「みんなが仲良くて、いざ試合になったら雰囲気がガラリと変わって一人ひとりが熱い気持ちをもって試合に臨んでいくチームです。森山監督(U-17日本代表・森山佳郎監督)がいてのチームだなと感じています」

柴田「すごい熱い監督だよね。それがチームにいい影響をもたらしていると思います。あと、アジアカップのときもそうだけど、ゴール後はみんなカメラに映りたがる(笑)」

土屋「それはシバじゃん(笑)」

柴田「誰が決めても、どれだけ遠くても全力で行きますから」

土屋「決めた選手よりも前に出てるからね(笑)」

柴田「いやいや。でもゴールが決まって、うれしくて駆け寄ってるだけだから。アジアカップの決勝でも名和田我空(神村学園)がフリーキックを決めたとき、僕は逆サイドにいたけど全力で行きました」

土屋「決めた選手よりも俺だ!ってなってたよ」

柴田「たしかに、我空よりも前に出て喜んでた(笑)。でも周りも我が強い選手が多いので」

土屋「僕はシバに比べたら一歩引いて見ている感じですかね」

──グループステージは、ポーランド、アルゼンチン、セネガルといった強豪揃いの組み合わせです。

柴田「強い相手と真剣勝負できるので、めちゃくちゃ楽しみです。身体能力が高い選手も多いと思うので、速いウインガーとマッチアップすることにワクワクしています」

土屋「海外のFWはいろんなタイプの選手がいると思います。そこで自分の武器である空中戦がどこまで通用するのかが楽しみです。また、アルゼンチンはプロ選手が数人選ばれていると聞いていますし、そこで対峙する相手とどこまで渡り合えるのかというのも含めて楽しみたいです」

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柴田「僕はワールドカップで自分の特徴を生かすために、普段の練習後に設けられている自主練の時間で誰かを捕まえてクロスを上げ続けてきました。その練習をワールドカップの舞台でゴールにつなげることができたらなと思っています」

【© KAWASAKI FRONTALE】

土屋「それこそ僕も自主練は自分の課題を明確に分かって整理できているので、周りの選手に付き合ってもらって取り組むことができています。あの時間が自分にとっても大きなものになっています」

──フロンターレで積み上げたものを発揮したい大会にもなりますね。

柴田「間違いないです。それに、以前の僕はあまり考える選手ではなかったのですが、フロンターレで積み上げてきたことで昔よりも考える量も増えてきたと思っています」

土屋「それに僕たちはフロンターレを代表してワールドカップに出場します。国際大会で経験したことを川崎に帰ってきたら還元していかないといけないですし、自分も成長して帰ってきたいです」

柴田「僕もフロンターレを代表してワールドカップで戦えるのはうれしいことだなと感じています。また、これはフロンターレの選手も含めてですが、今回のメンバー以外にもワールドカップを目指していた選手が数多くいます。そういった選手を僕は近くで見てきているので、その人たちの思いも背負って戦っていきたいです」

チームでも公式戦デビューを果たし、1年生ながら堂々としたプレーを見せている林選手 【© KAWASAKI FRONTALE】

──また、国内合宿までの参加ですが、高校1年生の林駿佑選手もトレーニングパートナーとして帯同することになりました。

土屋「シュンさん(林駿佑)ですね」

柴田「高3の選手もシュンさんって言ってますからね(笑)」

土屋「彼は本当に上級生に対しても指示を出すし、とんでもないリーダーシップを発揮できる選手です。プレー以外でもチームのことを考えて行動していますし、1年生なのにすごいなと思って見ています」

柴田「試合中に僕が攻撃参加で前にいると『シバ、もういい!』って声を出してくれます。彼はすごいですよ」

土屋「いい背中を見せたいですね」

柴田「そうだね」

──今大会への意気込みを聞かせてください。

土屋「出るからには最多得点、最少失点で優勝することを目標に戦っていきたいです。そのために、まずは目の前の一戦一戦を大事にしてやっていきたいです」

柴田「森山監督が常日頃からファイナリストになると言っていますし、やるからには優勝したい。アジアカップで頂点に立って優勝カップを掲げましたが、ワールドカップでもう一度みんなで喜び合えるように、みんなで世界一を目指したいです」

土屋「そのために個人としてもゴール前の守備で体を張って毎試合無失点で抑えることも目標にやっていきたいです。ゼロで抑えることができれば前線の選手たちが点を取ってくれるし、無失点でいけば勝てる自信があります。なのでそこにこだわりながらプレーしていきたいです」

柴田「僕も1対1の仕掛けやハードワークするといった特徴を出していきたいですし、ワールドカップでゴールを奪うためにクロスの質を磨いてきました。だからゴールに関わるプレーで勝利に貢献したいし、メンバーに選ばれた誇りと責任を持って戦っていきたいです」

──では最後に、応援してくれているサッカーファンやフロンターレサポーターへメッセージをお願いします。

土屋「僕たちはフロンターレを代表してワールドカップを戦います。そして成長して帰ってきたときに、サポーターの皆さんにあっと言わせるようなプレーができるようにしたいと思っています。今まで積み上げてきたものを発揮できるように頑張るので、応援よろしくお願いします」

柴田「僕もフロンターレのエンブレムを背負ってプレーしていきたいと思います。自分の特徴を発揮してチームに貢献していきたいですし、熱いU-17日本代表の戦いに注目してください! そして応援よろしくお願いします!」

(取材:高澤真輝)
■グループステージ
・第1節 11月11日(土)vs U-17ポーランド代表 18:00キックオフ
・第2節 11月14日(火)vs U-17アルゼンチン代表 21:00キックオフ
・第3節 11月17日(金)vs U-17セネガル代表 18:00キックオフ

※キックオフは日本時間(インドネシアとの時差は2時間)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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