「最高の未来にするために、どんな選択をしますか?」フロンターレの新人研修

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

2023年某日、フロンターレのクラブハウスにてプロ1年目、2年目の選手を対象に『7つの習慣セルフコーチング for Athlete(アスリート)』が行われた。この研修は全世界でベストセラーとなった書籍「7つの習慣」のエッセンスを抜き出して「ありたい自分になるために、客観的に自分と対話する技術(=セルフコーチング)」を身につけることができるスポーツ界向けのプログラム。自分のことを最もよく理解している自分自身が最良のコーチとなるように自己対話の質を高める技術を学ぶことを目的とする研修である。

「自分を成長させる研修だなと感じた」(早坂)

大卒2年目の早坂勇希。大きく成長することを期待されている 【© KAWASAKI FRONTALE】

「もしも最高の未来が待っているのなら、いまどんな選択をしますか?」

人生は選択の連続だ。これから自分がどのような人間になっていきたいのか、掲げる目標に辿り着くためにどうしたらいいのかを考えたときに数々の選択をしなければいけない。サッカー選手も、例えば筋トレをするのかしないか。自主トレをするのかしないのかといった選択をして、自らが決めることでトレーニングを積んでいる。ただ、それを何となく選択しているのと、自らが考え明確な理由をもって取り組むのでは効果が変わってくるだろう。研修内では自分を客観的に見ることや、自問自答することで最善の選択をする大切さを全3回の「準備編」「活用編「実践編」で学び、選手たちにとって充実した時間となっていた。

「個人として、なかなかうまくいかない日々を送っているなかで、今回の研修はすごくいい機会だなと感じましたし、自分の成長につながるチャンスだと思いました。365日、24時間で色んなことを考えて何が最善かを選択肢しなければいけない。そういった意味では自分を見直すことができるチャンスでもあるし、自分を成長させる研修だなと感じました。これからも、自分が成長するために選択をしていきたいです」(早坂勇希/大卒2年目)

「今回の研修でやったことは、なかなか自分一人だけでは考えてこなかったことでした。それが講師の方に教えてもらって普段考えてこなかったことを教えてもらえたのはプラスになりました。この研修を受けてから、自分の思っていることや考えていることの変化を実感しているので、今後のキャリアに活かしていきたいと思っています」(大関友翔/高卒1年目)

FCバイエルン・ミュンヘンとの親善試合でデビューした大関友翔 【© KAWASAKI FRONTALE】

講師の坂井伸一郎さん(株式会社ホープス 代表取締役社長)も「選手たちは真面目で言っていることが伝わらないことがなかった。日頃から研修でやっていたことを考えてやっていたんだろうなと感じることができました」と話すように、実際に選手たちも研修で学んだことを実践している様子で、とあるインタビューの際に松長根悠仁が“選択”というワードを使いながらこう語っていたこともあった。

「クラブハウスや寮では体作りの面でご飯を食べるタイミングや、食べたあとにどのくらい時間を空けて筋トレをするのか。また昼寝をするタイミングを考えながら過ごすことができています」(松長根)

この言葉が出てくるのは、研修を受けたからこそとも言えるだろう。フロンターレとしても、これまで選手やチームスタッフを対象に様々な教育研修が実施されてきたが、選手の成長を加速していきたいという期待を込めて開催しただけに実り多い研修になった。

アスリートに座学が必要な理由

研修を生かして日々の生活を送る松長根悠仁 【© KAWASAKI FRONTALE】

このような座学研修がアスリートにとって、どれだけ大事なのか──。もちろん圧倒的な身体能力だけで世界的なトッププレーヤーになる選手もいるが、数はほんの一握り。そのなかで成功する選手は頭を使い、工夫する。そして自分で考えて行動をすることができる選手が成功をする時代になってきている。日本人陸上選手の話を例に挙げると、当時は無名だった4人の選手が高校生や大学生の頃から座学研修を受け、頭を使うことを体作りと技術向上をセットで取り組んでいくことで飛躍的に成長し、そのうちの3人が日本代表で日本記録保持者になった事例もある。そういった事実をもとに言えるのは、フロンターレが実施した研修は試合で活躍するために必要な材料となり、選手として大きく成長するキッカケとなるということだ。

今回の研修を「選手の刺激になる」と考えて実施を決めたチーム統括マネージャーの清水 泰博さんは選手たちへの期待を込めて言う。

「研修が始まってから今日まで立場も変わってきたところもあり、それぞれに色んな考え方が出てくるタイミングだったと思います。ここで学んだことを日々のトレーニングや生活に生かしてほしいですし、キッカケや考えるヒントになればいいなと。自分と向き合う大切さを感じてくれたら嬉しいです」

参加した全9名の選手たち。なかには途中で期限付き移籍をして他クラブに加入した選手もいるが、この研修を通して学んだことを生かしてピッチで躍動する姿を見られるのを期待したい。

(文:高澤真輝)

◆7つの習慣

【©株式会社FCEパブリッシング】

出版社である株式会社FCEパブリッシングが発行している世界的ベストセラーの『7つの習慣』は、アメリカのハーバード・ビジネス・スクールで MBAを取得し、経営コンサルタントとして活躍したスティーブン・R・コヴィー氏がまとめた自己啓発本の決定版。全世界で4000万部、日本国内でも250万部を発行している超ベストセラーとなっている。
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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