『生涯アルバルカーズ』を掲げるバスケットボールファンの夢【B MY HERO!】

B MY HERO! 特派員
チーム・協会

【B.LEAGUE】

『生涯アルバルカーズ』としての想い

今年からホームアリーナを国立代々木競技場第一体育館に移したアルバルク東京。定評のあったエンターテインメントの要素はさらに輝きを増している 【(C)B.LEAGUE】

 B MY HERO!特派員の横田晶次郎です。

 今シーズンからヘッドコーチが変わり、メインアリーナを国立代々木競技場第一体育館に移して新たな船出を迎えたアルバルク東京。

 今季のシーズンスローガンは、”次の段階へ向かう”を意味するNext Phaseと、”心を騒がせる・驚かせる”の意味のFazeを掛け合わせた造語『NextFAZE』である。

 ファンにとっての『NextFAZE』を考えた結果、「新体制の戦術はどうだ⁉」、「新たな戦力はどうだ⁉」と専門家でもない私がこのような場で語るよりも、まだ会場に足を運んだことのないこれからのファンに向けて、私のバスケットボール愛、アルバルクへの想いがわずかでも届くことを願い、この場を活用させていただくことにした。

 私は『生涯アルバルカーズ』を掲げている。

 アルバルカーズとはアルバルク東京公式ファンクラブの呼称であり、アルバルクファン全体を指すこともあれば、アルバルクファン個人を指す意味で使われる場合もある。

 まずは、宣伝の意味も含めて、年に1回でもアルバルク東京のホームゲームを観戦する人であればアルバルカーズ・レギュラー会員3300円(税込)に入ることをお勧めしたい。

 これは、新しいファンをまずは会員として囲ってしまおう! という、古参ファンの邪な考え方では決してなく、入会するだけで2階自由席のペアチケットがもらえることに加え、Tシャツまで貰えるという、それだけで十分に元を取ることが可能なリーグ屈指のコストパフォーマンスを誇る入会特典がついているからである。

 ファンクラブというものは、まず会場に行ってみて今後も続けて応援したくなったら入ってみるという認識が一般的かもしれないが、ことアルバルク東京においては違う。もしあなたが一試合でも観戦に行くのであれば、まずは入会することがお得なのである。

 私はナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)時代も含めるとアルバルカーズに入会して8シーズン目となる。

 好きな選手やコーチの移籍・退団があろうとも一途にアルバルク東京を応援してきた。

 Bリーグ1シーズン目の終わりにはイチオシだった松井啓十郎選手(現富山グラウジーズ)が移籍となりたくさんの方に「横田さんはどうするの?」と聞かれた。

 それ以来、特定の好きな選手を作らないようにしている(笑)。

 私のようなクラブ推しのバスケファンは東京という特有の地域性もあるだろうが、まだ少ないように感じる。

 地方出身者が多いこと、選手推しのファンが多いこと、要因は色々あれど、多数派とは言い難いのが現状だ。

 特定の選手を推して選手と共にチームを転々とすることがナンセンスだとは全くもって思っていない。むしろその情熱は尊敬に値する。

 そこまでして応援し続けるくらいの選手だと、その選手自体の価値も高めていると感じる。

 ただ、私はアルバルク東京というクラブ自体に魅力を感じているし、その価値を高めたい。そして、その先にあるのは日本バスケットボール界全体の価値をより高めたいという願望がある。

 私はNBAも見るし、ここではあえて触れないが、NBAの中でも固定の推しチームもある。

 当然NBAのレベルの高さも知っているが、Bリーグにも興奮を抑えきれない瞬間がある。

 試合終了間際のブザービーターは良い例であろう。映像で見るものと会場で味わう瞬間には大きな差があると感じる。

 そういった瞬間のために、足繁く会場に通っていると言っても過言ではない。

 毎試合そんな瞬間に出会える訳ではないが、だからこそ、そこにはストーリーが生まれたりする。

 数試合不調だった選手がベンチから出て来てブザービーターを決める。1試合見ただけでは味わえない感動がそこにはある。

ファン数とその熱量がクラブの課題

ホームアリーナではクラブスローガンである『WE』のサインをファンと一緒に掲げて勝利を分かち合う 【(C)B.LEAGUE】

 私はプロスポーツがシーズンを通して見るのがおもしろいことを大人になって初めて知った。

 そして、長年特定のクラブを追い続けることの楽しみは、年を重ねるごとに大きく膨らんでおり、自分自身でもどこまで膨れ上がるのか、少し恐ろしくもあったりする(笑)。

 Bリーグの規模感、雰囲気の成長はとんでもなく速いスピードで進んでいると感じる。

 もしBリーグ前年のNBL観戦を最後に日本を離れた人が今季の代々木ホーム開幕戦を見たら目を疑うであろう。

 そんな成長著しいBリーグの中でもアルバルク東京は国内だけでなく、アジア、そして世界に目を向けている。

 NBAとまでは言わないが世界的なビッグクラブになる可能性は大いに秘めている。

 もちろん今はまだ発展途上にあるため、アルバルカーズですら実感のない人が多いかもしれない。

 私は2019年にタイで行われたFIBAアジアチャンピオンズカップへ現地応援に行った。アルバルクは2年連続の挑戦で、日本のクラブとして見事初優勝を果たしてくれた。

 そこで現地のファンの方に声を掛けられたことにも驚いたが、翌シーズンのアリーナ立川立飛にその現地のファンの方が来場していたことはこのクラブの可能性を感じる大きな要因となった。

 アルバルク東京の活動理念には「バスケットボールの強化に努め、アルバルク東京が活躍することでリーグ、バスケットボール界をけん引します」や「首都東京のクラブとして、バスケ、スポーツを通じて世界に発信していきます」という文言がある。
大袈裟ではなく、これに沿って着実に進んでいると感じている。

 ただ、選手やチーム、チアリーダー、設備、スポンサー、これらは紛れもなくリーグのトップを走っていると感じるが、お世辞にもトップを走っているとは言い難い部門がある。

 それがチームファン数とその熱量だ。

 Bリーグ1年目からの成長度で言えばトップクラスと自負しているが、客観的に見た時に「たくさんの熱いファンがいるクラブと言えば」の質問では、残念ながら上位に挙がってくるとは思えないのが現状である。

 その部門において、リーグのトップを走っているのは、やはり琉球ゴールデンキングス、宇都宮ブレックス、秋田ノーザンハピネッツといったクラブだろう。県内のプロスポーツの中でバスケットボールが最も結果を出しているということもあるかもしれないが、継続して支えているファン、バスケを良く知っているファンが頻度高く会場に足を運んでいる印象が強い。

 応援スタイルの違いはあれど、こういったクラブの会場はもれなく”熱い”。

 こういった会場では何が起きているのか。

 初めてBリーグに触れるご新規さんが会場の雰囲気に乗りやすい。周りに合わせていれば自分もすぐに熱いファンの一員になったように思える。

 このことはライト層にとっては大事な要素ではないだろうか。ご新規さんを呼び寄せるのはクラブ側の仕事かもしれないが、ライト層をよりコア層へ変化させるのは、既存ファンの力も一つの要因であるように思う。

 私自身もコアなファンの方々に温かく迎えていただいた経験を経て現在の形がある。

 初めて観戦される方が会場の仕様や応援の仕方、応援マナーなど色々分からないのは当然であり、それらを学んでいく過程も楽しめる、バスケ会場とはそういう温かい空間であってほしいと願っている。アルバルク東京の現状を知っていれば知っている人ほど、新たなファンにはウェルカムなはずだ。また、色々なことが一新され、次のフェーズへと進もうとしているアルバルク東京は、これからファンを始めるという人にとっても今が絶好のタイミングであると感じている。

 ファンもクラブの一員として考えてくれているアルバルク東京。

 クラブスローガンの『 WE 』はその象徴ともいえる。

 ファンが創り出す雰囲気も同様にクラブやBリーグの未来を担っている。

 そういった意味で、やはりチームを長く応援する、クラブを長く支えるファンがもっともっと増えて欲しいところだ。

 この部門においてもリーグをけん引する存在となった時、より世界への可能性を広げられるのではないだろうか。

 そういう意味では一番の伸びしろとも言える。

アルバルク東京が有する大いなる可能性

今季はアドマイティス新ヘッドコーチ体制となり、新瑞メンバーも加わったアルバルク東京 【(C)B.LEAGUE】

 私は生きているうちに見たい夢が2つある。

 一つは、国際試合で日本代表がアメリカ代表に勝利すること。あえて親善試合は含まないこととする。私が子供の頃に見ていたドリームチーム1やドリームチーム2に対しては夢としても考えられなかったことだが、NBAで連続5シーズン目を向かえる渡邊雄太選手(ブルックリン・ネッツ)がいて、ドラフト1桁指名の八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)が現れることも同様に当時の私は夢にも思わなかったことなので、現在はこれだけの大きな夢を持つことができている。

 もう一つはBリーグのプレイオフが各チームのチームカラー一色に染まった大きな会場でNBAさながらに会場総立ちとなった熱い試合が行われることだ(ホーム&アウェイ全7戦で行われていることを想定している)。

 とにかく私はバスケとバスケ選手の価値を高めたい。

 選手たちが今よりももっと手の届かない存在になってしまうこともいとわないし、簡単には近寄れないくらいのスーパースターが続々と現れてくれることを本気で願っている。

 そうなるためにはアルバルク東京にはクラブを推す熱いファンがまだまだ足りない。

 以前に、バスケットボールキングさんに私の応援に関する記事を書いていただいたことがあるが、その際には会場でたくさんの方に声をかけて頂き、一緒になってチームを盛り上げて頂いた経緯がある。その方々と共に味わったリーグチャンピオンの瞬間は今も忘れられない思い出となっている。

 今回は私自身の慣れない原稿ということもあり、どれだけ伝わるかは分からないが、また新たな行動するファンがバスケの未来に向けて動き出してくれることを期待している。

 共にアルバルク東京の可能性を感じてほしい。

 一緒にバスケットの未来を創ってほしい。

 そういう方が会場に訪れてくれることで、アルバルク東京の目指す新たなNextFASEが開けると思っている。

 まずはアルバルカーズになる一歩目を踏み出す人が少しでも増えることを心より願っている。

横田晶次郎(B MY HERO!特派員)

【(C)☆Kaoru☆】

熱狂的アルバルカーズ。アルバルカーズのハンチング帽の人。
現在アルバルク東京に応援団はないが、応援コールリードをしていたため”団長”と呼ばれることが多い。
ファンにできることの可能性を日々探っています。
[アルバルカーズ選出による「ALVARK MIP」賞の主催、アリーナ周りの清掃活動「アルバルカーズスマイルアクション」の主催、「ルカフラッグ」の発案・制作・実施(現在は終了)、その他非公式ファンイベント諸々]
尊敬する人:宇都宮ブレックス公認サポーターズグループ「B-rAids」代表・萩島さん、シーホース三河公認サポーターズクラブ「たつのコネクト」代表・戸根さん

Bリーグ公認応援番組「B MY HERO!」
毎週火曜日18時〜スポーツナビとバスケットボールキングYouTubeで配信中!
詳細は関連リンクをチェック!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

B MY HERO!は「あなたのヒーローを見つける1時間」をコンセプトにしたBリーグ公認の応援番組(毎週火曜18時~)です。番組特派員が推しクラブの模様やゲームの演出など、Bリーグの楽しみ方をレポートしていきます。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント