【J1・広島】GAME REPORT J1リーグ第3節 vs.札幌

サンフレッチェ広島
チーム・協会

【©J.LEAGUE】

GAME REPORT

 サンフレッチェがホームで執念の戦いを披露した。
 試合はいきなり動いた。前節・横浜FM戦から中2日ということもあり、先発を6人入れ替えて臨んだ広島は序盤からアグレッシブさを全開に出してスタート。早々に藤井智也のシュートからCKを獲得すると、早くもゴールが生まれた。森島司のキックをフリーで合わせたのは柴埼晃誠。頭で豪快に突き刺して先制に成功した。
 その後も広島の勢いは止まらなかった。テンポの良いパスワークで札幌を押し込んでゲームを進めると、3分には右SB茶島雄介のクロスからドウグラス・ヴィエイラがヘディングでゴールを狙う。これは枠を捉えることができなかったが、得点の匂いを漂わせながら攻撃を仕掛け続けると、8分に見事な連係が生まれた。後方の茶島からドウグラスへとパスが渡り、左サイドの藤井へスルーパス。ボールを受けた背番号15は冷静に中央へ折り返すと、これを柏好文が右足で見後なグラウンダーのシュートを突き刺して早々に2点のリードを奪った。
「前半は我々が思い描いたような良い入りができた」と城福浩監督も振り返ったまさに完璧と言ってもいい試合の入り。ただし、名将・ペトロヴィッチ監督率いる札幌の攻撃はやはり侮ることはできなかった。
 その後、なかなかリズムが出ていなかった相手に次第に押し込まれると、元広島のアンデルソン・ロペスや金子拓郎、ルーカス・フェルナンデスらの突破や高精度の左足キックを持つ福森晃斗のクロスを浴び続けてしまう。ゴール前で深井一希に2度の決定機を許した場面ではGK大迫敬介のビッグセーブで抑えることができたが、43分、ついにこじ開けられてしまった。エリア内で柴埼がルーカスを倒してしまいPKを献上。これをロペスに決められて2-1で前半を終えた。
 それでも後半は広島の組織力が際立った。前半途中から札幌に攻め込まれる中で守備の修正をハーフタイムに加えると、札幌攻撃陣にシュートは許すものの決定機は作らせず。脅威となっていた相手のサイドの突破に対してはしっかりと二人で対応し、中央では粘り強く守って無失点で進めて行く。終盤にはエリア外から田中駿汰にクロスバー直撃のシュートは打たれたが、その他の場面ではしぶとく札幌攻撃陣を跳ね返して2-1の逃げ切り勝ち。「(前半の)最後のところでPKを取られたのは反省しないといけないが、前半の我々のアグレッシブさと後半の勝利への執念を見せられた。ある意味、我々らしいゲームができたと思っている」(城福監督)と言う意地を見せた紫軍団がようやく“今季初勝利”を奪った。

先制ゴールを決めた柴崎晃誠選手 【©2021 S.FC】

クラブ通算1300点目となる追加点を決めた柏好文選手 【©2021 S.FC】

城福浩監督 試合後のコメント

「今年に入ってゲーム内容は決して悪くないものの、勝点3を取り切れないでいた。ファミリーの方々にも悔しい思いをさせていたので、今日は一緒に喜び合えて良かった。前半は我々が思い描いたような良い入りができたし、できれば3点目を取りたかったと思うぐらい非常に内容が良かった。最後のところでPKを取られたのは反省しないといけないが、前半の我々のアグレッシブさと後半の勝利への執念を見せられた。ある意味、我々らしいゲームができたと思っている。もちろん3点目を取ってゲームを終わらせたかったが、何よりもみんなで最後は勝点3を手繰り寄せた、そういう姿勢を見せられたのは良かった」

---引き分けが続き、今日はメンバーを大きく変更した中で勝点3は大きかったのでは?
「我々は中2日だったので、ある意味で腹を括れた。『全員でチームで成長していくんだ』というところは、ここで見せないといけないし、ここで成長を促さないといけないと思っていたので、むしろ腹を括ってメンバーを変えた。ポジションについても人数がたくさんいるわけではないので、ギリギリのところでやりくりをしながらやった。本当に選手はよくやってくれたと思う。決して下を向く内容ではなかった中で勝点1で終わっていたので、ここで自分たちの向かうもの、目指しているものを再認識するためにも勝点3が必要だった。それは良かった」

追加点が決まった瞬間に全身で喜びを表現する城福浩監督 【©2021 S.FC】

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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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