センバツ優勝候補・横浜と健大高崎を徹底比較 秋の全国王者か、大会連覇がかかる前年覇者か
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どちらもドラフト候補を擁する投手陣が最大の強み
横浜は先発型の右腕・織田翔希(新2年)、走者がいる場面で力を発揮する左腕・奥村頼人(新3年)、昨秋に急成長を遂げた左腕・片山大輔(新3年)の3人が中心。昨秋の健大高崎戦では、織田が7回途中まで試合を作り、片山が左打者2人を抑えたあと、8回から奥村頼につないだ。
来年のドラフト上位候補の織田は、スピンの効いた最速150キロのストレートをストライクゾーンにテンポよく投げ込み、カーブとチェンジアップでタイミングをずらす正統派の右腕。関東大会の決勝は連投となったこともあり、6回から球速が落ち、7回に2点を失った。試合後、村田浩明監督は「継投のタイミングが遅かった。私のミス」と語っていた。投手層が厚いだけに、継投がカギを握る。
奥村は、中軸も任される投打の柱。「試合に出ていたほうがいいタイプ」(村田監督)と、あえてピッチャーに専念させていない。「織田は失点するけど、自分はしない。ゼロにこだわりたい」と、後輩にライバル心を燃やす。
速球が注目される石垣だが、課題だった変化球の質も上がっている。横浜戦では準々決勝(対佐野日大)では1球も投げていなかったスプリットを投げ、横浜打線を苦しめた。それだけ、「横浜を意識していた」と見ることもできる。
下重は、すぐにでも大学のリーグ戦で投げられそうな実戦派。右打者はもちろん、左打者のインコースをグイグイと攻められるコントロールを持ち、特にツーシームの精度が高い。横浜戦では打者7人をパーフェクトに封じ込めた。「下重の成長が非常に大きい」と、青栁博文監督も厚い信頼を寄せる。
層の厚さ、起用のバリエーションという点では横浜に分があるが、強力な左右の両輪を擁する健大高崎も負けておらず、投手力はほぼ互角と見ていい。ただ、大会直前になり、石垣が左脇腹を痛め、万全のコンディションではないのは気になる点だ。スライダーが武器の島田大翔(新3年)、緩急自在のピッチングが持ち味の山田遼太(新3年)の活躍も、連覇のカギとなる。