“名手”市原弘大の即効レッスン ㉑傾斜からのアプローチ
砲台グリーンからボールがこぼれたときや、打ち上げのコースでグリーンをショートした場合、左足上がりのライからアプローチすることが少なくありません。この場合、ボールを上げやすいため、ついピンそばにボールを落とそうとしがちです。グリーンエッジからピンが近ければ構いませんが、ピンが離れているときは得策ではありません。なぜなら、距離感をつかむのが難しいからです。
たとえボールを上げやすいライでも、ピンに近づけたいなら、グリーンエッジを少し越えたところにボールを落とし、そこからピンまで転がす意識を持ちましょう。ピッチエンドランで寄せた方が、ラインにも乗りやすく、ピンに寄る確率が高くなります。
左足上がりのアプローチでもグリーンエッジの先にボールを落とし、転がして寄せる 【スポニチ】
打ち方ですが、クラブを少し短く握り、ボールの位置はスタンス中央。それよりも右に置くと、クラブヘッドが地面に刺さり、フォロースルーを取れないこともあるので気をつけましょう。右足体重で構え、ヘッドが地面に沿って動くように払い打つイメージでスイングします。
クラブヘッドが地面に沿って動くように払い打つ 【スポニチ】
これも傾斜なりに立つのが基本です。ただし、バランスを崩さない程度に左足に体重を多く乗せましょう。ボールの位置は真ん中です。
このライでの注意点は、バックスイングになります。と言うのも、ボールよりも右サイドが高くなっているため、インサイドにヘッドを引くと、地面に当たってしまうからです。それを避けるには、アウトサイド気味にヘッドを上げることです。また、傾斜の角度にもよりますが。バックスイングの際、右足が左足よりも高い位置にあるので、両手が右足に当たって、邪魔な時があります。アドレスでは右足を引いて目標の少し右を向いて構えましょう。
せっかくヘッドをアウトサイドに上げても、ダウンスイングでインサイドからヘッドを下ろすと、ボールよりも先に地面を叩いてしまいます。アウトサイドにクラブを上げたら、そのままアウトサイドからヘッドを下ろしましょう。クローズスタンスに構えますが、アウトサイドインのスイング軌道をイメージしながら打ちます。
クローズスタンスに構えるが、アウトサイドインの軌道をイメージして打つ 【スポニチ】
(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)
◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。
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