“名手”市原弘大の即効レッスン ⑳高低の打ち分け
高い球を打とうとして失敗する理由は、ボールを上げる意識が強くなることです。基本的にボールを無理に上げにいくと、手前をダフるかボールの下をクラブヘッドが潜って飛ばないなどのミスが出ます。
アイアンショットではいくらボールを高く上げても、番手に応じた飛距離が出なければ意味がありません。そこでお勧めしたいのは、アドレスでのボール位置の変更です。
通常、スタンスの中央かやや左にボールをセットしている人なら、ボール1個分左に寄せましょう。
高い球を打ちたい時はボール1個分左に寄せる 【スポニチ】
気をつけてほしいのは、目線の高さです。高い位置を見ようとしがちですが、目線が高いと右足体重になったり、ボールをすくって打とうとします。越えたい木の中央あたりを見て、目線が高くなりすぎないように心がけましょう。
高い球を打つ時に目線が高くならないように気をつけよう 【スポニチ】
次に低弾道のショットですが、これは林の中から脱出する時や、目の前にある木に対して、枝の下を通したい時に有効です。通常よりもボール1個分くらい右に置き、ハンドファーストに構えます。
低い球を打ちたい時はボール1個分右に寄せてハンドファーストに構える 【スポニチ】
注意点は、クラブ選択です。例えば、林の中から70ヤードほど打ちたいとき、9番アイアンやピッチングウエッジを手にしがちです。いくら先ほどの打ち方をしても、元々のロフトが大きいので弾道はそこまで低くなりません。ましてや、ボールを上げる意識がない分、しっかりとボールをコンタクトできるので、自然とボールが上がりやすくなります。最低でも8番アイアン、もしくは7番アイアンを選択しましょう。
ロフトの大きなクラブを手にした分、スイング幅は自動的に小さくなります。打ちたい距離にもよりますが、右腰から左腰までの振り幅で、十分林を脱出できるだけの距離は出せます。
枝の下を通して、グリーンに近づけたい場合、グリーンまでの距離がある状況であれば、さらにロフトの小さいクラブを選択しましょう。無理にスイング幅を大きくすると、ミスショットにつながるので気をつけて下さい。
目線は通常よりも低くなります。ボールの落としどころを見ても良いですし、自分が打ちたい弾道の高さをイメージしても良いでしょう。
(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)
◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。
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