“名手”市原弘大の即効レッスン ⑱傾斜のあるライ②

スポニチアネックス
 丘陵コースで必ず遭遇するのが、爪先上がりのライと爪先下がりのライ。どちらもアベレージゴルファーがミスを犯しやすいライですが、市原弘大プロによれば、無理をしないことが一番とのこと。もちろん、それらのライから打つとどのような球筋が出るのか、どう打てばいいのかなどを理解した上での話です。まずは、正しい打ち方をもう一度確認しましょう

 丘陵コースでティーショットをスライスすると遭遇するのが爪先上がりのライです。この場合、ボールが平地よりも高い位置にあるのが特徴です。当然、平地と同じ感覚でボールを打てば、手前をダフることになります。それを避けるために行ってほしいのが、クラブを短く握ることです。左手がグリップの中央部分を握るぐらいのイメージです。

爪先上がりのライでは、ボールが平地よりも高い位置にくる 【スポニチ】

 スイング自体は横振りになるため、明らかに通常のスイングとは異なります。正直、振り過ぎると、クラブフェースがどこを向いているのか分からなくなります。したがって、大振りは禁物大きくても右肩から左肩までの振り幅に抑えましょう

 高い位置にあるボールにフェースを合わせると、フェース面は目標の左を向きます。なおかつ、横振りだとフェースターンの度合いが大きくなるので、ボールに左回転がかかります。体のラインよりも左に打ち出されて、そこから左に曲がる球筋になると考えましょう。これは、ロフトの大きいクラブになればなるほど顕著になります。

 ボールを左に曲げることを計算して、体のラインやスタンスを最初の構えよりも右に向けることは勧めません。なぜなら、爪先上がりに左足上がりが加わった複合ライになるからです。単なる爪先上がりよりも難易度が上がり、それだけミスの確率も高くなります。傾斜に対してスクエアに構えたら、フェースを少し開いて、左に曲がる度合を抑えましょう

 次に、爪先下がりのライですが、先程とは逆に、平地よりもボールが体から離れた位置にきます。したがって、クラブを短く持つ必要はありません。傾斜によっては、それでも届かないことがあるので、その場合は膝を曲げる角度を深くしたり、腰の位置を少し落として対応します。

傾斜がきついときは膝を深く曲げ、腰を落として構えよう 【スポニチ】

 下半身を安定させなければ、スイング中にバランスを崩し、ボールをヒットできません。ただし、下半身を安定させると、フットワークは使えないので、ほぼ手打ちになると考えましょう。実際、手打ちのほうがミート率アップのメリットもあります。ただし、インパクトゾーンで手を返し過ぎると、ボールは左へ曲がるので要注意。

 本来、爪先下がりのライから打つと、右へのスライスが出ます、にもかかわらず、左へ曲がるのは、下半身を踏ん張ろうとして、足に力が入り過ぎて、手打ちに拍車がかかりすぎるからです。それを防ぐには、距離を捨てて、コンパクトなスイングを心がけることです。 爪先下がりのライから打つときは、右腰から左腰までの振り幅で十分です。まずはその打ちにくいライから、できるだけ平地に近いライにボールを運ぶことを第一に考えましょう

爪先下がりから打つ時は、大振りは厳禁。右腰から左腰までの振り幅で 【スポニチ】

 また、スライスしやすいからといって、左を向くのは反対です。右足下がりが加わる複合ライになるからです。大きくスライスさせたくなければ、振り幅をさらに小さくするか、番手を下げて打ちましょう。

(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)

市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。
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著者プロフィール

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