スマイルジャパン、得点力とコミュニケーションを強化 “氷都”苫小牧でミラノ五輪出場権獲得を目指す

沢田聡子

北京五輪後に経た世代交代の時期

若い世代に人気の性格診断「MBTI」もコミュニケーションツールになったと語る小池 【提供:日本アイスホッケー連盟】

 会見で小池を主将、細山田を副将に指名した理由を問われた飯塚監督は「北京オリンピック以降、2人とも現役を続けるか続けないか、悩んでいた時期があったと思う」と答えた。

「続けてくれるなら2人にキャプテン、オルタネイトキャプテンを任せたいと私は決めていました。快諾ではなかったかもしれないが引き受けてくれて、今日までチームを支えてくれています。今回は特にオリンピック予選を経験していない若手選手がたくさんチームに含まれておりますので、経験値、またプレーでみせてくれることを信じまして、2人を指名させていただきました」

 ソチ五輪最終予選のメンバーでもあり「あまりいい環境ではなく苦労していた時代から、日本の女子アイスホッケーを支えてきてくれた1人」と飯塚監督が語る小池は、今回五輪予選に臨む若手を頼もしく見つめている。

「意外と今の若手には、オリンピック予選を楽しみにしている選手が多い。自信をつけさせるよう、『楽しもう』という姿勢で引っ張っていきたいなと感じています」

 チーム最年少の黒丸春香は17歳、最年長の細山田は32歳。当初は世代間のコミュニケーションが不足していたという代表チームだが、31歳の小池は自ら“いじられキャラ”となることでチームをまとめてきた。

「北京オリンピック後は、ベテラン選手が多く抜け若手選手が入ってきて世代交代があった中で、最初の1、2年は本当にコミュニケーションをとることに苦労しました。その中で私自身としては、世代を超えたコミュニケーションと、誰とでも意見を言い合えるようなチーム作りに力を入れてきました。つい先ほども合宿があって、その中でもチームミーティングを重ね、世代を超えたコミュニケーションがだんだんとれてきているな、いいチームになってきたなと感じています」

 小池は、日本が最後に経験した五輪最終予選である2018年平昌五輪最終予選を振り返った。

「平昌オリンピックの予選のときは、まだ私はキャプテンではなくて。今回キャプテンとして臨むにあたり、もちろんプレッシャーはある。でもそのプレッシャーをいいプレッシャーと考えて、チームを引っ張っていけたらなと思っています」

 氷都・苫小牧に歓喜をもたらすため、スマイルジャパンは鍛錬の1カ月を送る。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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