【第4節レビュー】“ファーストパンチ”には成功も、後半は主導権を相手に握られ逆転を許す
第3節を終えて1勝2敗、岐阜の地に乗り込んで10位のトヨタヴェルブリッツと対戦
試合の入りは積極的なディフェンスでリズムをつくっていく。5分、敵陣の密集でターンオーバーに成功すると、HO武井日向のブレイクでゴール前へ。フェイズを重ねるとトヨタVに反則が出てPGで先制。10分にも、ボールキャリーとキックで前進し、NO8リアム・ギルの突破からトライが生まれ10-0とする。しかし、15分、17分に迎えた決定機を逃すと流れはトヨタVへ。それでも自陣でのピンチを堅いディフェンスで弾き返し、スコアを許さずに前半を終えた。
後半2分、SO中楠一期がハイボールの競り合いで負傷し交替。ルーキーの伊藤がSOに回り、やはりルーキーのCTB PJ・ラトゥなどを加えた布陣で試合を再開させたが、直後の4分に外のスペースを突かれトライを許す。BR東京は8分にPGで3点を返し13-5とする。
BR東京はFWを縦に走らせるアタックを繰り返しフェイズを重ねたが、トヨタVも粘りを見せ、ディフェンスラインを堅持。12分、ミスを突いてキックで前進したトヨタVに、再び外側のスペースを突かれトライを許す。16分にもディフェンスを真ん中に寄せられ、外を破られるかたちでインゴールに運ばれ13-15と逆転される。
しかしBR東京は20分、自陣に蹴り込まれたキックに追いつき、これを確保したSO伊藤耕太郎がスピードを見せ、独走トライで5点を返し18-15 と再びリードを奪い返す。
我慢比べの時間の中で、もう一度流れを引き寄せたいところだったが31分、ハーフウェイ付近からのキックを捕球して抜けたトヨタVがトライを決めて再逆転。さらに38分にはPG、39分にはインターセプトからトライを奪われ引き離された。第3節を終え、通算成績は1勝3敗。勝ち点は5のままで、順位を10位に落としている。
リーグワン2024-25 第4節 BR東京 18 - 32 トヨタV 【リコーブラックラムズ東京】
試合経過
奪ったボールで攻め、HO武井日向が右中間のギャップを抜ける。ゴール前でフェイズを重ね、相手のオフサイドを誘うとSH TJ・ペレナラがインゴールに転がす。押さえられなかったが、ほぼ正面のPGをSO中楠一期が成功させて3-0とする。
前半10分[BR東京]
自陣スクラムから、CTB池田悠希のパワフルなキャリー、22mの内側へのキックなどを使った攻撃で前進。ラックサイドのギャップに走り込みパスを受けたNO8リアム・ギルが抜け、FLマイケル・ストーバーグに繋いで中央インゴールへ。CVも中楠一期が成功させて10-0。
前半13分[BR東京]
センタースクラムから右へ展開。折り返すと左のタッチライン際をWTBネタニ・ヴァカヤリアがゲイン。ゴール前でCTB礒田凌平に戻すとブレイクダウンに。ここで相手15番が倒れ込みPKを獲得。15番にイエローカード。(〜前半24分)
前半15分[BR東京]
ラインアウトからモールを組み、HO武井日向が持ち出しトライを狙う。ラックからピックしたSH TJ・ペレナラがトライを狙うがアンプレアブルに。
前半17分[BR東京]
相手のトライラインドロップアウトから攻めて前進。LOハリソン・フォックスのキャリーでトライラインに迫る。SH TJ・ペレナラが再びトライを狙うが、ディフェンスに阻まれノックフォワード(ノックオン)。
前半25分[トヨタV]
ラインアウトモールでトライを狙うが、SH TJ・ペレナラとWTBシオペ・タヴォが身体を入れてグラウンディングを阻む。
前半28分[BR東京]
自陣ディフェンスでWTBネタニ・ヴァカヤリアが相手11番と頭部がぶつかり、脳しんとうのチェックのため、替わってセミシ・トゥポウが入る。(そのまま交替)
前半30分[BR東京]
トライラインを背負ってのディフェンスが続くが、インゴール右隅を狙った相手23番にCTB礒田凌平とNO8リアム・ギルがタックル。押し出してトライを阻む。
前半39分[トヨタV]
トヨタVがラインアウトからアタック。ポスト右にグラウンディングしたが、映像確認を経てスローフォワードの判定。10-0で前半を終える。
後半0分[BR東京]
PR西和磨をサミュエラ・ワカヴァカに、HO武井日向を佐藤康に入れ替えて後半へ。
後半2分[BR東京]
SO中楠一期がハイボールを競りにいき、相手11番と衝突。脳しんとうのチェックのため退出。替わってPJ・ラトゥが入りCTB、FB伊藤耕太郎がSOに上がり、礒田凌平とセミシ・トゥポウが後方をカバーするかたちに。(中楠はそのまま交替)
後半4分[トヨタV]
守るBR東京にラインオフサイド。トヨタVはゴール前ラインアウトからモール。左サイドから展開し、人数の足りていない右サイドを突く。BR東京はCTB PJ・ラトゥらがバッキングアップに走ったが届かずトライ。CVは不成功で10-5。
後半8分[BR東京]
敵陣ラインアウトから攻め、右サイドをNO8リアム・ギルがゲイン。WTBシオペ・タヴォに繋ぎさらに前へ。CTB PJ・ラトゥのピックゴーでトライラインに迫る。さらに攻めたがボールがこぼれた。その前の段階でトヨタVにハイタックルがあったとしてPK獲得。PGをSO伊藤耕太郎が成功。13-5とする。
後半12分[トヨタV]
後方に空いたスペースに、14番がキック。よく走って追いついた礒田凌平が蹴り返すが、トヨタVがこのボールを使ってカウンターアタック。手薄になっていたBR東京の右サイドを破り12番がトライ。CVは不成功、13-10。
後半14分[BR東京]
PRパディー・ライアンを大山祥平に、LOハリソン・フォックスをファカタヴァアマトに入替。
後半16分[トヨタV]
ハーフウェイ付近でアタック。BR東京はこれを止めていくが、やや中央に引き寄せられたところで左のスペースを突かれ、11番がトライ。ラストパスに対しスローフォワードのチェックで映像確認が行われたが、判定は変わらず。CVは不成功ながら13-15と逆転を許す。
後半20分[BR東京]
タップして再開したトヨタVが、BR東京陣内の裏にキックを放ち、両軍が追う。こぼれ球をSH TJ・ペレナラがはたくと、これにSO伊藤耕太郎が反応。巧みに拾って加速。約60mを走り、最後はカバーに回った相手15番のタックルを外し、右中間にトライ。自ら蹴ったCVは外れたものの、ルーキーのリーグワン初トライで18-15と再逆転に成功。
後半29分[BR東京]
ハーフウェイ付近でボールが行き来する展開が続く。攻めるトヨタVが22mに迫ったが、PRサミュエラ・ワカヴァカとNO8リアム・ギルのコンビネーションでスティール(ジャッカル)に成功。
後半30分[BR東京]
LOロトアヘアポヒヴァ大和を柳川大樹に入替。
後半31分[トヨタV]
BR東京が侵入を果たした敵陣で反則。ハーフウェイ付近のラインアウトから攻めるトヨタVは、15番が蹴ったキックを、飛び出した23番がキャッチ。14番に繋いで右中間にトライ。CVも成功し18-22。
同36分[BR東京]
セミシ・トゥポウを髙橋敏也に入替。髙橋はWTBに。
後半37分[トヨタV]
BR東京陣内、左中間のスクラムでペナルティを獲得。PGに成功し18-25。
後半38分[BR東京]
再開のキックオフで、CTB PJ・ラトゥが落下地点に詰め、相手からボールをもぎ取る。WTB髙橋敏也が展開しアタックを仕掛けようとしたが、飛び出してきた相手7番にインターセプトされトライを許す。CVも決まり18-32。そのままノーサイドを迎えた。
試合後インタビュー
最後のスコアですね。かなりダメージがあったかなと。特に最後の20分のところ。リーグのレベルが高い分、ミスをすればかなり大きなダメージがある。それでも前に進み続けなければいけない。部分的にはよいパフォーマンスもできました。いくつかいいトライも獲れましたし、隣にいるFL松橋(周平)のように、よいパフォーマンスを見せてくれた選手はたくさんいた。バックフィールドのところは整備が必要かなと。来週のゲームの相手もまたタフなチームなので、自分たちの弱みを狙ってくると思う。しっかり取り組んでいきたい。とても残念で負けた後はネガティブになりがちですが、コーチとしてこの先もポジティブマインドを保っていきたいと思っています。
— 後半うまくスコアをあげられなかった要因は
トライライン付近までいったときに、2回ヘルドアップされた。前半もトライラインの近くでエラーがありましたが。ああいうエラーはクリティカルなものになり、勝つか負けるかに影響を与える。そういったシーンでポイントを重ねていければ、結果は違っていたかもしれないですね。
— SO中楠一期がアクシデントで退出後、バランスが変わったようにも
10番が出られなくなると当然難しくなる。彼とTJ(SHペレナラ)とのコネクションはよくなってきていたので。ただラッキーなことに、同じく若く将来性のある10番である(SO/FB伊藤)耕太郎もいるので、彼に15番から10番に回ってもらった。
FL 松橋周平バイスキャプテン
岐阜という地で、多くの皆さんの前で試合をさせていただき、今日は本当にありがとうございました。今週、自分たちはここで勝つ権利を得るためにすごくいい準備をしてきたつもりではあったんですけど、タンバイ(マットソンHC)が言ったように後半20分くらいから、徐々にそれが崩れてきてしまった。簡単なミスをしてしまったり、簡単にトライを与えてしまったりして、コネクションが切れていったと感じています。
前半はすごいフィジカルにプレーできていて、もっとスコアを重ねていくことができたかなというシーンもあったんですけど、やはり後半にトヨタVにやりたいラグビーをされたというか、相手が僕らの弱みをしっかり突いてきて、それが敗因だったかなと思っています。
でもすぐに次の仕事が始まるので、明日しっかりリカバリーして、また月曜日から強いマインドセットで、クボタ(S東京ベイ)を倒すために全力を尽くすだけです。僕もリーダーとしてチームを引っ張っていけたらと思いますし、全員がそういうマインドセットで向かっていけるように働きかけていきたい。今日はありがとうございました。
— 後半のディフェンスは、これまでの試合とは少し違った状態にあった
相手がダイレクトに来る分には問題なかったんですけど、後半、ボールを回され始めて、回しながら裏にキックを蹴られたときにうまくカバーできなかった。そのまま相手にボールを獲られて、ゲイン切られて、トライを獲られてしまったというシーンがほとんどだったとは思うので、そこを修正していきたい。
PR パディー・ライアン
勝ちたかったですね。フィジカリティはレベルアップしているし、セットピースも精度を出せていたと思う。ただ、それ以外の部分でミスが多かったことが結果につながったのかなと。トヨタVのスクラムは開幕からぐっとレベルアップしてきていると感じました。それに対応できていたのはハッピーです。そういうポジティブなところはたくさんあったのですが、やはり負けてしまったのは残念ですね。来週もビッグチャレンジがあるので頑張りたい。楽しみにしています。
— フィジカリティでは相手を上回っていたように映った
キープしていきたいと思っています。いい練習の成果が試合に出ていると感じるので、そういう練習を続けていきたい。フィジカリティはFWにとって重要な部分なので。でも、ディシプリンは必要だね。相手がいいディフェンスラインを敷いているときは、どうしてもペナルティが出てしまうこともあるけれど、来週は同じことをしてはいけない。
— このチームへの思いを強く感じる
このチームで、新しいコーチたちのもとでプレーすることを楽しんでいます。それが頑張れている理由。いいコーチなんですよ。
— 全体練習後、ヘッドコーチとよくタックルスキルを確認している
そう。僕の意識、ボディヘイト。背が高いから、ローレベルでね。(日本語で)
LO ロトアヘアポヒヴァ大和
— 前節から先発での出場機会を掴み、いいプレーを見せている。
このチャンスを生かすしかないぞという気持ちでやっています。心掛けていることは、チームがやりたいプレーを深く知ろうとすること。実際にそのプレーを試合で出すこと。
— タックルも低く、規律意識を感じる
ペナルティをしないことは強く意識していて、皆で声を掛け合っているけど、まず自分がペナルティから離れていけるようにと。
— チームとして、フィジカリティは見せ続けている
チームがやりたいラグビーを理解して、皆が試合中の役割をわかっているから、フィジカティを出せているというのはあると思う。迷うことが少ないので。
— ラインアウトは修正ポイントの1つだったと思うが、安定感が出ていた
過去3試合、セットピースはあんまりだった。大事なところでミスしていた。今日は修正できたけど、他のところでペナルティを犯してしまった。ちょっとディフェンスでプレッシャーをかけすぎていたかな。それでオフサイドになってしまったりして。
— トライを獲れそうで獲れない場面もあった。フラストレーションも?
特にそこまでは溜まっていない。チャンスを生かしきれなかったのは痛かったけれど、そのあとセイムページを見ようと皆で話し、切り替えていました。
SO/FB 伊藤耕太郎
10番として、(SO中楠)一期さんがアウトしたときに、コントロールできてなかったのが一番悔しいです。でも、自分の今後の伸びしろでもあると考えたい。毎試合、本当にトップレベルを経験できているので、今後の成長に繋がる試合だったのかなと思います。
— チームとして意識していたのは
これまで通り、前半の20分の“ファーストパンチ”のところを意識しました。あとはダイレクトに強くいこうとも話していました。そこについては収穫があったと思います。ただ、それでも後半はあまりトライが獲れていなかったので、それだけではだめなのだと思います。しっかりビデオを見て、チームとしていいアタックができるように。
— SHペレナラとよくコミュニケーションをとっていた
TJからアイデアが出ていたので、(理解が)合っているかを確認していました。
— 後半はバックフィールドを使われた
コミュニケーションが取りづらい展開になったとき、相手にそこを使われてしまった。あそこで、試合中の改善というのがもう少しできていれば。
NZ代表"オールブラックス" SH対決はラグビーファンを大いに沸かせた 【リコーブラックラムズ東京】
リーグワン第5節はクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)との対戦。
次のホストゲームは、2月8日(土)に開催される第7節 静岡ブルーレヴズ戦。BR東京としては初のJヴィレッジスタジアム(福島)での開催となる。さらに2月15日(土)は江東区夢の島競技場で第8節 浦安D-Rocks戦、2月22日(土)に秩父宮ラグビー場で第9節 東芝ブレイブルーパス東京と続く。静岡ブルーレヴズ戦と浦安D-Rocks戦は1月15日(水)より先行チケット販売開始。
引き続きブラックラムズ東京の応援をよろしくお願いします。
チケット先行販売は1月15日(sui 【リコーブラックラムズ東京】
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