和田毅が「スゴいと思った投手ベスト5」を発表! 先輩・斉藤和巳が絶賛する“ワッチ”の絶対的な武器とは?
2位:ダルビッシュ有
ダルビッシュ有のことをポテンシャルも高くて研究熱心と話す和田毅さん。「それでは太刀打ちできない」と舌を巻く 【写真は共同】
斉藤 ダルも器用やもんな。小手先がすごく器用。
和田 これだけのポテンシャルを持っているのに研究熱心。それじゃ太刀打ちできないですよ。
斉藤 このポテンシャルで努力されたら敵わへんという代表格よな。ダルは今も変わらないもんな。
和田 変わらないですね。フォームは少し変わった印象はありますが、投げている球の質は全然変わっていないと思います。
1位:松坂大輔
「彼しかいない」という松坂大輔を1位に挙げた意外な理由とは? 高校時代のエピソードも披露してくれた 【写真は共同】
斉藤 同世代のピッチャーたちにとって、大輔は「追いつけ、追い越せ」の存在だろうからね。ワッチは大輔とは高校のときからつながりはあったの?
和田 一方的に僕が写真を撮ってもらっただけしかないです。高校3年生の夏の甲子園のとき、松坂大輔と新垣渚の2人と写真を撮っておけば一生自慢できると思っていました。
斉藤 えっ! 渚とも写真撮ったの? それは人生の汚点やろ~(笑)。
和田 いえいえ、その当時は渚の前に行列ができていたんですから。
斉藤 たしかに高校のときは「沖水の新垣」って有名だったもんな。
和田 ただ、僕と大輔の写真は結構メディアに出ているんですけど、残念なことに渚との写真は全然出ないんです(笑)。
斉藤 そりゃそうやろ、渚やで(笑)。
※動画(15:00〜)では「新垣渚さんとのツーショット写真」を本邦初公開!
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斉藤 そうか、あれは大輔に止められたのか。当時は12球団のピッチャーの中で大輔が常に君臨しとったもんな。最終的にはワッチとホークスで一緒にやることになったけど、プロ入りした当初は雲の上の存在みたいな感じだったの?
和田 最初は全然話せなかったです。近寄りがたい存在でしたね。アテネオリンピックの予選で初めてチームメイトになって、僕はなかなか話し掛けづらかったのですが、大輔の方から話し掛けてくれたんです。「松坂くん…ですよね?」「浜田高校の和田だよね?」という感じで、最初は敬語で話していました(笑)。
斉藤 プロに入っても? お互い日の丸を背負っているのに(笑)?
和田 いつも大輔の方から話し掛けてくれて、自分もだんだん普通に話せるようになっていきました。大輔がすごいなと思うのは、球界のスーパースターだったのに決して偉ぶらないところですよね。
斉藤 大輔は真っすぐも唸っていたし、スライダーもこんなに曲がるのかというくらい曲がっていたもんな。チェンジアップも「ふわ~!」って感じで落ちていたもんな。
不器用なのに22年間も現役を続けられた理由
ベスト5に挙げた投手たちに和田毅さんが「唯一勝てた」と自負しているものとは? 【写真:スリーライト】
斉藤 そう考えると、ワッチは不器用だよな?
和田 不器用ですね。
斉藤 それでも22年間もやってこられたわけだから。
和田 この5人に僕が一つだけ勝てることがあるとしたら、「真っすぐの質」だと思います。球速や変化球では一切勝てないですね。
斉藤 たしかにこの5人はみんな150キロオーバーやもんな。ワッチは特別にすごいスライダーとかチェンジアップがあるわけでもない。
和田 僕は真っすぐの質、これ一本でここまで来られたと思っているんです。これまでに名前を出した5人の投手たちと比べて、それ以外は一つも勝てないですね。
斉藤 そこがすごいよ。やっぱり真っすぐの質なんだろうな。平均140キロぐらいの真っすぐでも空振りが取れたり、ファウルを打たせられるという技術。ワッチはフィールディングも器用にできるタイプじゃなかったもんな。
和田 苦手でしたね。けん制はサウスポーなのである程度練習しましたけど。杉内(俊哉)は器用でしたよね。スライダー、カーブ、緩い球を投げたり、ナックルも投げていましたよね。
斉藤 渚も意外と小手先は器用やん。下半身を使えてないから(笑)。
和田 だから最後の方は暴投が多くなってましたね(笑)。でもやっぱり、器用だからプロになれたと思うんですよね。
斉藤 ここまで話してみて、ワッチが不器用なのにここまで長く現役を続けられたことに、すごさを感じているよ。俺はワッチの不器用さを知っているから、なおさらそう思う。お前やっぱりすごいな! この5人は全員器用やで。そこに肩を並べているわけだから。
<第3回につづく>
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