「3冠」目指す大阪桐蔭が大本命 リベンジ狙う桐蔭学園、石見智翠館らも虎視眈々【全国高校ラグビー大会見どころ】
流通経済大柏、京都工学院、報徳学園…ノーシード校が狙う下剋上
もっとも予想が難しい組み合わせとなったのは、Bシードの東海大大阪仰星と5度の優勝を誇る目黒学院が入った山だろう。東海大大阪仰星は30日の初戦(2回戦)で昨季ベスト4の佐賀工業(佐賀)vs.四国王者・松山聖陵(愛媛)の勝者と、目黒学院は初戦(2回戦)で一昨季の準優勝校・報徳学園(兵庫)vs.東北の名門・仙台育英(宮城)の勝者と対戦する。さらに、その勝者同士が元日の3回戦で対戦。激しい戦いとなりそうだ。
ノーシードの京都工学院(京都)も、前身の伏見工業時代に優勝4回の名門校。現在の校名では初出場となり、27日の1回戦では6年ぶり2度目の出場で初勝利を目指す聖光学院(福島)と対戦する。勝利すれば30日の2回戦ではBシードの中部大春日丘に挑む。花園で9大会ぶりに見る赤黒ジャージーがどこまで勝ち進むか、ファンの耳目を集めることになろう。
2年連続出場となった高川学園(山口)は昨季初戦を突破したが、同じく2年連続2度目の出場となった山梨学院(山梨)は27日の初戦で青森山田(青森)と対戦し、初勝利を目指す。
初出場校がゼロだった今大会の特徴としては、実力校がシード落ちしたケースが多いことだろう。流通経済大柏、京都工学院、報徳学園、尾道、佐賀工業、長崎北陽台の6校はノーシード校ながら力があり、虎視眈々とシード校を下す『シードバック』つまり下剋上を狙っている。毎年多くてもシードバックは1、2試合である。今大会の台風の目になるのはどの高校になるのか。
9大会ぶり21回目の出場・京都工学院のU-17日本代表トリオ(右から春名倖志郎、杉山祐太朗、林宙) 【写真/斉藤健仁】
花園は、負けたら終わりのノックアウト方式のトーナメント戦である。高校3年生は最後の大会、そこに賭ける思いはグラウンドから伝わってくる。今季も高校生ラガーマンたちの真剣勝負、体と体のぶつかり合いが大阪の冬を熱くする!